SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
ソフトウェア品質管理にお役立てください。

上流工程からの継続的なテスト活動の実現

ソフトウェア品質シンポジウム2024(2024年)

当社の強みは保険商品にあり、限られたリソースのなかで保険商品の早期提供を実現していくためには 社員・開発担当者はより上流工程にシフトする必要がある。
また全体工数に対するテスト工数の占める割合が高いため、テスト工程に対する改善の余地は大きい。
上記課題を解決するために2020年から以下三つの改善施策を開始し、ライフサイクルの早い段階での品質の作りこみ(欠陥の埋め込みの予防、および欠陥の早期検出)を強化してきた。

三つの改善施策
1.開発とテスティングの分離の推進
2.手動テストの改善
※「リスク」および「要件・設計要素」とテストケースとのトレーサビリティの可視化
3.テスト自動化の推進
これらの施策により、本番障害検出率と上流工程での本番障害埋め込み比率が減少し、品質の確認から品質の作り込みへのシフトレフトが実現した。今後はテスト実装、テスト実行部分の自動化だけではなく、テスト設計部分の自動化にもチャレンジしていきたい。テスト設計部分の自動化が実現できれば、テスト設計者がテストケース作成に要していた時間を短縮でき、テスト設計者はより上流のテスト分析に注力することができる。

数年に及ぶ三つの改善施策の実績を踏まえて、同様の課題を抱えている参加者に対して、取り組みのポイント、苦労した内容、およびその導入効果を紹介する。