本会議2日目 講演テーマ・講演者紹介
特別講演
人びとの暮らしを支えるインテリジェントモビリティとその進化
登壇者
安井 裕司氏
株式会社本田技術研究所
先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニア
先進技術研究所 知能化領域 エグゼクティブチーフエンジニア
2021年、Hondaは世界初となる高速道におけるLevel3自動運転システムを実用化した。これは従来技術が前提としていたドライバーによる周囲監視なしに渋滞時の自動走行を可能とするものであり、この実現にはカメラ・レーダーを含む360deg認識システムだけでなく、安全性と信頼性を確保する冗長制御システムが大きく貢献した。また、安全性の論証・検証のために公道実証実験だけでなく、HILS/SILSを含むサイバーフィジカル検証システムも用いられた。
今後、Hondaは人に寄り添い安全・自由な移動をサポートする協調人工知能(CI: Cooperative Intelligence)の研究を進め、四輪車だけでなく、街中の人とモノの単距離移動を支えるマイクロモビリティへも適用していく。
この講演では、Level3システムとその開発プロセス、および、人々の暮らしと移動の進化を目指したHondaの新たな取り組みについて紹介する。
業務上の経験や研究を主とした経歴
1994年、本田技研工業株式会社へ入社。株式会社本田技術研究所にて、適応制御/ロバスト制御を用いた低公害エンジンの研究に携わり、世界初となるULEV(Ultra Low Emission Vehicle、 1997年)、SULEV (Super Ultra Low Emission Vehicle、 1999年)を実現。その後、ニューラルネットワークやモデルベース制御を用いて、HEV(ハイブリッド電気自動車)、クリーンディーゼル車、F-1用トラクションコントロール等の研究開発に従事した後、2016年より自動運転/運転支援システム、マイクロモビリティのためのAI(人工知能)と制御技術の研究を開始、現在、その研究領域におけるエグゼクティブチーフエンジニア。研究論文や著書
- Y. Yasui, S. Akasaki, M. Ueno, H. Kitagawa: Secondary O2 feedback using prediction and identification type sliding mode control, SAE Paper No.2000-01-0936, SAE Transactions, Vol. 109, Journal of Engines & SAE 2000 World Congress, (2000).
- 安井裕司, 赤崎修介, 上野将樹, 岩城喜久: 触媒後O2フィードバックのための適応スライディングモード制御, No. 20024428,自動車技術会論文集 2002年 7月 vol.33 no.3, (2002).
- 安井裕司, 川澄郁絵, 東谷幸祐: 好燃費-低公害エンジンのための適応空燃比制御, 計測自動制御学会産業論文 第9巻第3号 pp. 11-16, (2010).
- Y. Yasui: Robust Identification Algorithms for Adaptive Engine Controls, IEEE Paper No.1-4244-0166-6 / 9143645, (2006).
- Y. Yasui, K. Higashitani, K. Shimojo: The application of delta-sigma modulation to a continuously variable valve lift engine, IEEE Paper No. 978-1-4244-0443-8/9796889, (2007).
- Yuji Yasui; Ikue Kawasumi; Shinya Nakano; Takahide Mizuno; Yoshihisa Iwaki: A New Concept Traction Control for F-1 Racing Car, International Journal of Modelling, Identification and Control 2012 Vol.17 No.2, (2012)
他
その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)
1992年と1994年に東京理科大学にて機械工学の学士と修士を取得。
2012年に上智大学にて博士を取得。
(公社)計測自動制御学会の正会員
(公社)自動車技術会の正会員
(公社)日本機械学会の正会員
JSAE-SICE 自動車制御とモデルの研究専門委員会 委員長
一般発表
小規模ソフトウェア開発における品質・生産性向上のための定量分析
登壇者
齊藤 拓也 氏
日本電気株式会社
共著
上野 拓也 氏 日本電気株式会社谷口 修 氏 日本電気株式会社
守屋 整 氏 日本電気株式会社
野中 誠 氏 東洋大学
ウォーターフォール型ソフトウェア開発における品質の向上に関わる要因として、弊社では過去の分析結果により、上工程バグ数/KL、上工程バグ摘出率、テスト工程バグ数/KLなどを挙げていた。また、品質良否を分ける第一要因は開発規模であり、小規模開発であれば出荷後品質はほぼ良好であることも示されていた。ただし、小規模開発において品質管理が不要というわけではなく、適切な品質管理を行う必要がある。しかし、小規模開発に対象を絞った品質分析の知見は十分に示されておらず、品質管理の効果が明確になっていないという課題がある。加えて、小規模開発は生産性が低い傾向がみられる。これらのことから、小規模開発の領域にて定量的な分析を行い、品質を確保する方法や、生産性を高める知見を提示することは重要であると考えている。
本研究では、ウォーターフォール型の小規模ソフトウェア開発を対象に、品質に関する定量分析を行った結果を報告する。解決のため出荷前のバグ状況による品質分析を行い、従来の品質管理を適用するための制限と効果を確認した。本発表にて、小規模ソフトウェア開発における品質管理方法を提案する。
