講演概要
第119回品質管理シンポジウム
※組織名・役職は2025年3月現在の表記になっております
特別講演
進化を続けるAIの行く先
~人とAIが共生する社会とは?~

栗原 聡 氏
【講演要旨】
生成AIの登場はよくも悪くも世界に大きなインパクトを与えましたが、AIエージェントといった更なる進化がすでに始まっています。生成AIが登場した頃の「AIが仕事を奪う」といったネガティブな話題よりも、「いかにAIを活用することで経済を発展させるか」についての議論の方が目立つようになってきました。一方、AIを使い続けると、人への認識的負荷を低減させることで「人の思考能力を押し下げる」という気になる論文も発表されています。今後、加速的に進化するAIと我々はどのように共生していくようになり、それは人間社会をどのように変容させていくのかについて考察します。
基調講演・オリエンテーション
経営環境の変化に適応するためのTQMの進化

山田 秀 氏
【講演要旨】
品質管理活動は、戦後の導入以来その時々の経営環境の変化に応じて進化してきました。黎明期にはインフラストラクチャも確保されない中、仕様への適合を目指し5S、 QCサークル、標準化、 SQC手法の活用、改善の組織的推進な様々な活動を生み出してきました。その後、仕様への適合が当たり前になり、多くの日本高品質な製品、サービスの提供による顧客満足の獲得を目指し実現しました。特徴的なのは、全社的な品質管理活動としての推進であり、当時としては世界的に先端的な活動でした。本講演では、まずTQMの進化を経営環境の変化と紐付けながら振り返り、今の時代でも必要な活動を明確にします。次に、現在直面しているTQMに関連する経営環境の変化として、顧客の定義と可視化、バランスよい多側面の経営目標と組織的展開、働き方への希望の尊重、ビジネスパートナーとの連携、AIや横断的データの活用を紹介します。これらを踏まえ、TQMの進化の方向を考察します。
講演1
残すに値する未来を考える(仮題)

LINEヤフー㈱ シニアストラテジスト
安宅 和人 氏
講演2
時流に迎合せず 時代に適合する
~東レの経営方針と実践事例~

日覺 昭廣 氏
【講演要旨】
東レグループは、「私たちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」と言う経営理念に基づき、社会の公器であると言う考えの下、長期視点での研究技術開発、人を基本とする経営、現場主義を徹底し、日本的経営の良さを強みとしてグローバルに事業を展開しています。
大きく変化する社会、事業環境の中で、DX活用による効率化の推進やサステナブルな社会の実現に貢献する取り組みを積極的に進めることで、今後も基本に忠実に、変化を捉えて社会課題の解決に貢献する素材の開発を進めて社会の発展に貢献してまいります。
これら取り組みと実践事例についてご紹介します。
講演3
三菱地所の目指すまちづくりにおける「エリマネDX」とは

井上 俊幸 氏
【講演要旨】
三菱地所が大手町・丸の内・有楽町エリアを中心に進めるまちづくりにおいては、ビルなどの建物のみにとどまらず、公共空間やインフラも含めた一体的な将来像の実現に取り組んでいます。一体的にまちを運営する「エリアマジメント」を高度化する手法として、都市OSというデータ基盤を構築して様々なサービスを提供する「エリマネDX」の活用を紹介します。
講演4
経営革新につながる働き方改革
~DXと働き方改革により、「旅館を憧れの職業」に~(仮題)

宮﨑 知子 氏
【講演要旨】
創業100年を超える老舗旅館の元湯陣屋。かつて10億円の負債と倒産の危機に直面したが、宮崎氏は夫と共に4代目女将として就任し、IT管理システムの開発や効率化により3倍の売上を達成。さらに週休3日制を導入し、驚きの働き方改革も実現した。当講演では、その取り組みとこれからの姿について語ります。