技術開発現場の課題分析なしで改善施策の期待効果を広範囲で抽出する「改善効果探索マップ」の提案
ソフトウェア品質管理研究会 研究コース1「ソフトウェアプロセス評価・改善」(2023年)
執筆者:
吉田 良尚(株式会社構造計画研究所) 、大森 悠平(株式会社日立ソリューションズ) 、尾上 隆一(株式会社日立ソリューションズ・クリエイト) 、池永 直樹(株式会社デンソークリエイト) 、鈴木 恵美(株式会社ディー・エヌ・エー)主査:
田中 桂三副主査:
中森 博晃
改善活動においては,改善施策が先行して決定した上で開始せざるを得ないケースがしばしば発生する.本研究では,改善施策を先に定めた状態で改善活動を開始する際に,経営管理層や開発現場の支持を得るためにできるだけ多くの改善効果の抽出を目的とした「改善効果探索マップ」を提案する.本マップの狙いは,起点となる「改善効果項目」から連鎖的に複数の階層(個人,プロジェクト,組織,社外)に渡って項目を探索しながら改善活動担当者の視点では気付かなかった項目を発見していくことである.本マップを使って実際の改善現場で改善効果の抽出を実施した結果,従来の担当者が予測した場合と比べ改善効果をより広範囲に多数抽出することができ,その中から適切な効果を選定することでその有効性が確認できた.