品質向上の効果的なアプローチによる小規模ソフトウェア開発の生産性向上の要因分析
ソフトウェア品質シンポジウム2024(2024年)
ウォータフォール型ソフトウェア開発における品質の向上に関わる要因として、定量的に示された報告がある。以下2点示す。1. 信頼性向上に関わる要因として、上流工程での不具合摘出比率、設計レビューの指摘密度および工数密度、設計文書化密度を挙げている。2. 組織の開発成熟度別の要因として、上工程バグ数/KL、上工程バグ摘出率、テスト工程バグ数/KLなどを挙げている。ただし、品質良否を分ける第一要因は開発規模であり、小規模ソフトウェア開発であれば出荷後品質はほぼ良好であることを示している。
しかし、弊社の研究によると小規模開発に対象を絞った場合でも、上工程バグ摘出率や上工程レビュー工数比が品質に有用であり、さらに生産性にも寄与していることを示している。
一般的には品質と生産性はトレードオフと考えられがちだが、品質向上と同時に生産性が向上する研究結果が上がってきている。その要因を特定することで、品質と生産性を両立するための指針を示すことができる可能性があり、その意義は大きいと考える。本研究では、当社の研究で示されている品質向上が生産性に寄与している結果をさらに深堀分析し、ウォータフォール型の小規模ソフトウェア開発を対象に、品質向上の効果的なアプローチが生産性向上に寄与する要因を分析した結果を報告する。
しかし、弊社の研究によると小規模開発に対象を絞った場合でも、上工程バグ摘出率や上工程レビュー工数比が品質に有用であり、さらに生産性にも寄与していることを示している。
一般的には品質と生産性はトレードオフと考えられがちだが、品質向上と同時に生産性が向上する研究結果が上がってきている。その要因を特定することで、品質と生産性を両立するための指針を示すことができる可能性があり、その意義は大きいと考える。本研究では、当社の研究で示されている品質向上が生産性に寄与している結果をさらに深堀分析し、ウォータフォール型の小規模ソフトウェア開発を対象に、品質向上の効果的なアプローチが生産性向上に寄与する要因を分析した結果を報告する。