部長の会10周年によせて
「ソフトウェア品質保証部長が集まれるサロンを作ろう。」前SQiP運営委員会委員長の飯塚悦功先生、同副委員長の誉田直美さん、にしさん、そして野中が、2008年頃に構想したこのイメージが「部長の会」構想の原点である。
この構想に至るには、二つのストーリーがあった。一つは、将来の経営幹部候補の部長職を対象とした某協会のセミナーに、2005年に野中がファシリテーターとして参加したときに感じたワクワク感である。「いずれ経営を担うはずの部長が、いつまでも課長目線で議論していてどうする」と指導講師に厳しく指摘される部長の姿。事業観、世界観、人間観という抽象度の高いテーマに対して真剣に議論しあう姿勢。そして、セミナー後もつながりを保ち続ける人と人との輪。まだ駆け出しの大学教員で、ソフトウェア分野以外の経験が浅かった私にとって、この体験は非常に刺激的なものであった。素朴に、同じような交流の場をSQiPでも持ちたいと思った。
もう一つは、組織のソフトウェア品質保証戦略を立案し、その遂行に責任を持つ部長職の方が、必ずしも確信を持って施策に取り組めていない状況を目の当たりにしてきた経験である。キャリアのすべてがソフトウェア品質保証業務で、そのエキスパートとしての立場を経て、ソフトウェア品質保証部長職に就いている方はむしろ稀な存在であろう。開発の立場から転じてソフトウェア品質保証部長になった方もいれば、ハードウェア部門からの異動でソフトウェア品質保証部長になった方もいる。ソフトウェア品質保証部長の出自は多様で、しばしば、社内に腹を割って相談できる相手がいない場合があったりする。そのような悩める部長の方々が、同じ立場だからこそ共有できるホンネを語り、ざっくばらんに意見交換し、明日への糧となるヒントとパッションを持ち帰る。こうした場を作ることがSQiPの大事な役目なのだという結論に至った。
このようなストーリーを起点として、孫福和彦さんを中心とした企画委員会が立ち上がり、多くの方々にご参加とご支援をいただきながら、部長の会の活動が10年を経過した。この10年の間に新しい技術が次々と登場し、”software is eating the world”と表現されるほどにソフトウェアの重要性はますます高まっている。まだ見ぬ新しい技術がこれからも登場してくるだろうし、そのような変革を自ら生み出す必要があるのかもしれない。それに伴って、ソフトウェア品質保証活動もこの先ずっとエキサイティングなものになるだろう。そこに、リーダーとしてのソフトウェアの品質保証部長の責任があり、やりがいもある。そうしたソフトウェアの品質保証部長を陰に陽に支える場となるのがこの「部長の会」である。設立の思いを時には想起しながらも、いまを生きるソフトウェア品質保証部長の活力の源としての場が今後も継続されていくことを心から望む。
10年周年を迎えて
ソフトウェア品質向上のための活動である「SQiP(Software Quality Profession)」の新たな活動の場として、2009年に発足した「SQiPソフトウェア品質保証部長の会」が、今年度で10周年を迎えました。
本会では、日本のソフトウェア品質保証技術の再確立を図ることをビジョンに、各社のソフトウェア品質保証部門長が月1回のペースで集まり、関心の高いテーマを厳選して、各グループで、熱い議論を重ねています。
この度10周年を迎えるにあたって、本会の第10期企画委員・メンバーの皆様に、10年にもおよぶ活動の歴史と成果をおまとめいただきました。此処に感謝を申し上げるとともに、多くの皆様にぜひご参考にしていただきたく、広くご案内をさせていただきます。
また、この10年史には、第1期~10期までの間、議論をされてきた主なグループ活動(テーマ)の詳細内容が記載されていますので、貴重な情報として、お受け取りください。皆様におかれましても、さらなる発展を目指す本会ならびにSQiPの各種活動の場に参画をいただけましたら幸いでございます。心よりお待ちしております。
「キーワード」で振り返る、活動成果10年のあゆみ
2021
12期
DX時代の品質保証 品質保証業務の施策
品質課題を解決する自動化のすすめ ゲームを使った人財育成
2020
11期
QA人財の育成 品質起因によるプロジェクト炎上の防止
AIエンジンを対象としたテストにおける
テスト技法とその特徴の整備
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2019
10期
2018
9期
2017
8期
2016
7期
2015
6期
2014
5期
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2013
4期
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2012
3期
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2011
2期
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2010
1期
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