ソフトウェア開発における欠陥情報移転法の提案
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年度 : 2016年  
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ソフトウェア開発において発生する欠陥の情報が、プロジェクト内で欠陥管理票として蓄積されている。しかし、蓄積された欠陥情報は、果たして有効に活用されていると言えるだろうか。多くの場合、欠陥が発生した当該プロジェクトの中で欠陥修正のために使用されて終わりとなり、同じ社内であっても、背景の異なる別のプロジェクトの品質向上にまで活用される機会は非常に少ないのではないだろうか。
では、欠陥情報を背景の異なる別のプロジェクトで活用するにはどうしたらよいか。
過去の研究において、欠陥発生のメカニズムを図式化・伝達するための「欠陥モデル」が提案されている。しかし、このモデルによって欠陥情報が実際に移転できるか、その効果まで踏み込んだ研究は行われていなかった。また、昨年度の当シンポジウムでは、プロジェクトと欠陥の属性情報である「欠陥特性」が発表されている。本研究では、この「欠陥モデル」と「欠陥特性」を組み合わせた新しいアプローチで欠陥を移転する方法を考案した。この欠陥移転法を使い、複数企業のプロジェクトに欠陥情報を移転し、品質向上に活用できるかを“リスク候補抽出”作業を用いて検証した。その結果、「欠陥モデル」だけを使ったケースよりも品質向上に効果があることが確認できた。
本発表では、この欠陥移転法の概要とその新規性、及び検証過程と分析・考察結果について具体的に解説する。
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