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紹介文 :
ソフトウェア開発において、有識者によるレビューは非常に重要である。しかし、ドメイン知識の豊富な有識者の数は限られており、有識者にかかる負担は大きい。有識者の負担を減らす為には、レビューアへの教育が必要である。我々はレビューアが早期にドメイン知識を習得し、より質の高いレビューができるようにするトレーニング手法について研究してきた。
我々は2014年度SQiP研究会にて仕様書に意図的にエラーを埋め込み、それをレビューする手法(EIDeR-Training 法:Error Injected Document Review -Training 法)を提案した。ドメインに特化した欠陥を仕様書に埋め込み、教材とすることで、失敗の疑似体験を可能とした方法である。EIDeR-Training 法の教材の作成は20分程度で可能であり有識者への負担は比較的少ない。実験から一定の効果は見られたものの効果にばらつきがあった。
本報告では効果にばらつきがみられる原因について考察し、EIDeR-Training法の改良を行った。実験の結果、シナリオレビューの手法を取り入れレビューアのレベルに合わせた教材を使ったEIDeR-Training法により、若手レビューアの不具合検出率は33%~300%向上した。
本報告では、提案手法とその実験の結果、考察について述べる。
ソフトウェア開発において、有識者によるレビューは非常に重要である。しかし、ドメイン知識の豊富な有識者の数は限られており、有識者にかかる負担は大きい。有識者の負担を減らす為には、レビューアへの教育が必要である。我々はレビューアが早期にドメイン知識を習得し、より質の高いレビューができるようにするトレーニング手法について研究してきた。
我々は2014年度SQiP研究会にて仕様書に意図的にエラーを埋め込み、それをレビューする手法(EIDeR-Training 法:Error Injected Document Review -Training 法)を提案した。ドメインに特化した欠陥を仕様書に埋め込み、教材とすることで、失敗の疑似体験を可能とした方法である。EIDeR-Training 法の教材の作成は20分程度で可能であり有識者への負担は比較的少ない。実験から一定の効果は見られたものの効果にばらつきがあった。
本報告では効果にばらつきがみられる原因について考察し、EIDeR-Training法の改良を行った。実験の結果、シナリオレビューの手法を取り入れレビューアのレベルに合わせた教材を使ったEIDeR-Training法により、若手レビューアの不具合検出率は33%~300%向上した。
本報告では、提案手法とその実験の結果、考察について述べる。
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執筆者 :
井田 達也(㈱東京ビジネスソリューション)
、松本 達平(㈱インテック)
、浅尾義則(アイエス情報シテム㈱)
、中島優紀(東京海上日動システムズ㈱)
、川上隆也(東京海上日動システムズ㈱)
、高橋功(ソーバル㈱)
紹介文 :
ソフトウェア開発におけるレビューは、ソフトウェアの欠陥を早期に検出可能な手段として、品質向上・コスト削減・納期遵守に有効である。しかしながら、レビューにおいて影響度の高い欠陥を検出できるかや、検出に掛かる時間の長さはレビューアに依存しているのが現状である。これらの課題について、個々人が持っている欠陥に関する知識(以下、欠陥知識)を組織として有効活用することで解決できないかと考えた。
そこで、本研究チームでは、影響度の高い欠陥を容易に見つけることが可能な思考法であるHDR法(SQiPシンポジウム2013、HDR法:仮説駆動型レビュー手法の提案)から着想を得て、「欠陥連鎖チャート(Defect Chain Chart:以下DCC)」を考案した。
DCCは欠陥知識を可視化し、欠陥知識同士の関連を表現した図であり、欠陥知識を共有・蓄積・活用するためのものである。
