SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
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MicroService, AIによるエッジデバイス判定システムの品質向上

ソフトウェア品質シンポジウム2022(2022年)

当社では、原価低減・品質向上を目的に、自動車部品製造工程における目視外観検査の自動化を推進している。従来、外観検査システムは対象に応じた専用システムを個別開発しており、横展開拡大には以下の課題がある。
・ルールベース判定ロジックは構築に時間を要し、環境に応じた判定精度の維持管理が難しい。また特定のケースではその構築自体が困難である。
・モノリシックなシステム構成のため一部を改修すると他の機能に影響が及び予期せぬトラブルが発生する。
・開発と運用の環境不一致により、運用時に想定外のトラブルが発生する。加えて、バージョン管理ミス等の人為的ミスが生じやすい。

そこで当社では、「ソフトウェアからくり」をコンセプトに、コンテナを中心とした技術を活用したマイクロサービスによるAI判定システムを構築し、エッジデバイスに実装した。これにより、工場からくり改善のパーツのようにAI判定モデル等のコンテナ化されたソフトウェアパーツを組み合わせ、検査対象に応じたシステムを柔軟に構築可能となった。また、DevOpsに基づく開発手法を取り入れることで、AI判定モデルを含めたサービスの更新を迅速かつ自動に行えるようになり、システムの信頼性向上と判定精度の維持管理を容易にした。
本発表では、これらの考え方を外観検査システム開発に取り入れ適用した際の要点として、システム構成・使用ツール・フレームワーク等を紹介する。