クオリティ
フォーラム
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企画セッション

A会場

「顧客価値創造と組織能力の獲得・向上」を実現する
品質経営の姿を探る

~3社でのBM(ブランドマネジメント)活動全社展開に学ぶ~

セッションの趣旨


日科技連では、第109回品質管理シンポジウム(2019年12月)において、「顧客価値創造と組織能力強化の連携による企業存在価値の最大化~これからの品質経営の枠組みの提案~」をテーマに議論を行い、「令和大磯宣言」として、これからの品質経営の在り方について提言を行った。これは、これからの品質経営は、企業存在価値を最大化していくためには、顧客(社会)価値を創造し、それを実現するための組織能力を獲得・向上していく必要があるという内容であり、今後の日本企業が生き残っていくたに必要となる考え方である。

本セッションでは、「これからの品質経営」の姿である、品質経営(顧客価値創造+組織能力の獲得・向上)の実践に有益なBM活動に取り組んでいる先進企業3社の実践事例を通じて、今後の日本企業が生き残っていくための方向性を議論していく。そして、BM活動を多くの組織に取り組んでもらうための一助としていきたい。

こんな方にオススメです!


  1. ①TQM推進、製造、生産技術、設計、開発部門、経営企画部門の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • 大変革時代、このままでは生き残っていけないのはわかっており、社内で議論を進めているが、何をどう行えばよいかわかっていない。
    • 「顧客価値創造・組織能力の獲得」とは、具体的に何をすれば実現できるのか知りたい。
    • BtoB、部品メーカーの我社にとって、顧客価値創造をどう考えればよいのか知りたい。
    • 顧客価値創造活動を全社的に展開したいが、ごく限られた部門だけの取り組みとなっている。
    • コト価値の品質を担保するためのハードルが高く、難しい。

「お客様に選ばれ続ける存在を目指す」 コマツの顧客価値創造
(ブランドマネジメント)活動

藤原 恵子 氏
藤原 恵子 氏
株式会社 小松製作所
常務執行役員
建機ソリューション本部長
コマツはグローバルにビジネスを展開している建設・鉱山機械メーカーであり、掘削機・運搬機、ブルドーザーなどの製品や、お客さまの現場を支えるサポート、建設・鉱山現場の効率化・安全性向上を図るソリューションサービス等を提供しています。
当社は2007年から、「お客さまにとってなくてはならない存在を目指す」顧客価値創造活動をブランドマネジメント活動(BM活動)として推進しています。今年16年目をむかえるこの活動は、グローバルな規模で行われており、お客さまのニーズに応えるサービスやソリューションの検討や改善、DXによるお客様の現場の効率化検討、人材育成にも貢献しています。
本プレゼンテーションではコマツのBM活動の概要、これまでに直面した課題や対応策、この活動が当社の事業にもたらした効果についてお話しします。

コニカミノルタにおけるBM活動の紹介

廣田 好彦 氏
廣田 好彦 氏
コニカミノルタ株式会社
DW-DX事業本部
シニア・アドバイザー
コニカミノルタは2003年に経営統合後、創業事業である写真フィルムとカメラ事業から撤退し、現主力事業はカラー複合機を主軸としたオフィス事業に加え、オフィスワークフローをDX化を支援するDW-DX事業とデジタル印刷機を中心としたプロフェッショナル・プリント事業に移行しています。しかし、リモートワークの普及やペーパーレス化の流れの中で市場は成熟し、画像処理などのコア技術資産とワールド・ワイドでの顧客基盤を起点に第2の事業変革に挑戦をしています。新規事業を進めていく計画案の多くは、差別化手段にこだわった技術ソリューションや顧客の表面的な困り事解決に終始したカスタマイズ的事例であり、将来の事業化を見据えたビジネス・プランとはかけ離れています。3年前より、情報機器開発メンバーを中心にBM活動を通じて、本質的な顧客価値創造を起点に置いた事業構想とそれを実現するための組織能力強化の実践活動に着手しました。この3年間のBM活動の変遷・成果を紹介します。

パナソニック ホールディングスグループにおける 品質経営の取組み

- 経営基本方針に基づく、品質経営活動 -

上原 宏敏 氏
上原 宏敏 氏
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
執行役員
品質・環境・CS担当
パナソニックは創業以来、事業を通じて「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現を目指してきました。「幸せの、チカラに。」はパナソニックグループのパーパスを表した新たなブランドスローガンです。
気候変動を含む地球環境問題の解決や、くらし、仕事をするすべての人々の快適と安心、心身の健康と幸福、すなわちウェルビーイングへ貢献していく。そのためには事業を通じ、お客様や社会にサステナブルな形で新たな価値を提供し続けてゆく必要があります。
パナソニックグループには、多種多様な事業があり、お客様へのお役立ちも多様性に富んでいます。これらを成功に導くため、再現性のある価値創造プロセスのフレームワーク構築を目指し、共通の理解を図りつつ、独自の工夫を行い進めてきました。
当社経営理念を基盤とした、これら価値創造の取組みについてお話したいと思います。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

加藤 雄一郎 氏
【コーディネーター】加藤 雄一郎 氏
株式会社ブランドデザイン
代表取締役
準備中
B会場

デジタルトランスフォーメーション(DX)による
新しい価値の創造 Ⅳ

セッションの趣旨

あらゆる産業において、新たなデジタル技術でこれまでにないビジネス・モデルを展開する新規参入者が登場したことで、ゲームチェンジが起ころうとしています。

こうした中で、各企業は、競争力維持・強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)をスピーディーに進めていくことが求められています。
また、新型コロナウイルスの感染拡大によって消費行動が大きく変わったことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の巧拙が企業の明暗を分けています。

本セッションでは、産業界でのDXの機運が高まっている中、企業の実践事例を紹介することにより、産業界におけるDXの推進はどのように行うべきなのか、特に新しい価値の創造を実現するためのポイント、またビジネスモデルの変革に伴うソフトやシステムの開発および品質保証体制はどうあるべきかについても議論を行います。

こんな方にオススメです!


