レビュー品質の可視化にむけたODC分析の応用
ソフトウェア品質シンポジウム2024(2024年)
執筆者:
宮川 真理子 (株式会社 構造計画研究所) 、小泉 真一 (アルプス システム インテグレーション株式会社) 、小笠原 栄二 (東芝電波テクノロジー株式会社) 、武田 匡広 (オリンパスメディカルシステムズ(株)) 、玉田 恵子 (キヤノンITソリューションズ株式会社) 、田村 真伸 (株式会社コムニック)
ソフトウェア開発における生産性向上において、上流工程から下流工程への欠陥流出を防止することの重要性はよく知られている。
V字モデルを前提としたソフトウェア開発プロセスの場合、基本設計から詳細設計工程が上流工程に相当し、これら工程からの欠陥流出を防止するにはレビューの実施が有効である。すなわち生産性向上のためにはレビュー品質の向上が重要であり、そのためにはレビュー品質の可視化が必要となる。
しかしレビューについては「時間あたりの指摘数」や「ページあたりの指摘数」など効率面で定量的に品質を分析することはできても、指摘の内容そのものすなわち「指摘の質」に対する定量的な分析を行うことが難しい。
そこで筆者ら研究チームは客観的に指摘の質を評価するのに、ソフトウェア欠陥分析手法の1つであるODC分析を応用できるのではないかと考えた。特にODC分析が用いる分類属性の中でも、その欠陥が検出された経緯に着目する「トリガー属性」を用いてレビューにおける指摘の質を評価できるのでないかと考えた。
ただし、ODC分析をレビューに適用した事例はまだなく、レビュー指摘を適切にトリガー属性で分類する手法も確立していない。そこでまずはレビューで得た指摘に対して「適切なトリガーを選択する方法」を確立することにした。
今回、実験により適切なトリガーが選択できる事が確認できたので、ここに報告する。
V字モデルを前提としたソフトウェア開発プロセスの場合、基本設計から詳細設計工程が上流工程に相当し、これら工程からの欠陥流出を防止するにはレビューの実施が有効である。すなわち生産性向上のためにはレビュー品質の向上が重要であり、そのためにはレビュー品質の可視化が必要となる。
しかしレビューについては「時間あたりの指摘数」や「ページあたりの指摘数」など効率面で定量的に品質を分析することはできても、指摘の内容そのものすなわち「指摘の質」に対する定量的な分析を行うことが難しい。
そこで筆者ら研究チームは客観的に指摘の質を評価するのに、ソフトウェア欠陥分析手法の1つであるODC分析を応用できるのではないかと考えた。特にODC分析が用いる分類属性の中でも、その欠陥が検出された経緯に着目する「トリガー属性」を用いてレビューにおける指摘の質を評価できるのでないかと考えた。
ただし、ODC分析をレビューに適用した事例はまだなく、レビュー指摘を適切にトリガー属性で分類する手法も確立していない。そこでまずはレビューで得た指摘に対して「適切なトリガーを選択する方法」を確立することにした。
今回、実験により適切なトリガーが選択できる事が確認できたので、ここに報告する。