本研究では、ウォーターフォール型の小規模ソフトウェア開発を対象に、品質に関する定量分析を行った結果を報告する。解決のため出荷前のバグ状況による品質分析を行い、従来の品質管理を適用するための制限と効果を確認した。本発表にて、小規模ソフトウェア開発における品質管理方法を提案する。
PF構築の新たな規模相当メトリクス定義に向けた仮説検証の取り組み
登壇者
山口 貴久 氏
日本電気株式会社
共著
上野 拓也 氏 日本電気株式会社谷口 修 氏 日本電気株式会社
齊藤 拓也 氏 日本電気株式会社
守屋 整 氏 日本電気株式会社
野中 誠 氏 東洋大学
近年、プラットフォーム構築プロジェクト(以下、PF構築PJ)の主流は、オンプレミス環境からクラウド環境へと移行しつつある。また、構築内容も、シンプルなサーバ・クライアント構成だけでなく、ストレージやネットワーク等の機器を含むものが増えるなど、構築内容の多種多様化が進んでいる。弊社では、これまで主にオンプレミス環境を想定したOS数ベースのメトリクスを品質や生産性の管理指標として用いていたが、このような変化において、PF構築PJの実態を適切に捉えられていないという課題があった。
課題解決に向けて、現場調査を実施した。6件のPF構築PJのデータを収集し、構築内容の構成要素である「製品数・サービス数」(OS数を含む)と「機器数」(仮想マシン含む)の組合せをメトリクスとして用いることで、PF構築PJの実態をより適切に捉えられるという仮説を立てた。また、設計工程では「製品数・サービス数」、製造と単体テスト工程では「製品数・サービス数と機器数の組合せ」、結合/総合テスト工程では「製品数・サービス数」と工程毎にメトリクスの組み合わせを変えることで、PJの工数をより適切に説明できるという仮説を立てた。
回帰分析の結果、設計工程の決定係数はR2=0.52、製造と単体テスト工程の決定係数はR2=0.82と、実用レベルの結果が得られた。しかし、結合/総合テスト工程の決定係数はR2=0.24であり、十分な結果が得られなかった。シンポジウム当日の発表では、PF構築PJ数を増やした分析結果と、結合/総合テスト工程における原因分析を行った結果を報告する。
課題解決に向けて、現場調査を実施した。6件のPF構築PJのデータを収集し、構築内容の構成要素である「製品数・サービス数」(OS数を含む)と「機器数」(仮想マシン含む)の組合せをメトリクスとして用いることで、PF構築PJの実態をより適切に捉えられるという仮説を立てた。また、設計工程では「製品数・サービス数」、製造と単体テスト工程では「製品数・サービス数と機器数の組合せ」、結合/総合テスト工程では「製品数・サービス数」と工程毎にメトリクスの組み合わせを変えることで、PJの工数をより適切に説明できるという仮説を立てた。
回帰分析の結果、設計工程の決定係数はR2=0.52、製造と単体テスト工程の決定係数はR2=0.82と、実用レベルの結果が得られた。しかし、結合/総合テスト工程の決定係数はR2=0.24であり、十分な結果が得られなかった。シンポジウム当日の発表では、PF構築PJ数を増やした分析結果と、結合/総合テスト工程における原因分析を行った結果を報告する。
大規模ミッションクリティカルシステムにおけるトラブル再発防止管理事例
~トラブル多発時の包括分析手法の提案と適用事例紹介~
登壇者
掛川 悠 氏
株式会社NTTデータ
社会のデジタル化に伴い、それを支えるインフラシステムはますます重要性を増しており、多様なサービスを高い品質を維持しながら提供し続けることが求められている。一方で、そうしたシステムの開発・維持を担うプロジェクト運営には様々なトラブルがつきまとう。従って、システムを長期にわたり安定運用するためには、トラブルに対して適切に再発防止策を立案・実行し、自律的に品質改善する仕組みが求められる。
ところが、トラブルの再発防止に必要な分析は機械化が難しく、泥臭い上に意外と難しい。とりわけ、大規模ミッションクリティカルシステムでは、以下の点においてその傾向が顕著になる。
そこで、本稿では大規模ミッションクリティカルシステムの20年にわたる開発・維持で培われたトラブルの再発防止ノウハウを整理し、特に難しいトラブル多発時の原因分析に焦点をあてた。
ところが、トラブルの再発防止に必要な分析は機械化が難しく、泥臭い上に意外と難しい。とりわけ、大規模ミッションクリティカルシステムでは、以下の点においてその傾向が顕著になる。
- 多数の要員を抱え、また要員入れ替えも頻発するため、分析のノウハウや運用を持続可能なプロセスとして整備しない限り一定レベルの質を保った分析の徹底は難しい。
- 多数のグループが相互に連携しながら多数の開発案件、維持管理業務を遂行する中で、異なるグループ/案件で発生した商用トラブルに対して共通要因を見出すのが難しい。
そこで、本稿では大規模ミッションクリティカルシステムの20年にわたる開発・維持で培われたトラブルの再発防止ノウハウを整理し、特に難しいトラブル多発時の原因分析に焦点をあてた。
事業部門の改善活動を促進する「QMS活動クリニック」
~QMS内部監査を刷新し、事業部門のQMS活動の改善と品質目標達成に寄与~
登壇者
篠田 みゆき 氏
TIS株式会社
(1)施策の背景と課題
当社のQMS(品質マネジメントシステム)では全ての事業部門に対してQMS内部監査を実施してきたが、QMS活動が成熟してくると、どの組織もQMSのルールにほぼ適合し、適合性確認の観点の内部監査ではパフォーマンス改善につながる指摘・アドバイスを出すことが難しくなっていた。
また、2015年のQMS刷新では、全社が定める遵守事項を最低限に絞り込み、事業部門が組織特性に合わせてルールを柔軟に改善できるようにした。
その結果、事業部門のルール適用状況や改善活動の実態が、全社部門からは把握しにくくなった。
上記の課題に対し、組織の成熟状況やビジネス形態に拠らず、会社全体として、事業部門の有効な改善活動を継続的に行う必要性を認識し、①QMS内部監査の改善を行い、②QMS活動を見える化した。