  1. ①TQM・品質管理・品質保証部門、新規事業開発部門、経営企画部門、ソリューションビジネスの検討を迫られている事業部の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • DXとは、我が社に置き換えた場合どういうことで、どう取り組む必要があるのかわからない。
    • ビジネスモデル創造にDXをどう活用すればよいのか知りたい。
    • トップから「我が社でもDX導入を早急に検討せよ」と指示があったが、どのように検討を進めてよいのかわからず、各社の事例を参考にしたい。
    • 新しいビジネスモデルのアイデアが出来たとしても、実践のハードルが高く、“絵に描いた餅”になってしまうことが多い。

データドリブン型 理論値生産活動で進める
バリューイノベーションファクトリー

~現場の実践経験知とデータから導く因果仮説と検証 サイクルの実現~

茨木 康充 氏
茨木 康充 氏
ヤマハ発動機株式会社
生産技術本部 設備技術部 兼)生産技術企画部 部長
DXという言葉を見聞きせずに1日を過ごすことが困難なほどに言葉は浸透した。一方で、「DXで現場が活性化した」「目に見える改善成果が得られた」といった声を現場”発“で聞こえてくるのは稀で、実際には、「現場が付いてこない」「データはあるけど成果に繋がらない」といった声の方がよく聞かれる。
我々のDX活動初年度(2018年)はまさしくこの状況に代表される失敗を経験し、2019年、活動に対する考え方を再定義した。

再定義ポイント)
1.現場に根付いた 理論値生産活動とデータ利活用を紐づける概念の整理
2.DX技術開発を内製化に舵を切り、手の内化した技術を現場経験豊かな人材に教育・育成を行う
3.主役は”人”:現場経験豊かな人財が”現場サイエンティスト”となり 分析・因果仮説・アクションを実行する

再定義プロセスを通じて現場がデータドリブンで新価値を生み出す工場を“Value Innovation Factory”と名付け、本講演ではその詳細を紹介する。

AGCが挑むモノづくり企業のDX

~イノベーティブなエクセレントカンパニーを目指して~

等々力 宏 氏
等々力 宏 氏
AGC株式会社
デジタル・イノベーション推進部 デジタルソリューション部長
AGCは中期経営計画「AGC Plus-2023」で主要戦略の一つに「DXの加速による競争力の強化」を掲げ、デジタル技術の利活用によりビジネスプロセスごとの単独の取り組みの進化・深化(オペレーショナル・エクセレンス)に加え、サプライチェーン革新などのイノベーションを実現し、社会的・経済的価値を創造することを目指しています。
本講演では、AGCのDX方針、デジタル人財育成、具体的なDXの取り組みなどについて紹介します。

中外製薬の「DXの“全社ごと”化」

金谷 和充 氏
金谷 和充 氏
中外製薬株式会社
デジタルトランスフォーメーションユニット デジタル戦略推進部 部長
ヘルスケア産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きが加速しています。DXを実現するための鍵は、『トップのリーダーシップ』、『明確なビジョンと戦略』、『戦略推進をリード可能な体制・組織の確立』、『組織風土改革と人財強化』、『具体的なプロジェクトの推進』、『取り組みの社内外への発信』、を通してDXを“全社ごと化”することであると考えています。本セッションでは中外製薬がどのようにDXの“全社ごと化”を進めているかを、デジタル戦略に基づいた具体的な事例をもとに説明いたします。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

三好 敏 氏
【コーディネーター】三好 敏 氏
日経BP 総合研究所
クリーンテックラボ
上席研究員
セッションの総合討論では、DXに積極的に取り組み、すでに変革の手応えを感じている3社の方々からいただいたお話を基に、企業がDXを通じて目指すべき方向や、それに向けたアプローチなどについてなどについて議論します。継続した成長に向けて多くの企業が事業変革を迫られていることや、その変革の原動力をもたらすのがデジタル技術であるという認識は、ものづくりの業界に広く定着しつつあります。こうした中、本質な事業変革に乗り出す企業がある一方で、新しい時代に向けた道筋がうまく描けず、一歩が踏み出せない、あるいは踏み出さないという企業も少なくないのが現状です。そこで、この議論では、果敢にDXの取り組む企業の動機や日々の活動の意味などを掘り下げながら、変革に向けたシナリオのキーポイントを浮き彫りにします。
C会場

トップが語る我が社の品質経営

セッションの趣旨

品質経営の推進には、トップのリーダーシップ発揮と正しい理解が不可欠であることは言うまでもありません。

本セッションでは、登壇者が経営トップとして、なぜ品質経営やTQM活動が必要なのか、如何に旗振りを行っているのか、それぞれが考えるトップの役割・機能とは何なのか、また、マネージャ層に対する期待等をご紹介をいただきます。

本フォーラムの主参加者層である部・課長(マネージャー)が上記メッセージを受け、明日からの自身の行動に活かしていただくと共に、各社の品質経営、将来計画、TQM推進などにおける問題点とその解決策等を聞くことによって、自社への展開のヒントを得ていただきたいと思います。

こんな方にオススメです!


  1. ①TQM推進部門、製造・生産技術・設計・開発部門、経営層の方 ※デミング賞、日本品質奨励賞の受審を視野に入れている企業も含みます。
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • TQMを導入し、長年継続してきてはいるが、形骸化の感があることは否めず、それを打破する方法を知りたい。
    • “TQMは古い、過去のもの”というイメージがあり、現代でも通用するツールなのかを知りたい。また、推進することによる具体的な効果を知りたい。
    • 品質経営と聞くとなにか難解なイメージがあり、全従業員をどうやって一つにまとめているのかが知りたい。
    • デミング賞、日本品質奨励賞へ挑戦するためには、どの程度の活動と成果が必要なのかを知りたい。

“まごころ医療”を実現し
“選ばれる病院”へ

増本 陽秀 氏
増本 陽秀 氏
株式会社 麻生 飯塚病院
院長
飯塚病院は福岡県の筑豊地域において、救命救急医療と高度の専門医療を提供する総合病院です。1918年の開院以来、開設の精神「郡民のために良医を招き、治療投薬の万全を図らんとする」に則り、医療による社会貢献と理念に謳う“まごころ医療”を、健全経営のもとで実現する努力を続けてきました。
近年、医療を取り巻く環境が厳しさを増す中で、地域における使命を果たすため、当院は“2025年度ビジョン”を「Patient Firstを追求し、選ばれる高度急性期・急性期病院」と定め中長期計画を策定しました。ビジョン達成を目指し、TQMを推進強化して中長期計画を実行し、この取り組みは病院初の2022年度「デミング賞」受賞につながりました。
Patient Firstを追求し、最適で質の高い“まごころ医療”を提供して、“選ばれる病院”を目指す当院の品質経営を、TQMを活用した中長期計画実行の取り組みとともにご紹介します。

