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アジャイル開発における欠陥検出のフロントローディングのための品質チェック方法の提案

ソフトウェア品質シンポジウム2021(2021年)

アジャイル開発において、イテレーションの中で欠陥検出のフロントローディングができれば、イテレーションの期間中に品質の高いプロダクトを開発することが可能になる。しかし、アジャイル開発における欠陥検出のフロントローディングの具体的な方法は明らかになっていない。本研究では従来のウォータフォール型の開発で行われているフロントローディングの方法に着目し、従来型の方法を応用した、アジャイル開発における欠陥検出のフロントローディングの具体的な方法を提案する。
先行研究で定義されたアジャイル開発向けの品質チェック項目から、イテレーションの初期段階または開始前に実施されるバックログ作成・バックログリファインメントに関連する品質チェック項目を抽出し、ウォータフォール型開発ではどのように品質を担保していたかを明らかにしたうえで、アジャイル開発に置き換え具体的な品質チェック方法を定義した。定義した品質チェック方法を用いて実際に欠陥の検出が可能かどうかを確認するために、過去プロジェクトの欠陥に品質チェック方法を当てはめてチェックを行った。結果として、本研究で定義した品質チェック方法をバックログ作成やバックログリファインメントのタイミングで適用することで、実装前の早期段階で欠陥を検出可能であることが分かり、アジャイル開発における欠陥検出のフロントローディングが可能になることを確認できた。