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ソフトウェアパッケージに対する品質評価手法の提案とシステム適用事例紹介

ソフトウェア品質シンポジウム2022(2022年)

筆者は、重要インフラである電力監視制御システムの品質保証を担当している。弊社では従来システム開発をソフトの内部構造に着目した設計レビューやホワイトボックス試験などの品質評価手法を用いた確立された業務プロセスでの品質を担保してきた。
近年、主要な機能を購入したソフトウェアパッケージ(以下、パッケージとする)に代替する開発が増加しており、弊社においても主要機能をパッケージに代替したシステムAを開発した。しかし、既存のプロセスにはパッケージに関する規定がなく、品質確認が不十分であったため、システムAのパッケージ起因の現地障害件数が多発し、そのうち、23%がベンダの外部仕様書に記載のない隠れたインタフェース不良であり、それらが一因となり停電に進展するリスクもあった。
そのため、システムA同様に主要機能をパッケージに代替したシステムBの開発に合わせ、パッケージの品質評価手法を新たに規定し、インタフェース不良低減のためリスクベースドテストを適用した。
対策概要
1.パッケージ品質評価表による品質評価
2.リスクベースドテストの適用
対策を通して、パッケージが内作ソフトと同等の品質特性を満たす確認を可能とし、リスクベースドテストにて高リスクのソフト不良が内在しないことを社内試験で確認した。これにより、パッケージの品質確保と高リスク障害の未然防止が可能となり、現地障害を低減することが期待できる。