派生開発の現場で秩序あるリファクタリングを実施する方法
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年度 : 2015年   分科会 : 第6分科会「派生開発」
発表場所 : SQiP研究会
紹介文 :
派生開発では新規開発時の作りの悪さや、その後の派生開発での変更作業によってソースコードの劣化が進んでいることが多く、変更ミスを引き起こす要因になっている。ソースコードの劣化を改善する方法としてリファクタリングがあるが、仕様の変更作業の中で、”良かれ“と思って、担当者の判断で安易に構造を変えてしまったり、無造作にリファクタリングにとりかかったりすることでかえって事態を悪化させることが多い。
XDDPでは、仕様変更の中でソースコードの劣化を和らげるために、当該関数に限定した「小さなリファクタリング」を許しているが、これだけでは足りない。
そこで、XDDPを応用してリファクタリングに特化した派生開発プロセスとして「R-XDDP」という方法を提案し、リファクタリング・パターンを限定しながら、混乱することなくリファクタリングに取り掛かる方法を勧めている。
概要 :
派生開発では、同じソースコードを何度も変更することにより、ソースコードが劣化していく。劣化が進行すると、手戻りやデグレードなどの温床となり、開発の遅れが引き起こされる。このような問題の対策方法の一つとしてリファクタリングが挙げられる。リファクタリングの実施状況についてアンケート調査をおこなった結果、リファクタリング の実施の判断が個人に任されていたり、機能変更と同時に実施されていたりするなどの原因により、不具合が発生していることがわかった。そこで派生開発のプロセスとして知ら れる XDDP(eXtreme Derivative Development Process)をリファクタリングに用い、リファクタリング専用の変更プロセス R-XDDP(Refactoring-XDDP)を考案した。このR-XDDPを適用することで、リファクタリングの実施の判断方法やソースコード変更の方法・プロ セスをプロジェクトチームとして統制できるようになるので、不具合を未然に防止する効 果があると期待できる。
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