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大規模ソフトウェア開発における「人中心」の品質革新~組織に自律神経ネットワークをインストールする「QM7つの規律」~

ソフトウェア品質シンポジウム2022(2022年)

経済産業省がまとめた「2005年版組み込みソフトウェア産業実態調査」では、3割が計画の品質を達成できていない、4分の一が開発途中で機能を削減、半分以上が納期遅れ、半分以上が予算オーバー、品質問題の3分の一がソフトウェア起因という実態を明らかにしている。それからすでに15年以上経った現在、状況は良くなっているのだろうか。この期間、ソフトウェア産業が何もしなかったわけではない。それどころか、これらの課題に対して様々な試みが行われているが、問題は解決するどころか、ますます深刻になり、ソフトウェア開発は産業界のボトルネックになりつつある、または、すでになっていると産業界で広く認識されるようになっている。飛行機、自動車、携帯電話、家電など我々を取り巻く周囲の機器は、ソフトウェアがないと動かないものばかりになってきている現在、それぞれのソフトウェアが連携しながら動く環境の中、開発はますます複雑になり、開発規模も大きくなり、関係するステークホルダーの数も増えている現状、ソフトウェア開発プロジェクト失敗のせいで、経営破綻する企業が出始め、問題はさらに深刻になっているのは言うまでもない。
本稿では、総工数1万人月を超すソフトウェア開発において、劇的とも言える品質改善成果、および、それを実現したプロセスを紹介するとともに、組織に自律神経ネットワークをインストールし、人の仕事の質を向上させる「QM7つの規律」を提言する。