レビュー支援システムを用いた改修起因事故の低減
ダウンロード数: 372回
SQuBOK分類 :
年度 : 2019年  
紹介文 :
稼働年数が15~20年と長期間稼動するインフラ系システムでは、顧客からの質問や障害対応に関する保守運用データが障害管理データベースに蓄積されている。一方で人員の入れ替わりにより人に依存するノウハウは減少傾向にあるため、保守運用の知見が重要になるレビューでは影響度確認などの精度が落ちるリスクが生じている。

そこで、レビュー参加者のノウハウ不足を補うために、機械学習であるWord2Vecと専門用語辞書を用いて保守運用データから知見を導出するレビュー支援システム(QA Assist)を構築した。QA Assistは改修内容を入力すると改修に関連のあるキーワードや過去の障害事例を出力し、参加者が類似障害事例として参照することでノウハウ不足を原因とする障害を未然に防止する。QA AssistのPoCにおいて、機械学習で使用した専門用語辞書の精度が低く出力した障害事例に偏りが出た。その改善策として、少量の専門用語を基に機械学習を行うことで高精度な辞書を作成するツール(Smart Dictionary)を開発した。

QA AssistとSmart Dictionaryを組み合わせることで適切な類似障害事例を提示することが出来るようになり、改修起因障害をQA Assist導入前後で25%削減することに成功した。本発表では弊社が抱える業務上の課題やシステム構築の工夫点、利用事例及び導入効果を紹介する。
↑