開催概要
第118回品質管理シンポジウム
日程
〔確認ください〕118QCS 討論にあたる前提事項:用語の定義と考え方
テーマ |
変化に対応する品質経営
~Just in Time + Just in Case~ |
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日 時 | 2024年12月5日(木)~12月7日(土) |
会場 |
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主 催 | 一般財団法人 日本科学技術連盟 |
後 援 | 一般社団法人 日本品質管理学会 |
趣旨
第118回品質管理シンポジウム
主担当組織委員
DMG森精機株式会社
代表取締役社長 森 雅彦
「良品・廉価・短納期」という言葉があります。戦後、日本の製造業は米国から品質管理を学び、いかにバラツキなく、いかに安く、いかに早く、商品を製造し、供給するかを追求してきました。その結果、日本の製品は「メイドインジャパン」としてブランド化され、世界を席巻しました。
しかし近年、製造業に限らず、我々企業を取り巻く環境が以下のように大きく変化しています。
- 顧客の需要が多様化し、少品種大量生産から多品種少量生産が求められるようになった。
- 少子高齢化の影響で、労働人口が減少するとともに、数年の内には社会の中心はZ世代になる。
- 地球温暖化を防ぐべく、脱炭素(カーボンニュートラル)が求められるようになった。
- 持続可能な社会を実現するために、資源循環型社会(サーキュラーエコノミー)が求められるようになった。
これらに加えて、近年、我々企業は、予測困難な変化に度々さらされています。
- 新型コロナウイルス、戦争等の影響によるサプライチェーンの崩壊
- 大国間の対立による輸出規制
さて、第109回品質管理シンポジウムでは、これからの品質経営の在り方を「顧客価値創造とそれを実現するための組織能力の向上・獲得」と定義しました。これは「令和大磯宣言」としても提言されました。第109回以降も、顧客価値創造、組織能力の向上・獲得に関する議論を継続的に行ってまいりました。そして、ご存じのとおり、品質とはモノの出来栄えのことではなく、顧客及び社会のニーズを満たす度合いです。では、この変化の時代、顧客及び社会が求めるものは何でしょうか?予測可能な変化と予測困難な変化への対応とを、分けて考える必要があるのではないでしょうか。
ここで、生産現場に目を向けると、日本はこれまで、現場の社員各々が主体的に問題・課題を解決・達成する力、すなわち「現場力」で発展を続けてきました。しかし、労働人口の減少、働き方改革など、生産現場を取り巻く環境は大きく変化しています。これまで絶え間ない改善活動を行ってきた人材は、近い将来、定年を迎えることから、熟練者の高技能により古い設備をメンテナンスしながら使い続けることはサステナブルでないことは明らかでしょう。確実に、生産現場の中心を担うのはデジタルネイティブのZ世代に変わるのです。
また、企業活動における脱炭素や省資源が社会から強く求められています。CO2や中間在庫を低減するために極力短い工程で完結する、あらゆる変化に対応するために柔軟性の高い設備や生産システムにする、人不足への対応のために夜は無人で稼働する工場にするなど、リーンでクリーンな生産現場への再構築は待ったなしの状態と思われます。
そして、もう一つ考えるべきは予測困難な変化への対応です。過去の日本経営の良さは、確実に先が読めて、それに向けて絶え間ない改善を続けてこられたことです。近年、この前提は崩れ、変化が読めない、想定外という事態が多発しています。どんな事態が起ころうともそれに対処できる企業能力が生き残りのカギになってきます。
そこで、今回のシンポジウムでは、我々企業が、変化する環境の中で顧客に価値を提供し続けていくためには、どのようなマネジメントが必要になるかに焦点を当てて議論を行います。これまでも、変化に対応するための経営については多くの議論がなされてきましたが、いざアクションを起こそうとすると、それが予測可能な変化であったとしても様々な難しさを感じる場面が多かったのではないでしょうか。今回は真剣に変化と向き合い具体的なアクションを起こすにはどうすればいいかについて、8つの経営機能に分かれて、より踏み込んだ議論を行います。
組織委員
小笠原 浩
㈱安川電機 代表取締役会長
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永田 靖
早稲田大学 教授
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宮本 眞志
トヨタ自動車㈱
カスタマーファースト推進本部 本部長 |
棟近 雅彦
早稲田大学 教授
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森 雅彦
DMG森精機㈱
代表取締役社長 |
山田 秀
慶應義塾大学 教授
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