また、新しいQMS内部監査の名称を「活動クリニック」に変更し、被監査側と監査側が改善に対してオープンに話し合う場を目指した。
(2)発表概要
本発表では、①②への対応として実施した以下の取り組みについてご紹介する。
当社のQMS(品質マネジメントシステム)では全ての事業部門に対してQMS内部監査を実施してきたが、QMS活動が成熟してくると、どの組織もQMSのルールにほぼ適合し、適合性確認の観点の内部監査ではパフォーマンス改善につながる指摘・アドバイスを出すことが難しくなっていた。
また、2015年のQMS刷新では、全社が定める遵守事項を最低限に絞り込み、事業部門が組織特性に合わせてルールを柔軟に改善できるようにした。
その結果、事業部門のルール適用状況や改善活動の実態が、全社部門からは把握しにくくなった。
上記の課題に対し、組織の成熟状況やビジネス形態に拠らず、会社全体として、事業部門の有効な改善活動を継続的に行う必要性を認識し、①QMS内部監査の改善を行い、②QMS活動を見える化した。
また、新しいQMS内部監査の名称を「活動クリニック」に変更し、被監査側と監査側が改善に対してオープンに話し合う場を目指した。
(2)発表概要
本発表では、①②への対応として実施した以下の取り組みについてご紹介する。
- 事業部門および開発プロジェクトの活動状態のレベル定義とレベル判定方式の構築
- QMS活動の見える化方式を、当社としてのQMS内部監査に位置づけ
- 実運用前に、事業部門の有識者の協力によるフィジビリティ確認
- 事業部門にメリット感のある内容にするための、入念な準備と事業部門との合意
自ら考え自ら変える組織改善活動
~一人ひとりの変革マインドを育て、成長し続ける強い組織に~
登壇者
南池 佐和子 氏
TIS株式会社
当社は高品質なサービスを通じて社会に安全と豊かさを提供し、信頼され続けることを目指す企業であり、筆者は、直接サービスを提供する事業系組織の品質向上を支援するスタッフ部門の1つに所属している。
本発表は、「口うるさい」だけにみられがちなスタッフ部門が、自分たちの課題に向き合い、「口うるさいけど頼りになる」組織へのレベルアップを目標に、将来を見据えたあるべき姿や果たすべき役割に向け実施した組織改善活動の事例紹介である。
●活動概要
全員のアイデアに基づき改善のための取り組みを検討し、組織力向上を図る活動を実施。
1)1人ひとりが変革マインドを持つために
組織や役職にとらわれない部門横断的なチームを結成、若手層をリーダに任命
2)継続的に改善し続ける組織となるために
共通のあるべき姿や旬の話題を取り入れたテーマを設定、本業を離れ自由に活動
●活動の効果
1)1人ひとりの成長:ディスカッションを通じて主体性や積極性が引き出され、自ら考え自ら変える姿勢や変革マインドが醸成
2)組織のレベルアップ:横の繋がりやコミュニケーションが活性化、実業務での連携や業務効率化が図れ組織力が向上
3)事業組織から頼りにされる組織に:事業組織やさらにグループ各社に対し、重要なテーマへの支援の質やスピードが向上
活動開始から5年、私たちの組織は保守的思考から脱却し、さらなる変革に向け改善し続けている。
本発表は、「口うるさい」だけにみられがちなスタッフ部門が、自分たちの課題に向き合い、「口うるさいけど頼りになる」組織へのレベルアップを目標に、将来を見据えたあるべき姿や果たすべき役割に向け実施した組織改善活動の事例紹介である。
●活動概要
全員のアイデアに基づき改善のための取り組みを検討し、組織力向上を図る活動を実施。
1)1人ひとりが変革マインドを持つために
組織や役職にとらわれない部門横断的なチームを結成、若手層をリーダに任命
2)継続的に改善し続ける組織となるために
共通のあるべき姿や旬の話題を取り入れたテーマを設定、本業を離れ自由に活動
●活動の効果
1)1人ひとりの成長:ディスカッションを通じて主体性や積極性が引き出され、自ら考え自ら変える姿勢や変革マインドが醸成
2)組織のレベルアップ:横の繋がりやコミュニケーションが活性化、実業務での連携や業務効率化が図れ組織力が向上
3)事業組織から頼りにされる組織に:事業組織やさらにグループ各社に対し、重要なテーマへの支援の質やスピードが向上
活動開始から5年、私たちの組織は保守的思考から脱却し、さらなる変革に向け改善し続けている。
クラウドサービスのセキュリティ品質点検の仕組み構築と運用
登壇者
堤 智也 氏
TIS株式会社
共著
安永 実 氏 株式会社TIS
当社では、クラウドサービスの開発・提供が増加している。そのような状況下において、品質基準を満たさないままサービスインする事例の存在が判明した。そこで、我々が所属する品質監査室では、全社として解決すべき課題と捉えた。品質基準の遵守状況を確認するためのクラウドセキュリティチェックリストを作成し、クラウドサービス提供者がセルフチェックすることを促すとともに審査制度を設けることとして、2020年度から本格運用を開始した。
本格運用開始後も、特に指摘の多い項目に関するチェックリストの補足記述の見直しや、事例の蓄積と横展開など改善を図っている。また、我々品質監査室が実施する審査活動においても、不適合事項を指摘して終わらせるのではなく、改善ポイントをアドバイスするなどサービス自体の向上につなげる活動を意識してきた結果、審査での指摘数は大幅に減少する結果となった。実際、初年度と2022年度の審査結果を比較分析したところ、平均遵守率は66%から96%に大幅に向上していた。サービスイン時の品質は向上し、当初の課題は解決に向かいつつあると言える。
現在、当社ではクラウドセキュリティ品質基準の遵守意識が向上しており、審査での我々品質監査室からの助言アドバイスも真摯に受け止めサービス改善を図るサイクルが回り始めている。また、サービスイン時だけでなく、サービス企画・設計時に相談を受ける事例も増えつつあり、本取り組みの価値をクラウドサービス提供者も感じてくれている証拠と言える。
今後の課題としては、形骸化防止、認知度向上があげられる。
