クオリティフォーラム2022

特別講演

特別講演1

100年企業パナソニック 変革に向けた挑戦

津賀 一宏 氏
パナソニック ホールディングス株式会社
取締役会長
津賀 一宏 氏 私どもパナソニックグループは、1918年の松下幸之助による創業以来、「事業を通じて世界の人々のくらしの向上と社会の発展に貢献する」という基本理念のもと、様々な活動を行ってまいりました。100年という長い年月が流れ、お客様のくらしや社会の環境全体が大きく変化した今、世の中にお役立ちを果たし続けるべく、どのように自らを変革し、成長に向けた道筋を描いていくのか。パナソニックは何の会社なのか。これはパナソニックが、絶えず向き合い続けている課題です。
2年連続の大赤字と言う会社存続の危機から、その後の会社の立て直し、成長領域の探索、そしてビジネスモデルの変革――巨大な100年企業が、どのような課題と向き合い、試行錯誤、チャレンジを重ねてきたのか、そして、未知なる未来への思いをお話させて頂きます。
津賀 一宏(つが かずひろ)
パナソニック ホールディングス株式会社 取締役会長
1956年11月14日生まれ。大阪府出身。

学歴

1979年3月 大阪大学基礎工学部生物工学科 卒業
1986年 カリフォルニア大学サンタバーバラ校
コンピュータサイエンス学科修士課程 修了

職歴

1979年4月 松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社
2001年6月 同社 マルチメディア開発センター 所長
2004年6月 同社 役員に就任
デジタルネットワーク・ソフトウェア技術担当
2008年4月 同社 常務役員
オートモーティブシステムズ社 社長
2011年4月 同社 専務役員
AVCネットワークス社 社長
2011年6月 同社 代表取締役専務に就任
AVCネットワークス社 社長
2012年4月 同社 代表取締役専務
2012年6月 同社 代表取締役社長に就任
2017年6月 同社 代表取締役社長 社長執行役員 CEO
2021年4月 同社 代表取締役社長
2021年6月 同社 取締役会長

公職歴

2016年1月 公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 副会長
2021年6月 一般社団法人 日本経済団体連合会 副会長
オリンピック・パラリンピック等推進委員長
特別講演2

夢持ち続け日々精進

髙田 明 氏
株式会社 A and Live 代表取締役
株式会社 ジャパネットたかた 創業者
大阪経済大学 特別招聘教授
髙田 明 氏 「長崎県佐世保市の小さなカメラ店からスタートしたジャパネットたかたが、全国に広く知られる企業になったのはなぜか?」
よく尋ねられることですが、私自身は何か特別なことをやったつもりはなく、ただひたすらに目の前のことをやり続けた結果であると考えています。今回は、常に「今を生きて」きた私の人生を振り返りながら、ラジオ・テレビショッピング番組のMCを務めた中で、私なりに感じました「伝えることの大切さ」についてお話させていただければと思います。
髙田 明(たかた あきら)
株式会社 A and Live 代表取締役
株式会社 ジャパネットたかた 創業者
大阪経済大学 特別招聘教授
1948年長崎県平戸市生まれ。1971年大阪経済大学卒業後、機械製造メーカーへ就職し通訳として海外駐在を経験。
74年に平戸へUターンし、父親が経営していた「カメラのたかた」に入社。観光写真撮影販売の仕事から始め、事業拡大に尽力する。86年に分離独立し「株式会社たかた」を設立。90年にラジオでショッピングを行ったのを機に全国へネットワークを広げ、94年にはテレビショッピング事業に参入し通信販売事業の展開を本格スタート。
その後も、新聞折込、CS放送、インターネット、携帯サイトなどのメディア戦略を順次展開、99年に「株式会社ジャパネットたかた」へ社名変更。2012年には東京へオフィスとテレビスタジオを新たな拠点として開設する。
2015年1月「株式会社ジャパネットたかた」の代表を退任し、同時に「株式会社A and Live」を設立。
2017年4月、経営危機にあったプロサッカークラブ「V・ファーレン長崎」の代表取締役社長に就任、同年にはJ1へ昇格した。クラブ再建の道筋をつけて2020年1月に退任。 「㈱A and Live」社名の由来:今を生き生きと生きる世の中にしたいという想いから
「V・ファーレン長崎」の読み:ヴィ・ファーレンナガサキ

