ソフトウェアプロセス改善を組織的、実証的にすすめるためのデータ分析パターン言語の提案
ソフトウェア品質シンポジウム2024(2024年)
ソフトウェア開発企業で組織的なプロセス改善を実施している状況を考える。改善を客観的・効果的に進めるには定性的/定量的なデータ分析を用いた実証的アプローチが有効であることは良く知られている。
しかし、ソフトウェア開発での定量的データの扱いには困難も伴う。人的要因や環境要因の影響が大きいため、統計的手法適用の前提条件とされるデータの安定化(雑音の低減)が難しい。さらに、人の活動(プロセス)データを扱うため、次のような問題が起こり得る:測定活動が形骸化して使用されていないデータが収集され続ける、人やプロジェクトの評価や叱責に使われるおそれから現場が警戒して測定活動に非協力的になる、極端な場合には虚偽の測定値が報告される。
本論文では、パターン言語の形で、プロセス改善のためのデータ分析に関する問題点を解決するコツや留意点を記述し伝えることを提案する。このパターン言語では(1)データ分析の準備に関わるパターン (2) データ分析そのものに関するパターン(3) データを活用した改善活動に関するパターンの3分類に沿い記述している。これはデータ分析では準備が重要であり、改善活動の一部として組織全体でビジョンを共有し協力的に進めるべきであるという考えに基づく。
本論文ではこのパターン言語の記述能力と適用効果・特性についての調査結果および評価実験の結果についても報告し、考察する。
しかし、ソフトウェア開発での定量的データの扱いには困難も伴う。人的要因や環境要因の影響が大きいため、統計的手法適用の前提条件とされるデータの安定化(雑音の低減)が難しい。さらに、人の活動(プロセス)データを扱うため、次のような問題が起こり得る:測定活動が形骸化して使用されていないデータが収集され続ける、人やプロジェクトの評価や叱責に使われるおそれから現場が警戒して測定活動に非協力的になる、極端な場合には虚偽の測定値が報告される。
本論文では、パターン言語の形で、プロセス改善のためのデータ分析に関する問題点を解決するコツや留意点を記述し伝えることを提案する。このパターン言語では(1)データ分析の準備に関わるパターン (2) データ分析そのものに関するパターン(3) データを活用した改善活動に関するパターンの3分類に沿い記述している。これはデータ分析では準備が重要であり、改善活動の一部として組織全体でビジョンを共有し協力的に進めるべきであるという考えに基づく。
本論文ではこのパターン言語の記述能力と適用効果・特性についての調査結果および評価実験の結果についても報告し、考察する。