SQiPさまざまな取り組みから得られた成果を一般公開しています。
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ユーザのぼやきから始める使い勝手の問題箇所導出手法の提案

ソフトウェア品質管理研究会 第4分科会「ユーザエクスペリエンス(UX)」(2016年)

 システムをリリースした後にくるクレームの「言葉」をどのように改修要件に落とし込むかについての研究です。「ぼやき」のような曖昧な言葉を、システム的にどのように解釈すれば良いのかを考察しています。一人でもチームでも運用できるチェックシート形式の問診票で改修の必要度を探ります。ユーザから直接フィードバックを得られる立場の方に、特にお勧めします。

概要:

 システムのユーザから「ごちゃごちゃしている」,「面倒くさい」などの使い勝手に関する抽象的な指摘が挙げられた場合,現状では開発者がシステム改善などの対応をすることが難しい.なぜなら,ユーザの声から具体的な問題(システム改善の要件)を把握することができないからである.そこで本研究では,ユーザの声をもとに使い勝手の問題箇所を導出するための手法を提案する.本手法では,ユーザの声とそれを構成するシステム上の問題となりうる箇所を抽出し,表にまとめた.この表を用いて対象のシステムを評価することで,ユーザビリティの知識がない開発者でも問題箇所の絞込みができることを確認した.