特別講演

特別講演1

安川電機における品質経営

小笠原 浩 氏
株式会社安川電機
代表取締役会長
2024年度デミング賞本賞 受賞決定!
小笠原 浩 氏
安川電機は1915年の創業以来「その事業の遂行を通じて広く社会の発展、人類の福祉に貢献することにある」をグループの使命とし活動しています。社是である「「技術立社」を伝承しながら、「モータとその応用」を実践する技術開発・製品化で発展してきました。創業時には炭鉱や製鉄で使われるモータを主体とし、その後の高度成長期には素材産業の自動化で事業を拡大しました。1960年~70年代に、産業構造が自動車等の組立産業にシフトする中で電動機などのメカを電気の力で精密に制御するメカトロニクスのコンセプトを提唱し、精密制御用モータとその制御により産業機械の変革に貢献してきました。
そのような中で、当社ではDXを基軸にした安川版品質経営を掲げ、「顧客ニーズの変化」「経営環境の変化」「価値観の変化」に対応することで企業価値の向上を目指しており、本講にてその取り組みをご紹介いたします。
小笠原 浩(おがさわら ひろし)
株式会社安川電機
代表取締役会長
1955年9月19日生

学 歴

1979年3月 九州工業大学 情報工学科 卒業

職 歴

1979年3月 株式会社安川電機製作所[現(株)安川電機] 入社
2006年6月 取締役 モーションコントロール事業部副事業部長
2007年3月 取締役 インバータ事業部長
2011年3月 取締役 モーションコントロール事業部長
2012年6月 常務執行役員 モーションコントロール事業部長
2013年6月 取締役 常務執行役員 モーションコントロール事業部長
2014年3月 取締役 常務執行役員 技術開発本部長
2015年3月 代表取締役 専務執行役員 技術開発本部長
2016年3月 代表取締役社長 技術開発本部長
2017年3月 代表取締役社長 人材多様性推進室長
2018年3月 代表取締役社長 ICT戦略推進室長
2022年3月 代表取締役会長兼社長
2023年3月 代表取締役会長(現任)
特別講演2

ゴリラから学ぶ、組織マネジメントの在り方

~人間の本質と未来の姿~

山極 壽一 氏
総合地球環境学研究所
所長
 
私たち人間は今、大規模な社会で暮らしています。世界の人々の半数以上が都市に居住し、SNSでさまざまな人々とつながりあっています。しかし、これは比較的近年の出来事に過ぎません。人類の進化700万年は10数人のゴリラのような集団規模で始まり、脳容量がゴリラの3倍になり、言葉を話し始めてもせいぜい150人規模で暮らしてきたのです。人と人をつなぎ合わせてきた地縁・血縁・社縁が希薄になる現代、どういった規模の集団で何に配慮してどのようなマネジメントをしなければならないかが大きな課題です。それには人類の進化と文明の歴史を振り返って、共感力と音楽的コミュニケーションを重視した「社交」を創造する必要があると私は考えています。
山極 壽一(やまぎわ じゅいち)
総合地球環境学研究所
所長
1952年東京都生まれ。京都大学理学部卒、同大学院理学研究科博士後期課程単位取得退学。理学博士。ルワンダ共和国カリソケ研究センター客員研究員、日本モンキーセンター研究員、京都大学霊長類研究所助手、京都大学大学院理学研究科助教授、同教授、同研究科長・理学部長を経て、2020年まで第26代京都大学総長。人類進化論専攻。屋久島で野生ニホンザル、アフリカ各地で野生ゴリラの社会生態学的研究に従事。 日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長、日本学術会議会長、総合科学技術・イノベーション会議議員を歴任。
現在、総合地球環境学研究所 所長、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)シニアアドバイザーを務める。南方熊楠賞、アカデミア賞受賞。著書に『人生で大事なことはみんなゴリラから教わった』(2020年、家の光協会)、『スマホを捨てたい子どもたち-野生に学ぶ「未知の時代」の生き方』(2020年、ポプラ新書)、『京大というジャングルでゴリラ学者が考えたこと』(2021年、朝日新書)、『猿声人語』(2022年、青土社)、『動物たちは何をしゃべっているのか?』(2023年共著、集英社)、『共感革命-社交する人類の進化と未来』(2023年、河出新書)、『森の声、ゴリラの目-人類の本質を未来につなぐ』(2024年、小学館新書)など多数。
特別講演3

NECの持続的なトランスフォーメーション

森田 隆之 氏
日本電気株式会社
取締役
代表執行役社長 兼 CEO
森田 隆之 氏
『安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指す』。NECグループは自らの存在意義 (Purpose) を、このように定義しています。このPurposeを実現するため、海底から宇宙まで広範囲に及ぶ事業分野で社会を支えてきました。現在、ビジネス環境は目まぐるしく移り変わっています。この中で、私たちは自らを変革することにより、社会価値創造型企業としてお客様や社会の変革=DXを加速させています。
2024年に創立125周年を迎え、Purpose実現に向けて取り組むカルチャー変革など、私たちの持続的なトランスフォーメーション、そして目指す未来への思いについてお話しします。
森田 隆之(もりた たかゆき)
日本電気株式会社
取締役
代表執行役社長 兼 CEO
森田 隆之は2021年4月、社長 兼 CEOに就任しました。同年5月には、2030年に目指すべき未来像「NEC 2030VISION」と2025中期経営計画を公表し、NECグループのPurpose(存在意義)実現に向け、戦略と文化の一体的な取り組みを推進しています。
社長就任以前は、2018年からCFOを務め、2020中期経営計画の達成にむけた収益構造改革を指揮したほか、Digital GovernmentやDigital Finance領域などでのM&A実行を通じて、成長戦略を後押ししました。
40年以上のNECでのキャリアにおいて、6年間の米国勤務や2011年からの7年間の海外事業責任者としての経験も含め、海外事業に長期にわたり携わってきたほか、M&Aなどの事業ポートフォリオの変革案件を数多く手掛け、半導体事業の再編や、PC事業における合弁会社設立、コンサルティング会社の買収などを主導しました。

プロフィール

1983年4月 日本電気株式会社 入社
2002年4月 事業開発部長
2006年4月 執行役員 兼 事業開発本部長
2008年4月 執行役員
2011年7月 執行役員常務
2016年4月 執行役員常務 兼 CGO
2016年6月 取締役 執行役員常務 兼 CGO
2018年4月 代表取締役 執行役員副社長
2018年6月 代表取締役 執行役員副社長 兼 CFO
2021年4月 代表取締役 執行役員社長 兼 CEO
2023年6月 取締役 代表執行役社長 兼 CEO、現在に至る。