アイホンにおけるTQMの推進

~デミング賞挑戦と受賞後の取り組み~

鈴木 富雄 氏
鈴木 富雄 氏
アイホン株式会社
代表取締役社長
アイホンは1948年にインターホン専門メーカーとして創業し、1976年にTQCを導入、1981年にデミング実施賞(中小企業賞)を受賞しました。それから35年余りが経過し当時の従業員も殆どが定年退職し、受賞時の精神は徐々に風化していました。特に会社組織の拡大に伴い社内的な事情や調整が優先され、「顧客志向」という大切な視点が弱まっていくことには強い危機感を感じておりました。経営目標を達成するために「顧客志向の徹底」と「組織力の強化」、またそれらを実現するために必要な人材育成に取り組むことはTQMの考え方そのものです。
そこで、そうした状況を打破するためにもTQMの考え方を再徹底することが必要と判断し、2015年にTQMの再活性化を宣言、更なる発展に向けたマイルストーンとして2度目のデミング賞の受賞を目指すことと致しました。2018年にデミング賞を再受賞するまでのプロセス、およびその成果について事例を交えてご紹介致します。

【お客様要求品質第一に徹する】 人々の再生物語

~再点火反転攻勢連戦猛進~

小野 有理 氏
小野 有理 氏
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社
代表取締役社長CEO兼
グループCEO
私達ダイヤモンドエレクトリックホールディングスは独禁法違反を端緒に消滅の危機に瀕していたダイヤモンド電機と、あと4日で民事再生を迎えたはずの田淵電機が一緒に為り、其之【奇跡のもたれあい】にて生き延び生き残った「ものづくり企業」です。
奇跡のもたれあい、とは、自動車用点火コイルを主としたダイヤモンド電機と、太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムを主とした田淵電機の組合せが生み出した新たなビジョン【車と家をものづくりでつなぐ】のもとで、上場企業二社同時再生が果たされ、且つ上記ビジョンが具現化されつつあることを表します。
此度は、私が2016年6月に社長就任後一週間で策定した社長三大方針の一である【お客様要求品質第一に徹する】に、企業再生の困難の中、挙社一致品質保証体制にて「働く仲間達」みんなが取り組んできたものづくり、連戦猛進激動の日々を紹介させて頂きます。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

今野 勤 氏
【コーディネーター】今野 勤 氏
神戸学院大学
経営学部 教授
「トップが語る我が社の品質経営」について、3社3様の視点から討論を行います。
時間は45分と短いですが、フロアからの意見・質問も交えて進行してきます。
D会場

「共創」による、究極のコト価値開発、設計デザイン業務の変革

~卓越した顧客体験を実現するためのエクセレントサービスの設計~

セッションの趣旨

2021年6月にISO 23592とISO/TS 24082と呼ばれる「サービスエクセレンス規格」が発行され、同年11月にはJISも策定されました。これは、卓越した顧客体験の創出を通じてファンを増やすための優れた組織とサービスづくりに関する標準であり、顧客満足を実現してきた品質管理とサービスマネジメントの次の高みを目指すものです。

組織が「サービスエクレセンス」を獲得することで、エクセレントサービスの設計活動が展開され、ポジティブな感情を伴う顧客体験の提供がなされ、顧客満足を超える「デライト≒喜び・感動」を顧客が感じることができます。そして、この感情は顧客に組織への信頼を抱かせ、リピーター・推奨者として新たな価値創造と利益を組織にもたらす可能性を秘めています。

本セッションでは、2021年11月に発行された「JIS Y24082(サービスエクセレンス-卓越した顧客体験を実現するためのエクセレントサービスの設計)」 も踏まえ、共創による究極のコト価値開発に向け、具体的に組織内で設計・開発プロセスにどのように落とし込むべきか、という観点で、事例も交えて議論を進めていきます。

こんな方にオススメです!


  1. ①経営者・経営幹部、経営企画部門、品質管理・品質保証部門、アフターマーケット部門の方
    ★サービス産業もちろん、製造業が手掛けるサービス事業への展開に大変有用です。
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • サービスエクセレンスとは何か?が知りたい。
    • サービスエクセレンスを自社の活動に取り組みたい。
    • “顧客満足”を超え、“顧客ロイヤルティ”に繋げたい。
    • エクセレントサービスによって“優れた顧客体験”や“カスタマーデライト”を生み出したい。

エクセレントサービス設計の実践と
関連規格(計測、導入方法)の活かし方

原 辰徳 氏
原 辰徳 氏
東京大学大学院
工学系研究科 人工物工学研究センター 准教授
製造業、サービス産業を問わず、従来の顧客満足から、より良い顧客体験と顧客ロイヤルティをどのように創出していくかという流れが加速しています。一方、新たな指標を定めれば終わり、という訳ではなく、その実現に向けた組織能力と商品力の向上につなげていかなければなりません。本講演ではまず、JIS Y 23592とJIS Y 24082を元に、組織能力と商品力(エクセレントサービス)の全体像を示した規範的な枠組み(モデル)を理解します。
その上で、サービスエクセレンスのパフォーマンスの測定規格(ISO/TS 23686、昨秋発行)と、日本主導で策定したサービスエクセレンスを達成するためのプラクティス集(ISO/TR 7179、今秋発行)に記載された手法や企業事例を交えながら、自社の設計・開発プロセスに組み込んでいくための実践ポイントを解説します。

ワクワクで満たされる世界の実現に向けて

~ANAグループが取り組む価値創造~

山本 ひとみ 氏
山本 ひとみ 氏
株式会社ANA総合研究所
取締役副社長
・ANAグループ中期経営戦略に基づく新・グループ経営ビジョンである「ワクワクでみたされる世界を」の実現に向けて、 人と組織の最大化を図る「人づくり」と「支える仕組み」について、 ANAグループの実例を交えてご紹介させていただきます。
また、「ANA Customer Experience」や「NPS」など、顧客体験で生まれた顧客接点における価値評価やその活用方法 等についてもご紹介させていただきます。
・お客様に感じてほしい ANA のブランドの価値やイメージ、タグラインである「 Inspiration of JAPAN 」についてご説明いたします。

アウトソーサーが取り組むクライアント共創と
より良いユーザー体験のためのサービスデザイン

澤田 由紀子 氏
澤田 由紀子 氏
株式会社TMJ
情通サービス事業本部
サービス2部 第2センター
プログラムマネージャー
吉田 拓也 氏
吉田 拓也 氏
株式会社TMJ
情通サービス事業本部
サービス1部 第3センター
プログラムマネージャー
安井 清一 氏
安井 清一 氏
東京理科大学
創域理工学部 経営システム工学科
准教授
弊社はBPO事業者としてコールセンターを中心に、様々な業種・業界のクライアント企業から業務を受託し、カスタマーサポートの運営を通じてエンドユーザーにより良い顧客体験(CX)を提供するべく、日々業務に邁進し、また改善に取り組んでいます。

