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状態遷移モデルの一部が明示されていない場合における自動テスト生成手法

ソフトウェア品質シンポジウム2022 2022年度SQiP研究会 研究コース5「人工知能とソフトウェア品質」(2022年)

本発表では、昨今のソフトウェア開発における規模の増大や短納期化に対応するため、品質担保の効率化に有効である、状態遷移に関する自動テスト生成手法について提案する。
システム開発において、ユーザが直接操作するアプリケーション(以下、アプリ)は仕様変更が頻発する。そのため、設計ドキュメントへの記載は最小限に留め、頻繁に修正が必要な状態遷移図は記述しないことがある。
その場合、アプリの状態遷移モデルが明示されていないため、入力に対する期待動作を機械的に記述できないことから、アプリの状態遷移テストを自動生成することは難しい。
そこで、複数アプリの共通機能である、アプリケーションフレームワーク(以下、フレームワーク)に着目した。アプリ開発者への情報提供の観点からフレームワークの状態遷移モデルは明示されていることが期待できる。従って、フレームワークの状態遷移モデルが常に満たすべき性質を記述することにより、アプリの状態遷移テストの成否を判断する方法を検討した。
また、テストケースについても、フレームワークの状態遷移モデルを活用することで、不具合を効率的に発見するためのテストケースの生成方法についても検討した。
以上、状態遷移モデルが部分的に明示されていない場合における状態遷移テストを自動生成する方法について検討した内容に対して、実験を行い検証したので、その結果について報告する。