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DRBFMにおける一人HAZOPの活用方法の提案

ソフトウェア品質シンポジウム2021(2021年)

派生開発において、変更箇所を漏れなく特定するために、DRBFMを実施することは有効である。ただし、DRBFMを実施するときには、「心配点の抽出漏れ」「心配点の要因の見逃し」を防ぐための工夫が必要となる。
本研究では、DRBFMにおいて、欠陥混入メカニズムの知識を蓄積した辞書と、HAZOPの結果の2つを活用する方法を考案した。考案手法では、HAZOPを実施するときに、以下の考えを取り入れた。
・複数人で分析を実施する前に、一人でHAZOPを実施する
・図を利用する
・30点を目指す
・量が少ない人から報告し、同じことは報告しない
実開発において、DRBFMでHAZOPを活用した結果、「HAZOP実施者の立場・経験・知識によらず設計意図・利用意図からの“外れ”を抽出できる」「実開発において新たな心配点を抽出できる」という効果が確認できた。

※参考文献
・柏原一雄,「欠陥混入メカニズムの知識を活用したDRBFMの提案」,ソフトウェア品質シンポジウム2018,2018
・小川清, 「一人HAZOPを組み合わせた効率的な分析作業」, WOCS2011, JAXA/IPA, 2011