SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
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PMとQAが歩んだ越境体験によるアジャイルなチーム作りとその後のチャレンジ

ソフトウェア品質シンポジウム2021(2021年)

リクルートでは、大規模なプロダクト開発において、過去10年以上にわたり主にウォーターフォールアプローチを採用してきた。その一方、開発体制の一部では生産性の向上を目的としてアジャイル開発を採用。リーンアプローチも続けてきたが、メンバー同士の役割が大きく変化することはなかった。

結果、プロダクト開発に対する意識や理解のズレが発生し、QAメンバーのモチベーションや開発効率の低下といった事態を招いていた。

そこで昨年の発表では、新たなチーム作りにおいて「QAは固定化された役割の中で動くのではなくコミュニケーションをとりつつ全体の進捗に応じて緩やかな連携を行う」ことで、生産性の向上を図れるといった事例を紹介した。

今回は、さらに発展した取り組みをご紹介する。すなわち「QAメンバーの役割の再定義(越境)と、開発プロセスにおけるQAメンバーの立ち位置の変化だけではなくチーム全体の役割の再定義(越境)を行う」というものである。このことによりチームパフォーマンスの最大化にチャレンジしてきた。

長い間ウォーターフォール中心で取り組んできた大規模プロダクトの開発現場において、アジャイルなどの開発スタイルも取り入れてきた軌跡、さらにはパフォーマンスの担保と品質向上に向けて、チーム全体で役割の再定義に取り組み続けている事例をご紹介したい。