スマホなどの普及で私たち生活者の利便性は日々向上していますが、残念ながら、企業側の様々な事情や制約もあり、顧客体験における不安・不満は、私たちの生活の様々な場面(企業との接点)において散見されるのが実情です。

人手不足やデジタル化の推進といった社会共通課題を踏まえた上で、そのなかでどのようにカスタマージャーニーを捉え、顧客の痛点を解消していくか、そして顧客期待を超えるエクセレントサービスをどのように実現していくか、組織や部門を跨る共創と、データやテクノロジーの活用とによって取り組んでいる事例をご紹介します。

また、これらの取組みを支える企業文化の醸成や組織学習の取組みも併せてご紹介します。
少しでも皆さんの活動のご参考になれば幸いです。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

水流 聡子 氏
【コーディネーター】
水流 聡子 氏
東京大学
総括プロジェクト機構
サービスエクセレンス総括寄付講座
新倉 健一 氏
【コーディネーター】
新倉 健一 氏
前田建設工業株式会社
総合監査部
安全・品質・環境監査グループ
グループ長
総合討論では、最初に、新しい有用な規格2種類の要点紹介をしていただきます。これによって共有すべき質問への回答と総合合討論がより深くできるようになること、また聴講者がより理解しやすくなることを、支援します。
その後、本セッションでご講演を頂いた方々に登壇頂き、まずは皆様から寄せられた質問に回答します。続いて、本セッションの論点となる以下の事項を中心に討論を進めます。
・卓越したサービス(エクセレントサービス)を創出するために必要な測定・分析とは?
・顧客のデライトを生み出すために必要な組織能力(サービスエクセレンス)をどのように高めるか?
E会場

失敗から学ぶ成功への道 Ⅳ

~企業事例に学ぶ失敗学実践による未然防止~

セッションの趣旨

日科技連では、2007年に濱口哲也氏(元 東京大学 大学院特任教授)を講師として「失敗学と創造学セミナー」を開設、その後2018年に「失敗学実践編セミナー」を開設しました。それまでの「問題が起こった後だから言える結果論的対策」や「対策反転型原因分析」ではなく、「本人がリアルタイムで大丈夫だと思って行動したはずなのに、なぜ裏目ってしまったのか(失敗にゴールインしてしまったのか)」という「起承転結型原因分析」を学ぶことができる場として多くの企業に支持され、今日では業種・職種問わず多くの企業で失敗学を実践されるようになりました。

本セッションでは、業種・職種問わず、企業が「何の為に失敗学に取り組んでいるのか、どのように試行錯誤・工夫しながら失敗学を実践しているのか、またどのような効果を期待し、得られつつあるか」など、各社の取組み事例について、聞くことができます。
「すでに失敗学を導入している企業」はもちろんのこと、「これから失敗学を導入したいと考えている企業」あるいは「失敗学に興味をお持ちの企業」など多くの方にとって参考になるセッションです。
年一回の企業の取組み事例が聞けるチャンス!多くの方のご参加をお待ちしております。

こんな方にオススメです!


  1. ①品質保証・品質管理・設計・開発・製造・生産技術などの部門をはじめ、全ての方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • 既存の原因分析手法と分析結果に疑問を感じている(満足していない)。
    • 失敗学に興味・関心がある。
    • 失敗学をどのように推進・展開したら良いか知りたい。
    • すでに失敗学を導入しているが、関係者・関連部門に失敗学の良さを上手くアピールすることができない。
    • 失敗学を導入した効果を知りたい。

インフォコムにおける失敗学実践による未然防止

佐々木 一仁 氏
佐々木 一仁 氏
インフォコム株式会社
品質マネジメント推進室 主査
弊社は、医療・企業・公共機関向けにシステム構築やパッケージ製品を提供するITサービスと、一般消費者向けに電子コミック配信サービス「めちゃコミック」等を提供するネットビジネスを展開しています。
弊社では、障害発生時に原因分析を実施していますが、その障害の再発防止策の検討にとどまり、将来起こりうる障害の未然防止策の検討に至りませんでした。そのようなとき濱口先生の失敗学に出会いました。失敗学により、原因分析から再発防止策の検討、さらには未然防止策の検討まで一貫して矛盾なく実施できると考えたことから、2020年度より失敗学の取組みを開始しました。
これまで、部内で失敗学を指導するリーダーを育成する「不具合事象分析発表会」、部内実践を支援する「実践事例共有会」、全社で失敗学を教育する「社内研修」等に取り組んできました。これらの取組みにおいて、どのような試行錯誤を重ねてきたのかを紹介させていただきます。

失敗学習得を通した副次的効果

-人間力を高め、チームの成長につなげる-

土屋 満智子 氏
土屋 満智子 氏
丸善石油化学株式会社
営業本部 機能化学品部 品質保証グループ グループリーダー
当社は、基礎石油化学製品の製造・販売をメイン事業として展開している一方、化成品事業や機能化学品事業の拡充にも力を入れています。機能化学品事業を担う「レジスト用樹脂関係組織」では、半導体フォトレジスト用樹脂をはじめとし、反射防止膜や配線用厚膜レジストなど周辺用途向け樹脂の開発・製造・販売を行っております。
当組織では、「組織一体での品質保証」を目指し、さまざまな活動を行ってきました。2019年には教育活動の4本柱を設定し、その中の1つが「失敗学」です。失敗学は失敗の再発防止、未然防止に大いに役立つのはもちろんですが、当組織では失敗学を学ぶ過程を大切にしております。取組み半ばではございますが、当組織の導入状況と失敗学習得を通して感じた「人と組織の成長」について、ご紹介させて頂きます。

村田製作所における
現場での失敗学の普及、活用事例紹介

井上 知香 氏
井上 知香 氏
株式会社村田製作所
品質保証統括部
品質保証部 品質CS課
菱川 朋美 氏
菱川 朋美 氏
株式会社 鯖江村田製作所
製造部 品質管理課
弊社は総合電子部品メーカーで、広範囲な製品ラインナップを持っております。そのため、様々な製品、生産ライン、事業形態を持っており、それぞれで発生した不具合の水平展開を行う際、失敗学の上位概念化による未然防止の考え方が非常に有効であることから、2016年より失敗学の普及・展開活動を行っております。弊社ではまず各部門で失敗学の活用を推進するキーパーソンを育成し、そのキーパーソン主体でそれぞれの部門に合った形での失敗学の展開活動を進める体制を取っております。今回は、キーパーソンの育成体制を含む全社での失敗学の普及・展開の取り組みと、実際にキーパーソンが部内で失敗学を効果的に展開・活用している取り組み事例をご紹介させていただきます。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