本格運用開始後も、特に指摘の多い項目に関するチェックリストの補足記述の見直しや、事例の蓄積と横展開など改善を図っている。また、我々品質監査室が実施する審査活動においても、不適合事項を指摘して終わらせるのではなく、改善ポイントをアドバイスするなどサービス自体の向上につなげる活動を意識してきた結果、審査での指摘数は大幅に減少する結果となった。実際、初年度と2022年度の審査結果を比較分析したところ、平均遵守率は66%から96%に大幅に向上していた。サービスイン時の品質は向上し、当初の課題は解決に向かいつつあると言える。
現在、当社ではクラウドセキュリティ品質基準の遵守意識が向上しており、審査での我々品質監査室からの助言アドバイスも真摯に受け止めサービス改善を図るサイクルが回り始めている。また、サービスイン時だけでなく、サービス企画・設計時に相談を受ける事例も増えつつあり、本取り組みの価値をクラウドサービス提供者も感じてくれている証拠と言える。
今後の課題としては、形骸化防止、認知度向上があげられる。
QAチームを作る前に実施できる
プロダクトバックログアイテムの見直しによる品質向上
登壇者
笹尾 納勇仁 氏
株式会社カケハシ
スタートアップ企業ではプロダクトが安定して市場に受け入れられるまでプロダクト開発チームの人員を増やすことが難しく、その中でも継続的な機能リリースを求められます。
また、開発チームの増員ができたとしても優先すべきは機能リリースであり、QAチーム立ち上げまで手が回らないことは少なくありません。
一方で徐々にプロダクトが成長しユーザーが増えるにつれ、品質問題が顕在化することがあります。
このような状況下で、我々はプロダクトバックログの構成やユーザーストーリーの記載を基本的な部分から見直し、ユーザー影響が大きなバグの低減とともに魅力的なプロダクトを継続的にリリースできる取り組みを行いました。
上記の取り組みを通して、今の自分達で出来る事・できない事を知ることができ、品質問題が顕在化した際にQAチームを銀の弾丸のように立ち上げるのではなく、将来の組織設計を明確にしてプロダクト開発チームを運営をすることができると考えております。
また、開発チームの増員ができたとしても優先すべきは機能リリースであり、QAチーム立ち上げまで手が回らないことは少なくありません。
一方で徐々にプロダクトが成長しユーザーが増えるにつれ、品質問題が顕在化することがあります。
このような状況下で、我々はプロダクトバックログの構成やユーザーストーリーの記載を基本的な部分から見直し、ユーザー影響が大きなバグの低減とともに魅力的なプロダクトを継続的にリリースできる取り組みを行いました。
上記の取り組みを通して、今の自分達で出来る事・できない事を知ることができ、品質問題が顕在化した際にQAチームを銀の弾丸のように立ち上げるのではなく、将来の組織設計を明確にしてプロダクト開発チームを運営をすることができると考えております。
アジャイルと反復開発
~忍者式テスト20年の実践から~
登壇者
深谷 美和 氏
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
共著
関 将俊 氏 キヤノンメディカルシステムズ株式会社
反復開発やテスト駆動開発を基礎としたアジャイル開発は世界中で広く普及している。その一方で、アジャイル開発の個々のプラクティスはうまくできているのに、製品開発がうまくいかないといったケースも見受けられる。うまくいかないチームの様子を聞いてみると、基礎となる反復開発の実践に問題があるように感じた。
私たちのチームは製造業でミッションクリティカルな領域のソフトウェアをエクストリームプログラミングで開発している。私たちの20年以上にわたるアジャイル開発の豊富な経験から、反復開発をうまくやる方法を伝えたい。本発表では、反復開発に適したプラクティス「忍者式テスト」を説明し、ストーリーを計画するテクニックや製品を磨く様子やチーム内のロールなど、忍者式テストを中心とした私たちのさまざまな活動について説明する。
私たちのチームは製造業でミッションクリティカルな領域のソフトウェアをエクストリームプログラミングで開発している。私たちの20年以上にわたるアジャイル開発の豊富な経験から、反復開発をうまくやる方法を伝えたい。本発表では、反復開発に適したプラクティス「忍者式テスト」を説明し、ストーリーを計画するテクニックや製品を磨く様子やチーム内のロールなど、忍者式テストを中心とした私たちのさまざまな活動について説明する。
DevOps初心者チームのサービス運用における改善ポイント
登壇者
木村 慎吾 氏
株式会社インテック
本発表では、これまでサービス運営の経験がないチームが、自社の新サービスを立ち上げるにあたり、サービスリリース直後から問題なくサービスを運用できることを目標に取り組んだ事例発表になります。今回はリリース後2年が経過した、その結果についてお話しします。
結果としては、目標としていたリリース直後については、以前よりもスムーズに運用することができました。また、その後の日々の運用においても、発生した課題に対して継続的に改善活動を行いながら、様々な問題を解決してきました。
この解決がうまくいったポイントとしては、開発時に2つの重要なポイントを意識して取り組んだことが関連していると考えています。運用後ではなく、開発時からしっかりとした指針を設けたことで、その後の改善活動もスムーズに行うことができ、運用を安定させることができたと判断しています。
したがって、今回お話しする2つのポイントが、DevOpsを進めたいが、どこから手をつければいいのか悩んでいるチームにとって、ヒントになる内容であると考えています。
結果としては、目標としていたリリース直後については、以前よりもスムーズに運用することができました。また、その後の日々の運用においても、発生した課題に対して継続的に改善活動を行いながら、様々な問題を解決してきました。
この解決がうまくいったポイントとしては、開発時に2つの重要なポイントを意識して取り組んだことが関連していると考えています。運用後ではなく、開発時からしっかりとした指針を設けたことで、その後の改善活動もスムーズに行うことができ、運用を安定させることができたと判断しています。
