4 件の資料が見つかりました。
ダウンロード数: 867回
SQuBOK分類 :
紹介文 :
JAXAでは、新規のシステムを開発する際、ソフトウェアの要求定義や設計段階で、要求の抽出や設計のレビュー、試験ケースの網羅性向上、運用への制約を抽出するためにFMEA(故障モードと影響解析)を行っている。FMEAの効果を向上させるためには、一般的に「故障モード」を如何に網羅的に導出するかと、システムへの影響が大きい「故障」を洗い出せるかが重要である。一方、ソフトウェアの製品としての特性からFMEAを適用する際、下記の課題が発生していた。
課題①:ソフトウェアへFMEAを適用する単位は抽象的なアイテムになるため、ソフトウェアの「故障(求められる機能を遂行できない)」を発想する難易度が高い。
課題②:ソフトウェアは、システムの利用や運用状況を分析して製作されるため、アイテム(機能等)の特性に合わせた上位システムへの影響を分析する難易度が高い。
本発表では、分析フレームワークで技術者の思考を段階的に誘導し、GSN(Goal Structuring Notation)とESD(Event Sequence Diagram)のビューによるレビューを行う方法で解決を試みた結果を説明する。
JAXAでは、新規のシステムを開発する際、ソフトウェアの要求定義や設計段階で、要求の抽出や設計のレビュー、試験ケースの網羅性向上、運用への制約を抽出するためにFMEA(故障モードと影響解析)を行っている。FMEAの効果を向上させるためには、一般的に「故障モード」を如何に網羅的に導出するかと、システムへの影響が大きい「故障」を洗い出せるかが重要である。一方、ソフトウェアの製品としての特性からFMEAを適用する際、下記の課題が発生していた。
課題①:ソフトウェアへFMEAを適用する単位は抽象的なアイテムになるため、ソフトウェアの「故障(求められる機能を遂行できない)」を発想する難易度が高い。
課題②:ソフトウェアは、システムの利用や運用状況を分析して製作されるため、アイテム(機能等)の特性に合わせた上位システムへの影響を分析する難易度が高い。
本発表では、分析フレームワークで技術者の思考を段階的に誘導し、GSN(Goal Structuring Notation)とESD(Event Sequence Diagram)のビューによるレビューを行う方法で解決を試みた結果を説明する。
ダウンロード数: 440回
SQuBOK分類 :
紹介文 :
ソフトウェア(以下、SW)をその製作目的に対して保証するためには、稼働後のシステム/ソフトウェアの利用や運用等の前提(以下、コンテキスト情報)を設計やそのレビュー時に考慮することが重要となる。SWの振る舞いがシステムの利用へクリティカルな影響を与える場合、コンテキストの考慮漏れは「想定外の状況や使い方」が発生し、最終的に致命的な事故につながってしまう。その「想定外」を減らすため、SW技術者は、与えられた仕様を満たすSWを製作するだけではなく、SW開発段階でもコンテキスト情報を踏まえた「リスクシナリオ」を識別し続けることが重要である。
一方、宇宙機システム開発では以下の特性のため、コンテキスト情報の抽出や伝達において難しさが存在する。
•利用目的(ミッション)の固有性が高く、システム毎にSWにとってコンテキスト差異が大きい。
•大規模且つ多組織による共同開発であるため、コンテキスト情報の伝達ミスが発生しやすい。
•シミュレーション解析及びモデリング中心であるため、SW技術者がコンテキスト情報を把握する難易度が高い。
本発表では、コンテキスト情報に着目した3つのビューを用いたリスクシナリオの作成方法、および3つのビューをより使いこなすノウハウを移転するためのレビュー技法を提案する。
ソフトウェア(以下、SW)をその製作目的に対して保証するためには、稼働後のシステム/ソフトウェアの利用や運用等の前提(以下、コンテキスト情報)を設計やそのレビュー時に考慮することが重要となる。SWの振る舞いがシステムの利用へクリティカルな影響を与える場合、コンテキストの考慮漏れは「想定外の状況や使い方」が発生し、最終的に致命的な事故につながってしまう。その「想定外」を減らすため、SW技術者は、与えられた仕様を満たすSWを製作するだけではなく、SW開発段階でもコンテキスト情報を踏まえた「リスクシナリオ」を識別し続けることが重要である。
一方、宇宙機システム開発では以下の特性のため、コンテキスト情報の抽出や伝達において難しさが存在する。
•利用目的(ミッション)の固有性が高く、システム毎にSWにとってコンテキスト差異が大きい。
•大規模且つ多組織による共同開発であるため、コンテキスト情報の伝達ミスが発生しやすい。
•シミュレーション解析及びモデリング中心であるため、SW技術者がコンテキスト情報を把握する難易度が高い。
本発表では、コンテキスト情報に着目した3つのビューを用いたリスクシナリオの作成方法、および3つのビューをより使いこなすノウハウを移転するためのレビュー技法を提案する。
ダウンロード数: 397回
SQuBOK分類 :
紹介文 :
JAXAでは、開発プロジェクトとは異なる第三者の技術者でソフトウェアの評価を行う独立検証及び妥当性確認の活動(以下、IV&V活動という)を行っている。IV&V活動は、開発プロジェクトが作成した設計書やソースコード等のソフトウェア開発成果物に対し、将来不具合となるようなリスクの有無を開発作業と並行して評価していく活動である。そのため、IV&V活動に従事する技術者は、ドメイン知識、ソフトウェア設計や検証技術の知識に加えて、ソフトウェアの不具合要因となるようなリスクを抽出する能力が求められている。