濱口 哲也 氏
【コーディネーター】濱口 哲也 氏
株式会社濱口企画
代表取締役
準備中
A会場

中小企業における品質経営のベストプラクティスを探る

セッションの趣旨

中小企業は、日本の全企業数のうち99.7%を占め、私たちの生活に密着した財やサービスの提供を行っています。また、中小企業の中には、世界市場の獲得につながる先端技術の活用や、地域で育まれた伝統と特性を有する多様な地域資源を活用する担い手となっている企業が多く存在していることも事実です。 こういった観点で考えると、日本の産業競争力の創生には中小企業の活性化が不可欠であることは言うまでもありません。

その手段として「品質経営」の実践が有効だと考え、
本セッションでは、TQM活動への取り組み含め、唯一無二の存在感を発揮している3社をお迎えし、中小企業でもTQM活動が有用な経営手法であることを、事例とディスカッションから学びます。 是非、中小企業の皆様にお聞きいただきたく思います。また、中小企業をパートナーとしている大企業の方々にも参加いただければ幸いです。

*中小企業基本法の定義:製造業その他資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

こんな方にオススメです!


  1. ①TQM推進、製造、生産技術、設計、開発部門、経営層の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • 組織マネジメントがうまくいっていない。
    • TQM活動が中小企業にも適用できるのか、甚だ疑問である。
    • 組織内の血流をよくしていきたい。
    • サプライヤーから仕入れる製品に納入不良が多く困っている。
    • ISO9001を取得しているが、品質レベルが向上せず困っている。

セキソーにおける品質経営の推進

~クルマの音のシステムサプライヤーへ~

山田 昌也 氏
山田 昌也 氏
株式会社 セキソー
代表取締役社長
弊社は自動車の内外装製品を提供するサプライヤであり、人財育成をベースとして、TPS・TPMを活用した体質強化活動を行っていました。
2010年ごろ、顧客志向の新製品開発と方針管理、PDCAなどの見直し・徹底を狙いとしてTQMを導入し、その活動の中で「もっと良い音色のクルマを造ろう」というコンセプトを作り、音製品に狙いを定めることにしました。開発にあたっては、「お客様は誰か?」ということから整理し、直接のお取引先様が気づかないところまで提案出来るようになることを目指しています。
2014年のデミング賞受賞後もTQM活動を継続し、TPS・TPMと融合させた3T活動を推進しています。現在は部品単体の製品開発から、よりクルマ全体を意識したシステム開発に発展させ、「音のシステムメーカー」になるように挑戦しています。
上記内容についてセキソーグループにおけるTQM活動や体質強化活動について紹介いたします。

中小企業における品質経営のベストプラクティスを探る

窪田 和司 氏
窪田 和司 氏
株式会社羽生田製作所
代表取締役
当社は暖房製品や学校体育用品、医療介護機器、キッチン用器機、蓄電池用筐体、通勤車両用部品など、様々な業界に対して金属加工を中心とした製品や部品を供給している100名規模の中小企業です。2001年にISO9001、2006年にISO14001を取得、2007年に「いかなる環境の変化にも対応できる企業体質の強化」を目的にTQMを導入。2011年にTQM奨励賞品質奨励賞を受賞しました。
急激な市場の環境変化、社会環境の変化の中で、様々な課題に直面しながら、TQM活動を継続して推進してきました。社員一丸となって羽生田製作所ならではのTQM活動を展開している事例や、お客様と協創して造り込んだ新製品開発、社員全員を巻き込んだ改善活動など、中小企業ならではの活動をご紹介致します。

豊かな心を創る 祈りの経営

保志 康徳 氏
保志 康徳 氏
株式会社 保志
代表取締役社長
供養産業内で仏壇・仏具・位牌を供給するメーカーとして123年の歴史を重ねながら次の100年に向け、この大切な「供養する文化」「祈りの文化」を継続してくための新たな取り組みが必要です。
その中において特に人材・組織の活性化が課題であり、当社の取り組みとしてVCR活動(QC活動)を推進しています。以前は生産部門対象であった活動を営業・開発・経理・人事といった部門へも広げ取り組んでいます。まだまだレベル差はあり、経営計画に直結した取り組みから班内の課題解決レベルとさまざまではありますが、部門横断で行うことの必要性に自ら気づき成果を出すチームも出てきており個人の成長=チームの成長=会社の成長を感じれる一つとなっています。
また、個人のさらなる成長において改善提案制度を運用しスキルアップも行っています。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

尾本 勝彦 氏
【コーディネーター】尾本 勝彦 氏
元 パナソニック株式会社
品質・環境本部 本部長
本セッションの総合討論では、「中小企業、或いは大企業であっても傘下の工場等、比較的経営判断が迅速に展開出来得る経営組織」に於いて、「その組織能力を飛躍的に向上させる為のノウハウ」や「その際にどのようにTQMの思想を活用すべきなのか」について、ご登壇いただいた3社の経営者のお話を基に、ご視聴される方々も交えて共に考えて参りたいと思います。 市場では現場の皆様から、「TQMを推進する為に潤沢な人的リソースを保持していないが、自社に合った手法を取り入れながら、着実に組織能力を獲得・向上させて経営成果を挙げたい」、と言った声を今でも良く耳にします。 議論の中では、その目的を達成する為の“色々な工夫”や“取組みのポイント”にも焦点を当て、パネルディスカッションを進めて参ります。
B会場

価値創造のための人事戦略

~人財育成で会社を変革する~

セッションの趣旨

グローバル化が益々進展する中、変化に対応し、日本企業がこの大競争時代に勝ち残っていくためには、新しいビジネスモデルを考え出し、イノベーションを起こせるようにならなくてはいけません。
そのために必要なファクターが、「価値創造」を担える人財の育成です。
日科技連では、「ハード・ソフトは価値を実現するための道具にすぎず、「価値」は、顧客が道具を使いこなすことによって生まれる。「価値」を考える際は、サービス・ドミナント・ロジックの考え方を念頭に置き、「顧客は何が出来れば喜ぶのか?」を考えることが重要」とし、顧客価値創造の実現のための方法論について議論しています。
そこで重要となり忘れてはならないのは、この大変革時代に勝負を分けるのは、人財ということです。

本セッションでは、人財の育成について、先進的取組み事例3件の講演からの講演と共に議論を行っていきます。

こんな方にオススメです!