したがって、今回お話しする2つのポイントが、DevOpsを進めたいが、どこから手をつければいいのか悩んでいるチームにとって、ヒントになる内容であると考えています。
ワークフローモデルの構築によるAI推論フローの処理割当て手法の提案
登壇者
伊藤 弘毅 氏
三菱電機株式会社
クラウドやエッジデバイスなど複数の装置でAIの推論フロー(前処理・推論処理・後処理)を実現する場合、どの処理をどの装置に配置するか割当てを決める必要がある。その時に、十分に検討せずに割当てを決めると、各処理の実行時間や処理間のデータ通信量といった性能効率性や、クラウドサービス利用による課金額が要求を満足せず、設計や実装の手戻りが発生する可能性がある。この手戻りを防ぐには、実機でシステムを構築する前に、上記の非機能要求を検証することが必要となる。
そこで、本発表ではAIの推論フローを表現するワークフローモデルを利用することにより、フローを構成する処理を各装置に最適に割当てる方法を紹介する。この手法を用いることで、AIの推論フローをシステム上に実現した時の処理時間やリソース消費量を実機なしに推測し、最適な処理割当て方法を効率的に導き出すことができるようになる。
なお、本発表は'22年度SQiP研究会 研究コース5 AI Quality Operationチームの成果報告会での内容に、他の推論フローに対する追加実験を行った結果を加えて発表する。
そこで、本発表ではAIの推論フローを表現するワークフローモデルを利用することにより、フローを構成する処理を各装置に最適に割当てる方法を紹介する。この手法を用いることで、AIの推論フローをシステム上に実現した時の処理時間やリソース消費量を実機なしに推測し、最適な処理割当て方法を効率的に導き出すことができるようになる。
なお、本発表は'22年度SQiP研究会 研究コース5 AI Quality Operationチームの成果報告会での内容に、他の推論フローに対する追加実験を行った結果を加えて発表する。
ロングテイルな分布の入力を扱う機械学習システムに対するテスト設計手法の提案
登壇者
松尾 正裕 氏
パナソニックITS株式会社
共著
後藤 優斗 氏 アクセンチュア株式会社
本発表では、機械学習のデータセットによくみられる、ロングテイルな分布において、機械学習の外部品質特性であるAIパフォーマンスとリスク回避性を両立した品質評価手法について提案する。
ロングテイルな分布では、高頻度で出現するメジャーケースと、稀にしか出現しないレアケースに分けることができる。メジャーケースは種類が少ないがデータセット全体におけるウェイトが大きく、レアケースは種類が多いがデータセット全体におけるウェイトは小さい。したがって、利用時の精度を評価するにはメジャーなケースのみを評価すれば概ね評価可能であるが、全体をカバーできているかどうかを評価するためには、レアケースを十分に考慮する必要がある。特に、レアケースにおける誤判定が大きな機会損失につながることがあるため、利用時の精度のみの評価では十分な品質評価ができているとは言えない。
また、データセットを任意に作成できる分野では、データ作成にかかるコストの観点から品質評価に使用するテストデータをなるべく少なくしたいという要求がある。レアケースをすべて評価しようとするとテストデータが膨大になってしまうため、テストデータ量の削減という観点でも有効な手法になるように検討した。
今回はAI-OCR を題材とし、文字の使用頻度がロングテイルな分布であること着目して、テスト設計手法を検討した。本発表では、検討した手法とその有効性について報告する。
ロングテイルな分布では、高頻度で出現するメジャーケースと、稀にしか出現しないレアケースに分けることができる。メジャーケースは種類が少ないがデータセット全体におけるウェイトが大きく、レアケースは種類が多いがデータセット全体におけるウェイトは小さい。したがって、利用時の精度を評価するにはメジャーなケースのみを評価すれば概ね評価可能であるが、全体をカバーできているかどうかを評価するためには、レアケースを十分に考慮する必要がある。特に、レアケースにおける誤判定が大きな機会損失につながることがあるため、利用時の精度のみの評価では十分な品質評価ができているとは言えない。
また、データセットを任意に作成できる分野では、データ作成にかかるコストの観点から品質評価に使用するテストデータをなるべく少なくしたいという要求がある。レアケースをすべて評価しようとするとテストデータが膨大になってしまうため、テストデータ量の削減という観点でも有効な手法になるように検討した。
今回はAI-OCR を題材とし、文字の使用頻度がロングテイルな分布であること着目して、テスト設計手法を検討した。本発表では、検討した手法とその有効性について報告する。
IoT技術を用いた組込み系製品のラズベリーパイを使用した自動化の問題点と解決方法
登壇者
林 尚平 氏
株式会社AGEST
業務系だけでなく組込み製品も品質確保とリリース期間短縮を目的とした自動テストの導入検討が行われています。
組込み系製品は派生機種、仕向け違いなどで同じような仕様でも機種数が多く、ソフトリリースとなった際は派生機種などを含めたすべての機種でリリースのための確認を行う必要があります。
機種数が多くなるとリリースのためのテストの評価工数が膨大になり、リリースが遅れてしまいかねません。そういった自動テストの導入が必要な背景がありますが自動テストの成功事例となると業務系ほど多くありません。
その組込み系の自動テストが困難になる要因は以下のものがあげられます。
業務系であれば自動テストの処理はPC内で完結しますが、組込み系製品となるとPC以外の製品との連携も必要となり、それに適応した自動化ツールが必要となるため自動テストの難易度が上がる要因となっています。
今回はIoT技術を使った組込み系製品の自動化導入に当たり直面した問題とその解決方法を独自の自動テストの成功基準と自動化ツール「TestArchitect」を用いた解決策を説明します。
