SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
ソフトウェア品質管理にお役立てください。

ステークホルダーのアクションと関心事に着目したレビュー観点導出手法~今日からあなたも上級レビューア!『SAKE』の提案~

ソフトウェア品質シンポジウム2022 2020年度SQiP研究会 研究コース2「ソフトウェアレビュー」(2022年)

ソフトウェア開発では,品質向上を図るためにレビューの実施が重要かつ不可欠であるが,その効果はレビューアスキルに依存する傾向にある.知識や経験が豊富な上級レビューアは重大な欠陥を検出できるが,全てのレビューを上級レビューアが担当することは難しい. そのため,上級レビューア以外でも重大な欠陥を検出できるように,レビュー観点を準備する,等の工夫をしているが思うような効果が得られていない.
そこで我々は, 欠陥検出に繋がる新たなレビュー観点の導出手法として『SAKE(Stakeholder Action Kanshingoto Extraction) Method』を考案した.
SAKE Methodは以下の特徴をもつ.
・ステークホルダーのアクション・関心事に着目することで,プロジェクトやレビュー対象物の特性を踏まえたレビュー観点の導出が可能
・関心事から段階的に観点に落とし込むことで,レビューアのスキルに応じた粒度のレビュー観点設定が可能
・導出した観点をレビュー観点特性表(※)に当てはめ,体系的に整理し俯瞰することで,重要な観点の抜け漏れを防ぐことが可能

実験とアンケート調査により、本手法の有効性を確認できたので報告する.

※レビュー観点特性表は,SQuaRE品質特性をベースに,非機能要求グレードやドキュメント品質特性など一般的に体系化された多様な特性を追加・統合して,我々が作成した特性表である.
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