  1. ①人事、経営企画部門、品質保証部門の教育担当者の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • 人材育成の重要性はわかるが、何をどう手を付けていいかわからない。
    • 教育内容がいつも決まりきった内容で、形骸化されている。
    • 一応研修制度はあるが、役に立っているのかわからない。
    • 多様な人材がいるものの、それぞれにあった育成方法が出来ているのか不安。
    • ビッグデータ対応、データサイエンティスト養成、イノベーション人財、事業創造人財、改善のスペシャリスト…、それぞれ育成方法は違うと思うが、共通点を見出したい。

「KDDI版ジョブ型人事制度」の導入をはじめとする
人財ファースト企業への変革に向けて

菱田 直人 氏
菱田 直人 氏
KDDI株式会社
執行役員
コーポレート統括本部 人事本部長
事業環境が大きく変化する中で、通信以外の事業も推進しながらKDDIが社会の持続的成長に貢献していくためには、これまで以上に多様な専門性を持つ人財を獲得し、その人財同士が混ざり合い、イノベーションを創出していく「人財ファースト企業」への変革が求められています。KDDIでは、2021年3月期からこの「人財ファースト企業への変革」に向けて、「三位一体の改革(①KDDI版ジョブ型人事制度②社内DX③働き方改革)」を推し進めて参りました。本講演では、この「KDDI版ジョブ型人事制度」をはじめとした当社の取り組みについてご説明いたします。

従業員一人ひとりの挑戦と成長を後押しする
「人材マネジメントのフルモデルチェンジ」

平松 浩樹 氏
平松 浩樹 氏
富士通株式会社
執行役員 EVP CHRO
富士通では、2019年以降「IT企業からDX企業への転換」という方針を掲げ、DX企業にふさわしい企業、パーパスドリブン経営を実現するため、人・組織・働き方に関する制度改革を全方位から取り組んでいます。本講演では、経営戦略と連動した人事戦略の実現に向けて当社が行っている制度改革や風土変革に関する具体的な取り組みについて、特に従業員の成長やチャレンジを後押しする環境・仕組みづくりの観点を中心にご紹介します。

グローバルで勝ち抜くための人的資本経営

南 和気 氏
南 和気 氏
Wake Consulting合同会社
代表
日本企業がこの30年間にわたって成長戦略を実現できなかった背景には、人事改革を後回しにしてきたことが大きな影響を与えています。表面的な対処療法を重ねてきた結果、人材の多様性、管理職登用の平均年齢、社員のやる気やエンゲージメントなど、人材価値を示す様々な指標において世界との差は広がり続けています。一方で、世界と日本の労働環境・労働市場は大きく異なり、必ずしも米国や欧州の人事制度をすべて取り入れることが日本企業にとって良いわけでもありません。いよいよ高齢化とテクノロジーへの対応の遅れが顕著になった今の日本において、人材価値をこれまでにないスピードで高めるための人事戦略を実行し、人的資本経営を実現する必要があります。日本企業を取り巻く現実と、今後の人事戦略の策定手法、人的資本経営の情報開示についても、実践に基づいて解説します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

寺澤 康介 氏
【コーディネーター】寺澤 康介 氏
ProFuture株式会社 代表取締役社長
HR総研 所長
ビジネスの構造的変化がかつてないほど大きく、かつ変化スピードが速まる中で、いま「人的資本経営」の取り組みが注目されています。「人的資本経営」とは、人を資投資すべき資本として捉え、経営戦略と人事戦略を連動させることで、人への投資を経営の成果につなげるというものです。今回、優れた人事変革に取り組む企業を表彰する「HRX(HR Transformation) of The Year 2022」にて、最優秀賞を受賞されたKDDI株式会社、優秀賞を受賞された富士通株式会社の2社の人的資本経営、人事変革への取り組みについてお聞きするとともに、人事コンサルタントとしての長い経験を持つ南和気氏との3者にて、人的資本経営に企業はいかに取り組むべきか、求められる人財育成の在り方はどのようなものか、経営層や現場で働く社員の方々と人事はどのようなコミュニケーションを取って進めていけばよいかなど、議論をしていきたいと思います。
C会場

デザイン思考と顧客価値創造

セッションの趣旨

技術や生産の都合ではなく、顧客の潜在的な欲求を捉えて、斬新なサービスや製品を設計する手法である「デザイン思考」。
米デザイン会社IDEOが体系化し、2000年代にスタンフォード大学で教育プログラムが誕生し広まりました。日本企業が苦手とされる「ゼロからイチ」の発想で、世の中にない独創的な製品やサービスを設計するこの手法の活用は、日本企業ではいまだ15%にとどまっています。

本セッションでは、そのような状況の中、デザイン思考の手法をいかに社内に浸透させて活用し、顧客価値創造につなげていけるかを、企業の実践事例を紹介しながら、人と社会の未来のデザインについても議論していきます。

こんな方にオススメです!


  1. ①新規事業開発部門・経営企画部門・ソリューションビジネスの検討を迫られている事業部・TQM・品質管理・品質保証部門の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • デザイン思考とは、我が社に置き換えた場合、どういうことでどう取り組む必要があるのかわからない。
    • 顧客価値創造にデザイン思考をどう活用すればよいのか知りたい。
    • トップから「我が社でもデザイン思考を早急に検討せよ」と指示があったがどのように検討を進めてよいのかわからず各社の事例を参考にしたい。
    • デザイン思考の導入を決めても、実践(展開・浸透)のハードルが高く、“絵に描いた餅”になってしまうことが多い。

さよなら、「デザイン思考」

石川 俊祐 氏
石川 俊祐 氏
株式会社KESIKI
代表取締役CDO
目まぐるしく変化する時代。中小企業、大企業、官公庁に関わらず「新しいファンを獲得できない」 「人材の採用が難しい」「離職者が増えていく」などといった多くの悩みを抱えています。
こうした企業や組織の悩みを解決する方法として注目されているのが、「デザイン経営」です。 独自の技術や歴史、文化を持つ企業が「デザイン」の考え方を経営に取り入れることによって、愛される企業文化やプロダクト、サービスをつくる。そうすることで、経営課題を解決 し、事業を未来へと繋げていく成功例が国内でも少しずつ増えてきています。
これまで多くの企業のイノベーションプロジェクトに携わってきたKESIKIが、「カルチャー」を軸に新規事業創出やブランディングをどのように実践してきたか?そのアプローチについてお話しします。ロールモデルとなるケーススタディもご紹介していきます。