リスクを抽出する能力は、一定の業務経験に加えて技術者の思考特性による得手不得手が大きく影響するため、リスクを抽出する能力の度合いを計測することで、よりIV&V活動に向いた技術者を配置できる。
従来、技術者の能力を短時間で計測する方法は、「概念や手法をどの程度知っているか」等の選択式又は論述式による筆記試験で計測していたが、「リスクを分析する能力」のように人の思考過程に依存する能力は計測することが困難であった。一方、提案する本手法では、技術者の思考過程をGSN(Goal Structuring Notation)形式で可視化することで、技術者の思考過程に依存する能力を数値化し能力の度合いを計測できるか試みた結果を報告する。
JAXAでは、開発プロジェクトとは異なる第三者の技術者でソフトウェアの評価を行う独立検証及び妥当性確認の活動(以下、IV&V活動という)を行っている。IV&V活動は、開発プロジェクトが作成した設計書やソースコード等のソフトウェア開発成果物に対し、将来不具合となるようなリスクの有無を開発作業と並行して評価していく活動である。そのため、IV&V活動に従事する技術者は、ドメイン知識、ソフトウェア設計や検証技術の知識に加えて、ソフトウェアの不具合要因となるようなリスクを抽出する能力が求められている。
リスクを抽出する能力は、一定の業務経験に加えて技術者の思考特性による得手不得手が大きく影響するため、リスクを抽出する能力の度合いを計測することで、よりIV&V活動に向いた技術者を配置できる。
従来、技術者の能力を短時間で計測する方法は、「概念や手法をどの程度知っているか」等の選択式又は論述式による筆記試験で計測していたが、「リスクを分析する能力」のように人の思考過程に依存する能力は計測することが困難であった。一方、提案する本手法では、技術者の思考過程をGSN(Goal Structuring Notation)形式で可視化することで、技術者の思考過程に依存する能力を数値化し能力の度合いを計測できるか試みた結果を報告する。
ダウンロード数: 100回
SQuBOK分類 :
執筆者 :
波平 晃佑((国研) 宇宙航空研究開発機構)
、梅田 浩貴((国研) 宇宙航空研究開発機構)
、大久保 梨思子((国研) 宇宙航空研究開発機構)
、片平 真史((国研) 宇宙航空研究開発機構)
、森崎 修司(名古屋大学)
、 天笠 俊之(筑波大学)
紹介文 :
FMEA(故障モードと影響解析)は、システムにおいて発生する故障を識別し、その影響の致命度に基づく相対的な評価等を通して、故障に対する対策を検討する手法である。JAXAでは、FMEAを行うことでミッションの達成に影響がある故障モードを識別している。故障モードを識別するためには、システムやソフトウェア(以下、SWという)の故障発想の支援が必要である。その方法には、失敗経験等の過去知見の活用、ガイドワードの活用、分析アイテムの具体化の3つと言われている。特に失敗経験として過去の不具合情報は、事象や原因、その発生メカニズムが適切に記録されている場合、システムの特性を捉えた固有の故障モードを作成することに有効である。
一方、JAXAでは、SWやシステムの論理に関するFMEAとして、上記の3つの支援をもとに導出した故障モードとその導出経緯をGoal Structuring Notation(以下、GSNという)形式で蓄積しているが、蓄積されたGSN形式の成果物を知見として十分に活用されていないという問題がある。製品固有の故障モードを抽出するためには、分析者が過去の情報を解釈し、自身の製品の問題に落とし込むことが必要となるが、過去の情報は、類似製品開発を経験した分析者の経験や知見を有する者が参照することが前提となった情報であることが多く、過去知見の参照は極めて属人的となるためである。
そこでJAXAでは、過去FMEA活動を通して蓄積された過去の知見(故障モードとその故障モード導出時に着目した仕様情報)の検索を通して、故障発想を支援する方法を検討した。本稿では、情報検索を使った故障発想への支援を目的とした、情報検索方法や学習データ作成方法、検索結果の反映方法を提案する。
FMEA(故障モードと影響解析)は、システムにおいて発生する故障を識別し、その影響の致命度に基づく相対的な評価等を通して、故障に対する対策を検討する手法である。JAXAでは、FMEAを行うことでミッションの達成に影響がある故障モードを識別している。故障モードを識別するためには、システムやソフトウェア(以下、SWという)の故障発想の支援が必要である。その方法には、失敗経験等の過去知見の活用、ガイドワードの活用、分析アイテムの具体化の3つと言われている。特に失敗経験として過去の不具合情報は、事象や原因、その発生メカニズムが適切に記録されている場合、システムの特性を捉えた固有の故障モードを作成することに有効である。
一方、JAXAでは、SWやシステムの論理に関するFMEAとして、上記の3つの支援をもとに導出した故障モードとその導出経緯をGoal Structuring Notation(以下、GSNという)形式で蓄積しているが、蓄積されたGSN形式の成果物を知見として十分に活用されていないという問題がある。製品固有の故障モードを抽出するためには、分析者が過去の情報を解釈し、自身の製品の問題に落とし込むことが必要となるが、過去の情報は、類似製品開発を経験した分析者の経験や知見を有する者が参照することが前提となった情報であることが多く、過去知見の参照は極めて属人的となるためである。
そこでJAXAでは、過去FMEA活動を通して蓄積された過去の知見(故障モードとその故障モード導出時に着目した仕様情報)の検索を通して、故障発想を支援する方法を検討した。本稿では、情報検索を使った故障発想への支援を目的とした、情報検索方法や学習データ作成方法、検索結果の反映方法を提案する。