このDCCにより課題の解決が可能かを確認するために実験を行った。DCCを用いてレビューを実施すると、従来のレビューよりも単位時間あたりの重大欠陥の指摘数が上がるという結果を得た。また、実験被験者からは「経験が少ないメンバーに対して有効である」との評価が得られた。これはDCCを用いたレビューが課題解決に有効であることを示唆する。
本論文では、新しい欠陥モデルである欠陥連鎖チャートの利用方法と効果、ならびに今後の展望について報告する。
ソフトウェア開発におけるレビューは、ソフトウェアの欠陥を早期に検出可能な手段として、品質向上・コスト削減・納期遵守に有効である。しかしながら、レビューにおいて影響度の高い欠陥を検出できるかや、検出に掛かる時間の長さはレビューアに依存しているのが現状である。これらの課題について、個々人が持っている欠陥に関する知識(以下、欠陥知識)を組織として有効活用することで解決できないかと考えた。
そこで、本研究チームでは、影響度の高い欠陥を容易に見つけることが可能な思考法であるHDR法(SQiPシンポジウム2013、HDR法:仮説駆動型レビュー手法の提案)から着想を得て、「欠陥連鎖チャート(Defect Chain Chart:以下DCC)」を考案した。
DCCは欠陥知識を可視化し、欠陥知識同士の関連を表現した図であり、欠陥知識を共有・蓄積・活用するためのものである。
このDCCにより課題の解決が可能かを確認するために実験を行った。DCCを用いてレビューを実施すると、従来のレビューよりも単位時間あたりの重大欠陥の指摘数が上がるという結果を得た。また、実験被験者からは「経験が少ないメンバーに対して有効である」との評価が得られた。これはDCCを用いたレビューが課題解決に有効であることを示唆する。
本論文では、新しい欠陥モデルである欠陥連鎖チャートの利用方法と効果、ならびに今後の展望について報告する。
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紹介文 :
設計書が完成した時点でのみ実施するレビューでは,たとえレビューで適切な指摘ができたとしても,重大な欠陥が発見されると,その修正に大きな手戻りが発生する.また,残りの期間ではリカバリできない等の理由から,レビューによる是正効果が完全には発揮できていない問題がある.
その解決のために,我々は 3 分割レビューを提案する.3 分割レビューとは,各設計工程の期間を 3 分割し,1/3 時点,2/3 時点,3/3 時点の3回(以後「完成時点」と記載)で予め用意したレビュー観点表を用いてレビューを行うことで,手戻り工数削減,開発計画の遵守を実現させるためのレビュー手法である.
本提案の有効性を,基本設計工程の 1/3 時点レビューの実験より検証した.工程の 1/3時点であっても,設計の根幹に関わる重大欠陥の検出は可能であり,手戻り工数の削減,開発計画の遵守の 2 つの課題からも有効であるということを確認した.
また,プロジェクト特性に基づくレビュー観点表の具体例を複数作成し,現場適応性を高めた.
設計書が完成した時点でのみ実施するレビューでは,たとえレビューで適切な指摘ができたとしても,重大な欠陥が発見されると,その修正に大きな手戻りが発生する.また,残りの期間ではリカバリできない等の理由から,レビューによる是正効果が完全には発揮できていない問題がある.
その解決のために,我々は 3 分割レビューを提案する.3 分割レビューとは,各設計工程の期間を 3 分割し,1/3 時点,2/3 時点,3/3 時点の3回(以後「完成時点」と記載)で予め用意したレビュー観点表を用いてレビューを行うことで,手戻り工数削減,開発計画の遵守を実現させるためのレビュー手法である.
本提案の有効性を,基本設計工程の 1/3 時点レビューの実験より検証した.工程の 1/3時点であっても,設計の根幹に関わる重大欠陥の検出は可能であり,手戻り工数の削減,開発計画の遵守の 2 つの課題からも有効であるということを確認した.
また,プロジェクト特性に基づくレビュー観点表の具体例を複数作成し,現場適応性を高めた.