この先に続く人と社会の
未来を想い描くコニカミノルタデザイン思考

神谷 泰史 氏
神谷 泰史 氏
コニカミノルタ株式会社
デザインセンター デザイン戦略部
デザインイノベーショングループ グループリーダー
コニカミノルタのBtoB事業では、独自のB to B to P(Professionals) for P(People)のアプローチを活用し、顧客企業のProfessionalsや最終顧客(People)に至るまでの課題やニーズに寄り添い価値提供を行っています。その実現の要となるのが、自社の事業特性に合わせて体系化した「コニカミノルタデザイン思考」で、全社的な浸透を進めています。「ビジョン」、「ストーリーテリング」、「顧客エンゲージメント」を特徴に持つコニカミノルタデザイン思考を通じて多様なステークホルダーとの価値共創を行っています。
本講演では、コニカミノルタデザイン思考をどのように全社に浸透し、多様なステークホルダーとの価値共創に取り組んでいるか、その戦略や具体的な事例を解説します。また、コニカミノルタデザイン思考を取り入れた先進的な取り組みとして、新価値創出スタジオenvisioning studioで取り組む、これからの人や社会を見つめ構想する未来ビジョンマップを通じた新価値事業構想戦略についても紹介します。

デザインプロセスの企業内浸透

土岐 哲生 氏
土岐 哲生 氏
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
イノベーションセンター デザイン部門 部門長
ドコモグループの法人事業(ドコモビジネス)を担うNTTコミュニケーションズは、お客さまのDXをご支援し、社会・産業へのDX貢献を通じてサステナブルな社会の実現を目指しています。

その実現に向け、インハウスのデザイン組織KOELは、NTTコミュニケーションズの各事業組織の提供価値を強化していくことを狙いとした事業支援だけではなく、デザインプロセス・ノウハウを社内に浸透させる役割も担っています。

具体的には、デザイン業務を「受託」するのではなく「併走」することで、プロジェクトに関わった社員へのスキル・ノウハウの伝承を実施しています。戦略から表層まで、目的を計画して実現する一連のプロセスを「顧客志向」で考え抜くKOELの取り組みについて、事例などを通じてご紹介します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

石川 俊祐 氏
【コーディネーター】 石川 俊祐 氏
株式会社KESIKI
代表取締役CDO
準備中
D会場

品質不正・不祥事防止のために必要なこと

~日本品質管理学会規格「テクニカルレポート 品質不正防止」をもとに~
<日本クオリティ協議会(JAQ)協賛セッション>

セッションの趣旨

「品質不正」は、大きな社会問題となっていますが、この現象は過去数十年の間、「品質不祥事」とひとまとめにされてきました。 また、近年ではその中に、単なる不注意・ヒューマンエラーとは言えないもの、すなわち、意図的に標準・ 契約・ 法令等に反した製品・サービスを市場に出す、ということが含まれるようになってきています。

それにともない、意図的に標準・契約・ 法令等に反した製品・サービスを市場に出す問題を「品質不正」として捉え、何が起こっているのか、その要因は何か、防止のために組織や社会は何を行うべきか、をまとめたのが、 JSQC 規格(日本品質管理学会規格)として2023 年 1 月 26 日に制定・発行された「テクニカルレポート 品質不正防止」です。

本セッションでは、品質不正防止に役立つJSQC 規格「テクニカルレポート 品質不正防止」の内容解説と、品質重視の経営を進める2社の事例をまじえ、議論を行っていきます。品質不正、人の行動、組織能力・組織文化、総合的品質管理(TQM)の関係を適切に理解いただきながら、品質不正の防止に役立つものとしていきます。

こんな方にオススメです!


  1. ①TQM推進、製造、生産技術、設計、開発部門、経営層の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • 品質不正はなぜ起こるのか、知りたい。
    • 品質不正をなくすためには、組織はどうしたらよいのか知りたい。
    • 品質不正をなくすためには、社会はどうしたらよいのか知りたい。
    • 品質不正に有効な活動や取り組みはどういったものなのか知りたい。
    • TQMは、品質不正に役立つのか教えてほしい。

JSQCテクニカルレポート品質不正防止の概要

平林 良人 氏
平林 良人 氏
株式会社テクノファ
取締役会長
近年、企業の品質不正が日本社会に多く発覚し、問題となっています。日本品質管理学会(JSQC)では、2023年1月にJSQC規格「テクニカルレポート品質不正防止」を発行しました。この規格では、品質不正を「製品及びサービスを顧客・社会に提供するに際して、標準、契約、法令等から逸脱した人の意図的な行為によって引き起こされた、品質保証の観点から容認できない事象」と定義しています。本来、品質管理を適切に運用していれば決して起こらないはずの品質不正がいろいろな業種、業界で発覚している現状は早く正していかなければなりません。テクニカルレポート品質不正防止規格の4章「組織で何が起きているか」、5章「品質不正はなぜ起きるのか」、6章「品質不正をなくすために組織はどうしたらよいか」、7章「品質不正をなくすために社会はどうしたらよいか」をそれぞれ説明をいたします。

KOBELCOグループの品質への取り組み

~KOBELCO TQM活動~

輿石 房樹 氏
輿石 房樹 氏
株式会社 神戸製鋼所
フェロー
KOBELCOグループにおける「品質」への取り組みとして、再発防止策の概要(ガバナンス面、マネジメント面、プロセス面)と再発防止から繋がる「KOBELCO TQM」活動についてご紹介します。KOBELCOグループには、素材系、機械系、電力など多様な事業があり、各事業でのTQM活動状況は異なってはいますが、グループ企業理念の下、お客様や社会に対して「信頼される品質」、更には「喜ばれる品質」が提供できる「強くて、よい会社」を目指しています。現場の困りごとを解決するキャラバン隊活動、風化防止へも繋がるKOBELCO約束の場・約束の日、品質ガイドライン(グループで守るべきルール)を基にしたSDCA体制の構築、TQM活動の要となるミドル層への研修・実践、ROIC向上のためのKPIマネジメントなど、KOBELCO流を追求しており、それらの取り組みに対して社外の有識者も委員である品質マネジメント委員会が支援しています。

ニチアスにおける品質向上の取り組み

米澤 昭一 氏
米澤 昭一 氏
ニチアス株式会社
顧問
当社は1896年にわが国における保温断熱分野のパイオニアとして創業し、126年後の現在まであらゆる分野に「断つ・保つ」の技術・サービスを提供してまいりました。しかし、社会を取り巻くビジネス環境は目まぐるしく今までの創造を超えるスピードで現在進んでおり、TQMの管理においても厳格化が更に要求されています。
その中で日本の有名企業でも今までの信頼を品質問題で落としてしまい、業績や株価へも大きく影響している記事が数多く新聞紙上で見かけます。そういったことに陥らない為にも品質リスク要因を抽出し、何が原因かを課題に落とし、経営者、管理職、現場が取り組む逆ビラミット組織運営の考えを紹介いたします。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

