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STAMP/STPAを用いた高齢者見守りシステムのIoT化に対する安全性分析

ソフトウェア品質管理研究会 研究コース6「セーフティ&セキュリティ」(2022年)

主査:

金子 朋子
近年,老人ホームにおいても人感センサーなどを用いたIoTによる見守りサービスを導入するケースが増えている.高齢者見守りサービスは少子高齢化・介護労働力不足・孤独死などの社会課題を解決するとともに,新たな価値を創造する取り組みとして期待されている.高齢者の居住の安定確保に関する法律は,国土交通省・厚生労働省の連携,サービス付き高齢者向け住宅の登録制度はあるが,IoT技術の普及に伴って,各種見守りサービスが提供されており,多くの公共・民間サービスが存在する.各サービスについて既存のシステムとサービスについては、システム内連携、運用に関するリスクについて考慮されているが、IoT連携に関する安全性の考慮がされていない.本稿では,従来のシステムから置き換わりが進むと予測されるIoTを利用した見守りシステムについて,アクシデントモデルとその安全性解析手法であるSTAMP/STPAを活用し,各サービス間のIoT連携に潜む安全性分析を行った.その結果,従来リスクに加えて通信経路,サーバ連携不良,機器へのセキュリティ対策など,サービス間の相互作用とセキュリティに関するリスクを検出した.