組込み系製品は派生機種、仕向け違いなどで同じような仕様でも機種数が多く、ソフトリリースとなった際は派生機種などを含めたすべての機種でリリースのための確認を行う必要があります。
機種数が多くなるとリリースのためのテストの評価工数が膨大になり、リリースが遅れてしまいかねません。そういった自動テストの導入が必要な背景がありますが自動テストの成功事例となると業務系ほど多くありません。
その組込み系の自動テストが困難になる要因は以下のものがあげられます。
- PCと組込み製品とシミュレータ機材、サーバなど連携する機材が多い
- 自動化ツールを製品に合わせて作成する必要がある
- IoT技術の組込み系製品の結果確認では製品/通信/サーバなどの確認が必要
業務系であれば自動テストの処理はPC内で完結しますが、組込み系製品となるとPC以外の製品との連携も必要となり、それに適応した自動化ツールが必要となるため自動テストの難易度が上がる要因となっています。
今回はIoT技術を使った組込み系製品の自動化導入に当たり直面した問題とその解決方法を独自の自動テストの成功基準と自動化ツール「TestArchitect」を用いた解決策を説明します。
新規プロダクト開発における品質向上のためのプロセス改善に関する取り組み
登壇者
井関 武史 氏
エクスジェンネットワークス株式会社
プロダクトの顧客サポートにおいて、問い合わせ内容の調査や解析、そして、プロダクトのバグ修正も含めたプロダクト保守業務において、非常に困難な事象が発生し、工数も増大しリードタイムも長くなる傾向となっていた。
これは、新規プロダクト開発において、開発プロセスが定義されておらず、仕様の共有認識や品質概念の欠如、リリース基準の認識相違、プロダクトの成長計画の考慮不足などの状態で、製品 (機能) を追加・修正を行われてきているためであった。
この状況では、問い合わせの調査で仕様、またはバグであるかを判断することが難航し、リリースするプロダクトの品質が安定せずバグも多発する。
さらに、リスク把握ができておらず対応も後手になり、デグレが発生することも多く、顧客サポートにおいて非常に多くの工数が必要となっていた。
そこで、プロダクト開発において、プロダクトの価値と信念を明確にして、クラフトマンシップを示す定義をおこなった。
この、価値と信念を基盤として、担当者の技能だけに頼らずプロダクトの品質を一定以上にすること、そして、プロダクトのリスク把握と可視化を行い、安心・安全に製品をリリースが出来るようこと、さらに、プロダクト保守にも寄与するべくプロダクトの品質向上を目指す開発プロセスの定義と効率化に取り組んだ内容を紹介する。
これは、新規プロダクト開発において、開発プロセスが定義されておらず、仕様の共有認識や品質概念の欠如、リリース基準の認識相違、プロダクトの成長計画の考慮不足などの状態で、製品 (機能) を追加・修正を行われてきているためであった。
この状況では、問い合わせの調査で仕様、またはバグであるかを判断することが難航し、リリースするプロダクトの品質が安定せずバグも多発する。
さらに、リスク把握ができておらず対応も後手になり、デグレが発生することも多く、顧客サポートにおいて非常に多くの工数が必要となっていた。
そこで、プロダクト開発において、プロダクトの価値と信念を明確にして、クラフトマンシップを示す定義をおこなった。
この、価値と信念を基盤として、担当者の技能だけに頼らずプロダクトの品質を一定以上にすること、そして、プロダクトのリスク把握と可視化を行い、安心・安全に製品をリリースが出来るようこと、さらに、プロダクト保守にも寄与するべくプロダクトの品質向上を目指す開発プロセスの定義と効率化に取り組んだ内容を紹介する。
SQiP特別セッション
~製造業のソフトウェア化へ向けて~
ソフトウェアがリードする開発で、サービス変革を実現しよう
登壇者
誉田 直美 氏
株式会社イデソン 代表取締役
公立はこだて未来大学 客員教授 博士(工学)
公立はこだて未来大学 客員教授 博士(工学)
DX(デジタル・トランスフォーメーション)が叫ばれるようになって久しく、日本の製造業のソフトウェア化は待ったなしの状況にあります。
本講演では、サービス変革とソフトウェアの関係をご説明したうえで、今までハードウェア技術に軸足を置いていた企業が、ソフトウェア技術へ重心を移行する際の課題を解説します。さらに、組込み領域でソフトウェア化を実現した日本の実例をご紹介し、その実例に基づいて、ソフトウェアがリードする開発へ移行するためのポイントを考えます。
本講演では、サービス変革とソフトウェアの関係をご説明したうえで、今までハードウェア技術に軸足を置いていた企業が、ソフトウェア技術へ重心を移行する際の課題を解説します。さらに、組込み領域でソフトウェア化を実現した日本の実例をご紹介し、その実例に基づいて、ソフトウェアがリードする開発へ移行するためのポイントを考えます。
業務上の経験や研究を主とした経歴
2020年 ㈱イデソンを設立し、ソフトウェア品質に関するコンサルティングを中心に活動している。執筆や講演による啓蒙活動にも力を注いでいる。前職は、大手電機会社にてソフトウェア品質の専門家として従事。ウォーターフォールモデル開発およびアジャイル開発の両方に精通し、AIシステムの品質保証にも関わるなど、現場での豊富な経験を有している。
また、大学の客員教授として、単なる知識にとどまらない実践的な品質保証を伝える活動も行っている。
㈱イデソン https://ideson-worx.com/
研究論文や著書
- 品質重視のアジャイル開発 ~成功率を高めるプラクティス・Doneの定義・開発チーム編成~ (日科技連出版) 2020年9月発行
- ソフトウェア品質判定メソッド ~計画・各工程・出荷時の審査と分析評価技法~ (日科技連出版、編著) 2019年8月発行
- ソフトウェア品質会計(日科技連出版)2010年発行 <2010年度 日経品質管理文献賞受賞>
- ソフトウェア品質知識体系ガイド 第3版–SQuBOK Guide V3- (オーム社、監修) 2020年11月発行。なおV2( 2014年11月発行)は執筆リーダー、V1(2007年11月発行<2008年度 日経品質管理文献賞受賞>)は著者として執筆に継続的に関与