中條 武志 氏
【コーディネーター】中條 武志 氏
中央大学
理工学部ビジネスデータサイエンス学科 教授
最近、様々な分野において品質不正(製品及びサービスを顧客・社会に提供するに際して、標準、契約、法令等から逸脱した人の意図的な行為によって引き起こされた、品質保証の観点から容認できない事象)の報道を聞くことが多くなりました。これら品質不正の原因や対策については、多くの議論がなされていますが、その中には、品質不正、組織能力・組織文化、総合的品質管理(TQM)の関係が適切に理解されていないのではないかと考えられるものもあります。このような社会の状況を踏まえ、2023年1月に日本品質管理学会よりJSQC-TR 12-001「テクニカルレポート 品質不正防止」が発行されました。このパネル討論では、本テクニカルレポートの概要、二つの組織における具体的な取り組みに関するご講演を踏まえて、品質不正を防ぐ上で何が必要なのか、組織能力を向上させ、組織文化を変える上でTQMが果たす役割などについて討論します。
E会場

バリューチェーン・マネジメント

~SDGsにも関連するグローバル調達管理~

セッションの趣旨

企業における「調達」 の課題は、物資の停滞だけではなく、社会・経済・環境、そして、SDGsに寄与するファクターとして全世界が注目しているプロセスであります。

バリューチェーンの観点でいえば、事業者は、新たな製品やサービスを社会に提供することを通じて、付加価値を創造し、社会の発展に貢献し、他者が提供する製品・サービスを利用し、不要物を廃棄することで、創造された付加価値は費消されていくことになります。この付加価値の創造と費消の連鎖(バリューチェーン)は、一事業者のみならず多くの関係者の経済活動によって成り立っています。

事業者は、バリューチェーン上のどこかで一役を担っていますが、このバリューチェーンの各局面における経済活動では、何らかの環境影響が生じています。 上流向けの中心的な対応には、「持続可能な調達」を通じた、環境配慮等に積極的に取り組んでいるサプライヤーからの調達と、環境負荷の少ない製品・サービスの調達があります。「持続可能な調達」を通じて、例えば、原料資源の希少性、立地的に自然災害の影響を受けやすいサプライヤー、委託先工場の環境汚染等へ対処することで、自社の価値を守ることができます。

本セッションでは、ISO 20400の概要を解説し、その運用方法について、すかいらーくホールディングス、日清丸紅飼料の2社の具体的な事例をもとにあるべき姿を議論していきます。

こんな方にオススメです!


  1. ①資材・調達部門、経営企画部門、SDGs推進部門の方
  2. ②以下のような、課題をお持ちの方
    • 地政学リスク、日本国内だけではなく世界的に巻き起こっている半導体を中心とした材料の供給不足などに日々悩まされている。
    • サプライチェーンにおける持続可能な調達に取り組み方法を知りたい。
    • SDGsというが、何から取り組んでよいのかわからない。
    • ISO20400の概要を知りたい。

SDGs経営におけるグローバル調達管理

‐バリューチェーン・マネジメントの実践‐

近藤 明人 氏
近藤 明人 氏
麗澤大学
経済学部 教授
サステナビリティ課題の解決、あるいはSDGsの達成には、企業のグローバル調達管理の取組みが重要です。とりわけ、気候変動対策のTCFDや生物多様性対策のTNFD、海外調達における人権デューデリジェンスの取組みなどにおいては、バリューチェーン・マネジメントを実践しなければなりません。そこで、本講演では、グローバル調達管理のリスクや課題(バリューチェーンの複雑さ、コスト、パフォーマンスの可視化、調達管理の信頼性、情報開示など)を説明し、その解決策の一つとして、ISO 20400(持続可能な調達)を活用したバリューチェーン・マネジメントの枠組みや方法などについて説明します。

すかいらーくにおける持続的な調達について

森山 英樹 氏
森山 英樹 氏
株式会社すかいらーくホールディングス
購買本部 購買政策グループ
ディレクター
内容は3部構成(①会社概要、②全社におけるSDGs/ESGの取組み、③持続的な調達の活動)です。
まず簡単に事業内容を紹介し、その事業プロセスに沿って取り組んだ全社的なSDGs/ESG活動事例、及びそれらを確実に進めるためのガバナンス体制について説明いたします。
主題である「持続的な調達の活動」では、取り組みの端緒となった東京オリンピック対応、ISO20400に沿った体制整備の具体的取組み、及び今後の課題に触れます。
体制整備では、「持続的な調達」が”手前勝手な活動”にならないように国際規格に照らした仕組みとする事、この際に新たなプロセスを構築するのではなく”既存の購買管理プロセス”に組み入れる事に留意しました。特に、経営陣・管理者・実務担当など各階層の役割分担の明確化、役割に応じた教育機会の提供、効果的なガバナンスに向けた規程類策定と実務ツール準備、優先順位を付けたメリハリある対応、取引先への働きかけと協働体制構築などの経験談が、今回のポイントになると思います。

飼料産業における持続可能な調達に向けた取組み

~日清丸紅飼料㈱での事例紹介~

土橋 裕司 氏
土橋 裕司 氏
日清丸紅飼料株式会社
顧問
今回の講演では、飼料産業における持続可能な調達に向けた取組みについて、その全体像と各課題に関連する当社の取組み事例等をご紹介致します。
先ず、世界と日本の農業(特に畜産業)における気候変動への影響について現状確認を行い、それを前提とした日本の行政の畜水産業での取組み(みどりの食料システム戦略等)についてレビューします。
次に、日本の飼料産業における各課題について具体的にご紹介し、その中で、今回のテーマであります「グローバル調達管理」に関連する話題提供と、ほとんどを輸入に頼る飼料原料調達の課題について、その難しさと今後の展望について触れたいと考えています。
さらに、弊社が実際に取り組んでいる事例(親会社方針、弊社のマテリアリティやDXへの取組み事例等)をご紹介いたします。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

近藤 明人 氏
【コーディネーター】近藤 明人 氏
麗澤大学
経済学部 教授
総合討論では、グローバル調達管理におけるバリューチェーン・マネジメントの実践のために持続可能な調達に取組まれている先進企業2社の事例を通して、「どのようにグローバル調達管理のシステムを構築するのか」、「バリューチェーン・マネジメントを実践するうえでの課題は何か」、「その課題を解決するにはどうすれば良いのか」、「グローバル調達管理のあり方」などについて議論します。