SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
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工程完了判定業務におけるQCサークル活動の実施

ソフトウェア品質シンポジウム2023(2023年)

当社では2020年1月から工程完了判定業務を導入した。工程完了判定導入時は、業務アプリケーションのシステム開発・保守のみが適用対象であったが、2021年から基盤・ミドルウェア(クラウドを含む )の構築・改修に関わる開発案件も工程完了判定の適用対象として追加した。また会社の成長に伴い、開発案件が年々増加の一途を辿っている。しかし、工程完了判定導入時からレビューアである品質保証マネジャーは2名体制のままであり、限られたリソースのなかで、効率的・効果的な運用をする必要があった。

上記状況に対して、無批判な前例踏襲の禁止、トイルの識別と撲滅を合言葉としたQCサークル活動を実施することで、限られたリソースのなかで品質・生産性を向上させることとした。

主なQCサークル活動の取り組み
リスクの高い案件に対して集中的にレビューをするリスクベースアプローチに改善することで開発担当者の負荷を軽減
派生開発用の要件定義書にXDDPの要素を取り込むことで、上流工程での思い込みや勘違いの問題を防止することによる手戻り工数を削減
4か月に1回、工程完了判定での勧告内容と本番障害内容をインプットにして、削除しても問題ないと判断したチェック項目を削除することによる、形骸化の予防

上記活動の結果、工程完了判定導入時から生産性は約2倍向上、本番障害発生率は約16%減少させることができたため、本活動のポイント、およびその導入効果を紹介する。