- ソフトウェア開発 オフショアリング完全ガイド(日経BP社 共著)2004年10月発行
- 見積りの方法(日科技連出版、共著)1993年
その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)
受賞:- 品質管理学会 品質管理推進貢献賞(2020/11)
- プロジェクトマネジメント学会 文献賞(2016/9)
- 第5回世界ソフトウェア品質国際会議(5WCSQ)最優秀論文賞および最優秀発表賞(2011/11)
- 第4回世界ソフトウェア品質国際会議(4WCSQ)最優秀論文賞(2008/9)
学会:
情報処理学会、品質管理学会、プロジェクトマネジメント学会
委員活動:
- 日科技連SQiPソフトウェア品質委員会 副委員長
- プロジェクトマネジメント学会 上席研究員
- 筑波大学大学院 非常勤講師(2012年~2016年)
- 鳥取大学 非常勤講師(2017年)
SQiP特別セッション
SQuBOK(ソフトウェア品質知識体系ガイド)に関する情報発信
「ソフトウェア品質知識体系ガイド」SQuBOK V4 に向けた取り組み、最新情報」
登壇者
手塚 聡子 氏
株式会社日立製作所
デジタルシステム&サービス統括本部
品質保証統括本部
QAデジタライゼーション推進部 部長
デジタルシステム&サービス統括本部
品質保証統括本部
QAデジタライゼーション推進部 部長
登壇者
辰巳 敬三 氏
一般財団法人
日本科学技術連盟
技術顧問
日本科学技術連盟
技術顧問
SQuBOKをはじめ知識体系と呼ばれるものは恒久的なものではなく、技術潮流や時代とともに変化していきます。
SQuBOKにおいてもV1(2007年)で整理されたソフトウェア品質の基礎知識に、V2(2014年)では設計や実装段階の品質知識、V3(2020年)ではクラウド,AI,アジャイルなど新しい技術エリアの品質知識が追加されました。
来るべきSQuBOK V4ではどのような品質知識が追加されることになるでしょうか。
SQuBOK策定部会では、このような変化を把握する活動の一環として、知識体系に関する最新トピックスの論文執筆やISO規格などの改訂情報に基づくSQuBOK参考文献の最新化を行い、年1回発行されるSQuBOK Reviewに掲載しています。
本講演では、品質の考え方の変化や、参考文献の改訂状況から見えてくる変化の様子を概観し、今後のSQuBOKの方向性を考えます。
SQuBOKにおいてもV1(2007年)で整理されたソフトウェア品質の基礎知識に、V2(2014年)では設計や実装段階の品質知識、V3(2020年)ではクラウド,AI,アジャイルなど新しい技術エリアの品質知識が追加されました。
来るべきSQuBOK V4ではどのような品質知識が追加されることになるでしょうか。
SQuBOK策定部会では、このような変化を把握する活動の一環として、知識体系に関する最新トピックスの論文執筆やISO規格などの改訂情報に基づくSQuBOK参考文献の最新化を行い、年1回発行されるSQuBOK Reviewに掲載しています。
本講演では、品質の考え方の変化や、参考文献の改訂状況から見えてくる変化の様子を概観し、今後のSQuBOKの方向性を考えます。
SQiP特別セッション
第14期ソフトウェア品質保証部長の会からの情報発信
ソフトウェア品質保証部長の会 活動の紹介
登壇者
佐藤 孝司 氏
文教大学/本会企画委員会委員
これからの品質保証部門のあり方
~モノ作り から コト作り への変化に対応する品質保証~
登壇者
小松澤 敦 氏
株式会社日立ドキュメントソリューションズ
モノ作り から コト作り への変化により、品質保証の対象は作業成果物だけなく、ビジネスモデルやビジネスライフサイクル全体に拡大しています。広範囲の品質保証を実現するには、ソフトウェアエンジニアリングの知識だけなく、法務、財務、購買、営業、教育、監査等の知識が必要となります。
本発表では、この変化に対応するために、品質保証部門が専門知識を持った複数部門の「ハブ」としての役割を果たすことを提案し、いくつかの事例と共に報告します。
本発表では、この変化に対応するために、品質保証部門が専門知識を持った複数部門の「ハブ」としての役割を果たすことを提案し、いくつかの事例と共に報告します。
Customer eXperience Quality Loop を実現する人材を育てる
登壇者
松波 知典 氏
SOMPOシステムイノベーションズ株式会社
本発表は「CXQ(顧客体験品質)」と人材育成をテーマとしています。
ソフトウェアの変更や動作環境の変化によって引き起こされる品質の低下とは異なり、CXQ(顧客体験品質)は知覚品質であることから市場の変化にも影響されます。
また、この動的に変化する品質を扱うには、試行錯誤を続けるアプローチが必要になります。
前期(13期)の魅力的品質創造ループやアンラーニングの検討をベースとして、「CXQの活用Loopを実現できるQAを育てるには?」というテーマで人材の育成の方向性を整理してきた中で、いくつか気づき(要点)が見えてきました。
本発表では、私たちがディスカッションの中で得た気づきをご紹介したいと思います。
ソフトウェアの変更や動作環境の変化によって引き起こされる品質の低下とは異なり、CXQ(顧客体験品質)は知覚品質であることから市場の変化にも影響されます。
また、この動的に変化する品質を扱うには、試行錯誤を続けるアプローチが必要になります。
前期(13期)の魅力的品質創造ループやアンラーニングの検討をベースとして、「CXQの活用Loopを実現できるQAを育てるには?」というテーマで人材の育成の方向性を整理してきた中で、いくつか気づき(要点)が見えてきました。
本発表では、私たちがディスカッションの中で得た気づきをご紹介したいと思います。
企画セッション
AI搭載プロダクトの品質保証に関する国内外の動向と検証技術
登壇者
小川 秀人 氏
株式会社日立製作所
研究開発グループ・主管研究長
研究開発グループ・主管研究長
