SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
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事業部門の改善活動を促進する「QMS活動クリニック」 ~QMS内部監査を刷新し、事業部門のQMS活動の改善と品質目標達成に寄与~

ソフトウェア品質シンポジウム2023(2023年)

(1)施策の背景と課題
当社のQMS(品質マネジメントシステム)では全ての事業部門に対してQMS内部監査を実施してきたが、QMS活動が成熟してくると、どの組織もQMSのルールにほぼ適合し、適合性確認の観点の内部監査ではパフォーマンス改善につながる指摘・アドバイスを出すことが難しくなっていた。
また、2015年のQMS刷新では、全社が定める遵守事項を最低限に絞り込み、事業部門が組織特性に合わせてルールを柔軟に改善できるようにした。
その結果、事業部門のルール適用状況や改善活動の実態が、全社部門からは把握しにくくなった。

上記の課題に対し、組織の成熟状況やビジネス形態に拠らず、会社全体として、事業部門の有効な改善活動を継続的に行う必要性を認識し、①QMS内部監査の改善を行い、②QMS活動を見える化した。
また、新しいQMS内部監査の名称を「活動クリニック」に変更し、被監査側と監査側が改善に対してオープンに話し合う場を目指した。

(2)発表概要
本発表では、①②への対応として実施した以下の取り組みについてご紹介する。
事業部門および開発プロジェクトの活動状態のレベル定義とレベル判定方式の構築
QMS活動の見える化方式を、当社としてのQMS内部監査に位置づけ
実運用前に、事業部門の有識者の協力によるフィジビリティ確認
事業部門にメリット感のある内容にするための、入念な準備と事業部門との合意