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IBR法(問診に基づくレビュー方法)は成果物作成者への問診から得た推論からレビューポイントを導出する。成果物作成時の個人・プロジェクトの問題を認知し、短時間で「合理的なレビューポイント」を導出することが出来る。
システム開発において品質を検証する技法であるレビューは、効果的に重大欠陥を検出する重要な手段である。しかしレビューが、成果物の説明会、若手の指導や作成者の吊し上げを行う場など、個人・プロジェクトの前提・課題の共有および対策の検討をする会議と化している事が散見される。これは開発期間短縮等により情報共有や対策検討の時間が確保できない事が原因だと考えられる。
そこで我々は「問診」を通じて成果物の作成状況から個人やプロジェクトが抱えている課題を的確に推論し、レビューポイントを導出するIBR法を考案した。
問診は、成果物作成者に個人やプロジェクトの背景にある問題を推測する質問をする。医療の診断においては誤診を防ぐ工夫がされており、これをソフトウェアレビューに則した改変を行った。これを用いる事で問診の推論の精度を高める。
実験の結果この方法は、重大欠陥の効率的な検出に有効であり、理解しやすく、習得性が高い方法である事がわかった。
IBR法(問診に基づくレビュー方法)は成果物作成者への問診から得た推論からレビューポイントを導出する。成果物作成時の個人・プロジェクトの問題を認知し、短時間で「合理的なレビューポイント」を導出することが出来る。
システム開発において品質を検証する技法であるレビューは、効果的に重大欠陥を検出する重要な手段である。しかしレビューが、成果物の説明会、若手の指導や作成者の吊し上げを行う場など、個人・プロジェクトの前提・課題の共有および対策の検討をする会議と化している事が散見される。これは開発期間短縮等により情報共有や対策検討の時間が確保できない事が原因だと考えられる。
そこで我々は「問診」を通じて成果物の作成状況から個人やプロジェクトが抱えている課題を的確に推論し、レビューポイントを導出するIBR法を考案した。
問診は、成果物作成者に個人やプロジェクトの背景にある問題を推測する質問をする。医療の診断においては誤診を防ぐ工夫がされており、これをソフトウェアレビューに則した改変を行った。これを用いる事で問診の推論の精度を高める。
実験の結果この方法は、重大欠陥の効率的な検出に有効であり、理解しやすく、習得性が高い方法である事がわかった。
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ソフトウェア開発の現場では,短納期,高品質が求められており,技術文書に対するレビューが不可欠となっている.各プロジェクトでは,混入した欠陥をいち早く検出するために,同一文書に対して複数回に渡りレビューを実施したり,開発リーダや有識者がレビューを実施したりする等の工夫がされている.しかし,それでも重大欠陥の検出漏れを防ぐことができず,大きな手戻りが発生し,結果的に時間やコストがかかってしまうケースが多く見られる.そこで,我々はレビュー時の新規役割「ハーベスタ」,及び欠陥分析用ツール「知見分析表」を提案する.
ハーベスタは,レビュー結果を収集し,検出された欠陥の傾向や欠陥混入に至った背景などを分析して,以降のレビューにフィードバックする役割を担う.知見分析表は,影響度と緊急度という2つの指標を軸とした表で,レビュー時に検出された欠陥を,ハーベスタがその表にプロットし,欠陥の検出傾向を捉えるために利用する.ハーベスタは,プロットした結果から傾向や混入原因を考察することで,以降のレビュー観点を導きだす.考察の結果として,検出される可能性があるにも関わらず未検出の欠陥種類があれば,その観点の追加も検討する.
実験では,ハーベスタを配置して知見分析表を用いて欠陥の分析を行い,その結果を次回のレビュー担当者にフィードバックすることで,レビューの質が向上し重大欠陥の検出効率が向上することが確認できた.
