アジャイル開発におけるプロダクトバックログのリファイメント方法の提案
ソフトウェア品質管理研究会 研究コース4「アジャイルと品質」(2018年)
執筆者:
小林 尋文(ライフマティックス株式会社) 、小関 直子(サイボウズ株式会社) 、川又 悠(アンリツエンジニアリング株式会社) 、森本 美奈子(富士ゼロックス株式会社) 、歌田 悠紀(TIS株式会社)主査:
永田 敦(サイボウズ株式会社)アドバイザ:
細谷 泰夫(三菱電機株式会社)
アジャイル開発のスクラムフレームワークにおける要求プロセスにおいて、もっとも要求の品質にかかわるアクティビティの一つがリファインメントです。この論文は、要求における問題で手戻りになる問題がリファインメントのやり方にあることを認識し、実用性のある改善の方法を提案している。いままで、リファインメントの課題や改善について議論されている文献はほとんどなく、新規性を持った論文である。
概要:
アジャイル開発を導入したチームでは,そのフレームワークであるスクラムにおいて,プロダクトオーナーの要求と開発チームの認識にずれが生じるという問題が発生することがある.スクラムは,継続的なイテレーションの中に顧客からのフィードバックを取り込むことで顧客価値の最大化を目的とする手法である.そのために必要なプロセスはスクラムガイド[2]に示されている.しかし,アジャイルソフトウェア開発宣言[1]やスクラムガイド[2]は,顧客価値を具体化し実現するために,プロダクトオーナーや開発チームが各プロセスで何を提供するべきかを示していない.このことがスクラムチーム内で共通理解を確立しにくい原因を生む.
本研究では,アジャイル開発を導入しスクラムを採用したチームが,リファインメント時にプロダクトバックログアイテムの内容を十分に詳細化・細分化できていない問題を取り上げる.我々はリファインメントが高い効果を発揮しているチームの事例分析により,この問題の解決を試みた.その結果として,リファインメントの内容を体系化し,他のチームで活用する方法を提案する.