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SQuBOK分類 :
年度 : 2016年   分科会 :
紹介文 :
ソフトウェアのリリース時は、品質保証部門により出荷判定の審査を行い、ユーザーが使用する上で支障が無いことが承認された上で実施されることが多い。リリース後の不具合件数を予め予測出来れば、リリース判定時に有力な指標となる。また、予測のために重回帰モデルを構築し、説明変数として開発工程における各メトリクスからレビュー、テストの十分性評価の要素を含めることで、開発工程の改善につなげる事が出来る。リリース後の不具合件数はゼロを多く含む右に歪んだ分布になる傾向がある。
右に歪んだ分布に重回帰モデルを適用する場合は不具合件数のモデルとして知られるポワソン分布を仮定して、一般化線形モデルを適用する方法である。だが、リリース後の不具合件数の分布はポワソン分布の想定よりもゼロの件数が多すぎるため適さない。
ゼロが多く含まれる理由として、異常検知時の処理や使用頻度が低いなどで通常操作ではあまり動作しない機能があり、実際には不具合があっても報告されないため過大にゼロが報告されていると考えられる。ゼロが分布から期待される以上に多く含まれる結果、ポアソン分布の性質である"平均 = 分散"にならないため精度の高いモデルを構築することが難しかった。
本研究では、ソフトウェアリリース後の不具合件数はポアソン回帰モデルに従う不具合が無い完全状態(ゼロ状態)と不完全状態(不具合が潜在的に存在する)の2つの状態があると仮定して、どちらの状態を取るかをロジスティック回帰モデルに従うとするゼロ過剰ポアソン回帰モデルを用いて重回帰モデルを構築した。
実際の開発工程で使用したメトリクスを適用して実験を行った結果、ゼロを多く含む右に歪んだ分布に対してはゼロ過剰ポアソン回帰モデルを適用することで高精度の予測モデルが構築出来ることを確認出来た。
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