ソフトウェア開発の現場では,短納期,高品質が求められており,技術文書に対するレビューが不可欠となっている.各プロジェクトでは,混入した欠陥をいち早く検出するために,同一文書に対して複数回に渡りレビューを実施したり,開発リーダや有識者がレビューを実施したりする等の工夫がされている.しかし,それでも重大欠陥の検出漏れを防ぐことができず,大きな手戻りが発生し,結果的に時間やコストがかかってしまうケースが多く見られる.そこで,我々はレビュー時の新規役割「ハーベスタ」,及び欠陥分析用ツール「知見分析表」を提案する.
ハーベスタは,レビュー結果を収集し,検出された欠陥の傾向や欠陥混入に至った背景などを分析して,以降のレビューにフィードバックする役割を担う.知見分析表は,影響度と緊急度という2つの指標を軸とした表で,レビュー時に検出された欠陥を,ハーベスタがその表にプロットし,欠陥の検出傾向を捉えるために利用する.ハーベスタは,プロットした結果から傾向や混入原因を考察することで,以降のレビュー観点を導きだす.考察の結果として,検出される可能性があるにも関わらず未検出の欠陥種類があれば,その観点の追加も検討する.
実験では,ハーベスタを配置して知見分析表を用いて欠陥の分析を行い,その結果を次回のレビュー担当者にフィードバックすることで,レビューの質が向上し重大欠陥の検出効率が向上することが確認できた.
ダウンロード数: 75回
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紹介文 :
1 背景
ソフトウェアの品質向上のためにレビューは有効な手段として認められており、必須の活動として取り組まれている。また、同じく品質向上の取り組みとして、多くの企業で各工程やスプリント、プロジェクト終了時などに開発全般に関しての振り返りが行われる。
しかし、振り返りは一般的に、システム開発プロセスやプロジェクト管理の観点に注目が集まることが多く、レビューの実施方法に踏み込んだ振り返りが行われることは比較的少ない。
筆者らは、開発現場で成果物品質が上がらないのは、振り返り活動がレビュー品質の改善に繋がっていないことに一因があると考えた。そこで、個々の現場におけるレビューの質を向上させるために、レビューの振り返り手法を検討することにした。
2 解決すべき課題
振り返り手法には、KPT やYWT などのいくつかのフレームワークがある。しかし、これらは、活動内容を思い出しながら振り返ることが一般的である。多くは、参加者の主観的な記憶を頼りに行われることになるため、振り返りの観点に漏れや偏りが発生しやすい。
これは、改善の機会を逸しやすい状況にあることを示唆している。
次に、会議で自由に発言するような振り返り手法を用いた場合、声が大きい人の意見にその場の議論が引きずられるため、他の参加者が本音を言えないことがしばしば起こる。
特に作成者とレビューアでは上下関係がある場合が多いため、作成者が意見を言いにくいことも多い。ここにも、改善の機会を逸しやすい状況が存在している。
上記の課題に対して、筆者らは以下の2 点を満たす振り返り手法を考案することができれば、レビュー品質の改善に効果の高い振り返りが実施可能になるのではないかと考えた。
・ 事実に基づく客観的な振り返りを実施するための具体的な手順・ 役割・立場が異なる参加者全員から意見を引き出すための具体的な手順これらを踏まえて、本研究では以下を解決すべき課題として設定する。
RQ1:事実に基づく客観的な振り返りによって、重要な振り返り項目が導出できるか?
RQ2:役割・立場が異なる参加者全員から意見を引き出せれば、改善の観点が広がるか?
RQ3:提案手法を用いて、レビュー品質や成果物品質が向上するか?
