SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
ソフトウェア品質管理にお役立てください。

ソフトウェア開発の品質向上で成果が出た実践的な「なぜなぜ分析」の方法について

ソフトウェア品質シンポジウム2024(2024年)

私は中規模の産業用機械メーカーのソフトウェア開発部門で長年開発業務に従事してきました。その中で、年々変化する市場要求への対応、新規技術の導入、コストダウン対応、継続して行われる多くの保守開発などにより、ソフトウェア開発の難易度が高まりました。それに伴い、不具合によるプログラム修正、すなわち手戻りが多く発生することになりました。
この課題に対して、手戻りを低減させるための改善活動を継続的に行い、その活動の柱の一つとして「手戻り事例についてなぜなぜ分析を用いて原因分析と再発防止を行う」ことを実施しました。
開始当初は分析件数が事例件数に追いつかず、多くの積み残しが発生しました。また、件数の消化を急ぐばかりに再発防止が現実的でなく、場当たり的になるなどの問題が発生し、効果を十分に発揮できませんでした。これらの課題に対して様々な試行錯誤を行い、工夫を重ねることで、継続的で効果的な取り組みが可能となりました。
ここでは、実際の開発現場で行い、現実に則し、効果を上げてきた手法について紹介します。