著書


『伝えることから始めよう』(東洋経済新報社)髙田 明(著)
『90秒にかけた男』(日本経済新聞出版社)髙田 明・木ノ内 敏久(著)
『まかせる力』(SB新書)新 将命・髙田 明(著)
『髙田明と読む世阿弥』(日経BP社)髙田 明(著)・増田 正造(監修)
特別企画

日科技連・品質経営研究会が考える「これからの品質経営」

佐々木 眞一 氏
トヨタ自動車株式会社 元副社長、一般財団法人日本科学技術連盟 理事長
佐々木 眞一 氏 日科技連では、第109回品質管理シンポジウム(2019年12月)において、「顧客価値創造と組織能力強化の連携による企業存在価値の最大化~これからの品質経営の枠組みの提案~」をテーマに議論を行い、「令和大磯宣言」として、これからの品質経営の在り方について提言を行いました。これは、これからの品質経営は、企業存在価値を最大化していくためには、顧客(社会)価値を創造し、それを実現するための組織能力を獲得・向上していく必要があるという内容であり、今後の日本企業が生き残っていくたに必要となる考え方です。
そして、その考えを産業界へ発信・普及していくために、「JUSE-エグゼクティブセミナー」(学長:坂根正弘氏)を通じたそのノウハウの提供、「品質経営研究会」でのより具体的な考え方、方法論、手法の検討を進めています。
本セッションでは、令和大磯宣言後の日科技連での取り組みや、現状の議論の内容に加え、品質経営(顧客価値創造+組織能力の獲得・向上)に取り組んでいる企業での実践事例を通じて、今後の日本企業が生き残っていくための方向性をお話しします。モノからコトへと言われる価値観の変化に素早く対応し業績を上げている企業が実践する「コト価値時代の品質経営」と「それを支えるTQMとは」の研究結果もご紹介します。
特別企画

顧客価値創造“モノからコトへ”のためのアプローチ

~BM(ブランドマネジメント)ストーリー~

鈴木 浩佳 氏
鈴木 浩佳 氏
トヨタ自動車株式会社
モノづくり開発統括部 企画・人事室 主査
松村 喜弘 氏
松村 喜弘 氏
ビジネスエンジニアリング株式会社
コンサルタント
グローバル社会の成熟により顧客が求める価値は、所有から利用体験に急速にシフトし、良いモノでグローバル競争を牽引してきた我が国の産業界でも、顧客のコトに着目した価値づくりへ変革が求められています。モノ中心の時代には、顧客に受け渡す製品にて価値を創り込むことができましたが、コト中心の時代では、顧客に受け渡してからも製品・サービスを組み合わせて価値を創り出していかなければなりません。
そのような課題に対応すべく、品質経営研究会が組織され、「ビジネスモデルで先行し現場力勝負に持ち込む」ための方法論としてBrand Management(以降BM)ストーリーの整備を進めてきました。BMストーリーは、事業の構想と実装の両輪を一気通貫で生み出す枠組みであり、顧客の未来課題の探索から始まり、顧客の成功を長期的にサポートするための新製品サービスの考案を通じて自社のマネタイズシナリオを描きます。さらに、シナリオ実現のために組織横断的に取り組むべきアクションを活動システムとして表現し、活動システム実行のための組織能力をTQMの考え方に基づき開発するものです。
本講演ではBMストーリーの全体像とともに、BMストーリーの実践に必要な組織能力についても紹介いたします。