以降、2 章では先行研究の調査結果を示し、3 章では筆者らが提案する振り返り手法を示す。4 章で提案手法に対する実験と評価考察を行い、5 章でまとめを示す。
1 背景
ソフトウェアの品質向上のためにレビューは有効な手段として認められており、必須の活動として取り組まれている。また、同じく品質向上の取り組みとして、多くの企業で各工程やスプリント、プロジェクト終了時などに開発全般に関しての振り返りが行われる。
しかし、振り返りは一般的に、システム開発プロセスやプロジェクト管理の観点に注目が集まることが多く、レビューの実施方法に踏み込んだ振り返りが行われることは比較的少ない。
筆者らは、開発現場で成果物品質が上がらないのは、振り返り活動がレビュー品質の改善に繋がっていないことに一因があると考えた。そこで、個々の現場におけるレビューの質を向上させるために、レビューの振り返り手法を検討することにした。
2 解決すべき課題
振り返り手法には、KPT やYWT などのいくつかのフレームワークがある。しかし、これらは、活動内容を思い出しながら振り返ることが一般的である。多くは、参加者の主観的な記憶を頼りに行われることになるため、振り返りの観点に漏れや偏りが発生しやすい。
これは、改善の機会を逸しやすい状況にあることを示唆している。
次に、会議で自由に発言するような振り返り手法を用いた場合、声が大きい人の意見にその場の議論が引きずられるため、他の参加者が本音を言えないことがしばしば起こる。
特に作成者とレビューアでは上下関係がある場合が多いため、作成者が意見を言いにくいことも多い。ここにも、改善の機会を逸しやすい状況が存在している。
上記の課題に対して、筆者らは以下の2 点を満たす振り返り手法を考案することができれば、レビュー品質の改善に効果の高い振り返りが実施可能になるのではないかと考えた。
・ 事実に基づく客観的な振り返りを実施するための具体的な手順・ 役割・立場が異なる参加者全員から意見を引き出すための具体的な手順これらを踏まえて、本研究では以下を解決すべき課題として設定する。
RQ1:事実に基づく客観的な振り返りによって、重要な振り返り項目が導出できるか?
RQ2:役割・立場が異なる参加者全員から意見を引き出せれば、改善の観点が広がるか?
RQ3:提案手法を用いて、レビュー品質や成果物品質が向上するか?
以降、2 章では先行研究の調査結果を示し、3 章では筆者らが提案する振り返り手法を示す。4 章で提案手法に対する実験と評価考察を行い、5 章でまとめを示す。
ダウンロード数: 58回
SQuBOK分類 :
紹介文 :
IT開発にかかわる組織では、組織や製品の特徴、顧客との関係性などから定めた「レビュー実施方法」、あるいは過去の経緯などから独自の工夫 を行った「組織で定着しているレビュー実施方法」に基づき、レビューを行っている。しかし場面によっては、レビューの長時間化、論点の拡散、欲しい効果の未獲得、作成者の疲弊などの問題が生じている。そして組織で定めたレビュー実施方法に従うことを重要視する あるいは慣れ親しんだレビュー実施方法を変更することへの障壁から、場面に応じてレビューの実施方法を変えることができないという問題がある。 この問題を解決するために我々は、レビューにて得たい効果に応じた「 レビューの実施方法 」、つまりは「レビューの活動要素」を最適化する「オプティマイズ・ レビュー ・ マップ法 」を考案した。 簡易実験とアンケート調査により、本手法の有効性を確認することができた。
IT開発にかかわる組織では、組織や製品の特徴、顧客との関係性などから定めた「レビュー実施方法」、あるいは過去の経緯などから独自の工夫 を行った「組織で定着しているレビュー実施方法」に基づき、レビューを行っている。しかし場面によっては、レビューの長時間化、論点の拡散、欲しい効果の未獲得、作成者の疲弊などの問題が生じている。そして組織で定めたレビュー実施方法に従うことを重要視する あるいは慣れ親しんだレビュー実施方法を変更することへの障壁から、場面に応じてレビューの実施方法を変えることができないという問題がある。 この問題を解決するために我々は、レビューにて得たい効果に応じた「 レビューの実施方法 」、つまりは「レビューの活動要素」を最適化する「オプティマイズ・ レビュー ・ マップ法 」を考案した。 簡易実験とアンケート調査により、本手法の有効性を確認することができた。