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高リスク不具合を検出する軽量なテスト優先度付け手法の提案

ソフトウェア品質管理研究会 研究コース3「ソフトウェアテスト」(2018年)

本論文では、派生開発において高リスクな不具合を早期に検出しやすくするため、従来のリスクベースドテストよりも軽量なテスト手法を提案している。
具体的には、新旧ソフトウェア間における機能群単位でのテストケース数の変化割合および不具合の検出数からテスト実施の優先度を付ける手法(LightTest-Prioritization Method,LTP-Method)である。これらの情報はプロジェクト情報として揃う情報であるため、テスト実施のために新規で揃える必要がない。これらの情報を説明変数として重回帰分析を行い、高リスク不具合の潜在期待値を機能群ごとに導き出すことで、テスト実施の優先度をつける。
本手法は従来のリスクベースドテストよりも導入しやすくなるため、高リスクな不具合を早期に検出できることが見込まれる。

概要:

テストマネジメントをおこなう上で,何らかの基準によってテストの優先度付けを行う必要がある.優先度付け手法の一つにリスクベースドテストが存在するが,リスク把握など,テスト実施に必要な情報を揃えるために手間がかかる.本稿では,高リスク不具合をより軽量な手法で検出することを目的とし,機能ごとのテストケース数の変化,不具合数からテスト優先度付けを行う手法(LTP-Method)を提案する.プロジェクト情報としてすでに揃っている情報のみで推定するため,新規情報の収集が不要な分,リスクベースドテストと比較して軽量で導入が容易である点に優位性がある.実製品のソフトウェアに対してLTP-Methodを適用し,本手法の導入容易性,高リスク不具合の早期検出に関する有効性について検証する.
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