2018年にAIプロダクト品質保証コンソーシアム(QA4AI)が発足した頃には、機械学習の品質といえば精度の議論であり、プロダクトの品質に関する議論は始まったばかりでした。この5年間に、QA4AIは品質保証ガイドラインを発行・毎年改訂しているほか、国内外で機械学習の品質や信頼性に関する議論が進み、様々なガイドライン類が作られてきました。ISO/IECでの国際標準策定の動きも活発です。欧州委員会のAI規制法案も話題となっています。本講演では、これらのAI(機械学習)の品質保証に関連する話題を概観するとともに、弊社で研究開発している機械学習モデルの評価技法などをご紹介します。
業務上の経験や研究を主とした経歴
株式会社日立製作所 研究開発グループにて、ソフトウェア開発技術の研究と適用支援を推進。日立グループの多種多様な製品開発に関わってきたが、組込みソフトウェア開発におけるテスティングや開発プロセス改善が主。2017年頃から機械学習モデルに対するテストや品質保証の研究を社内で立ち上げ、AIプロダクト品質保証コンソーシアム(QA4AI)を発起して社外コミュニティでも活動中。研究論文や著書
『AIソフトウェアのテスト – 答のない答え合わせ [4つの手法]』(リックテレコム、2021)『土台からしっかり学ぶ – ソフトウェアテストのセオリー』(リックテレコム、2023)
その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)
博士(情報科学)情報処理学会 理事(技術応用)
静岡大学 客員教授
北陸先端科学技術大学院大学 産学連携客員教授、インダストリアルアドバイザー
AIプロダクト品質保証コンソーシアム 運営委副委員長
ANAの安全性・信頼性マネジメント
~仕組みづくりと人・組織づくり
登壇者
黒木 英昭 氏
全日本空輸株式会社
常勤顧問
常勤顧問
民間航空の歴史は、航空事故の撲滅や高い信頼性の確保への挑戦の歴史です。
また、技術革新が目覚ましい現在においても、航空機の高度化・複雑化・自動化・高効率化・ソフトウェア化など、新たな挑戦に溢れています。
このため、安全性・信頼性マネジメントの仕組みについて一層の進化が必要であると同時に、これを担う人づくりや組織づくりにおいても、不断の努力が求められています 。こうした経営環境下でANAが取組んでいる安全性・信頼性マネジメントの仕組みづくりと人・組織づくりの一端をご紹介します。
また、技術革新が目覚ましい現在においても、航空機の高度化・複雑化・自動化・高効率化・ソフトウェア化など、新たな挑戦に溢れています。
このため、安全性・信頼性マネジメントの仕組みについて一層の進化が必要であると同時に、これを担う人づくりや組織づくりにおいても、不断の努力が求められています 。こうした経営環境下でANAが取組んでいる安全性・信頼性マネジメントの仕組みづくりと人・組織づくりの一端をご紹介します。
業務上の経験や研究を主とした経歴
1981年、総合職技術職として全日本空輸株式会社に入社。整備本部に配属され構造整備の現場を経験したのち、エンジニアとして航空機の安全性・信頼性管理業務に従事。また、技術企画のマネジメントとして技術戦略や新型機 開発、グループ・提携エアラインの技術管理等を所掌。
その後、運航整備マネジメント、品質保証部門などの組織長等を経て、全社の安全推進担当執行役員、取締役常務執行役員(整備担当)を歴任し、2023年4月より現職。
安全性や信頼性の向上には、技術力のみならず組織要因によるところが大きいことを様々な組織観察から実感し、経営学研究を続けている。
研究論文や著書
博士論文:内部化とアウトソーシングに関する意思決定とマネジメント-航空会社の経営戦略と整備組織の事例から-その他(学位、表彰、学会活動、その他の特記事項)
修士(経営学)横浜国立大学博士(経営学)横浜国立大学
ランチセッション
3つの視点から見る 後付けセキュリティテストからの脱却方法とは
テクマトリックス株式会社
ソフトウェア開発におけるセキュリティテストの重要性は年々増加しています。しかし、安易にリリース優先で後付けのセキュリティテストを実施されるケースも少なくありません。後付けセキュリティテストはテストを実施した結果は残りますが、成果が出しづらく、また修正する場合リリース遅延が発生するケースがあります。そこで、本セミナーでは、前工程で実施される3つの脆弱性対策に着目し、効率的なセキュアコーディング規約準拠の手法について、自動テスト生成による網羅的なCWEの脆弱性検出とテストカバレッジ最大化ついて、SBOM作成による複雑なソフトウェアに含まれるOSSのライセンス把握, 脆弱性検出, リスク可視化についてご紹介します。
ピアレビューにより品質向上とチーム成長をもたらす!
設計レビュー支援ツール Lightning Review
株式会社デンソークリエイト
自動車業界の開発現場で生まれた本ツールは、組込み現場の知見を取り込んでいる。日々行われるレビューが直感的になり、修正ミスや対応漏れを防止できるため、ソフト・ハード開発現場で大きな効果が確認できている。本セミナーではツールの特徴と導入効果(コスト削減、品質向上、チームメンバの成長)を紹介する。
インテリジェントなローコードテスト自動化ソリューションmabl
mabl株式会社
ソフトウェア品質向上に日々奮闘するご参加中の皆さま、普段テストフェーズはどのように対応されていますか?アジャイル開発に取り組む多くの開発チームや組織では、テストケースの作成や対応工数、メンテナンス、パイプライン統合の方法など様々な問題に悩まされているようです。
このセッションでは、昨今話題のテスト自動化やQA(品質保証: Quality Assurance)に関する最新のソリューションだけでなく、CI/CDパイプラインへ統合する方法、品質エンジニアリングの考え方、更にその実践方法などをデモも交えてご紹介します。
このセッションでは、昨今話題のテスト自動化やQA(品質保証: Quality Assurance)に関する最新のソリューションだけでなく、CI/CDパイプラインへ統合する方法、品質エンジニアリングの考え方、更にその実践方法などをデモも交えてご紹介します。