前回のシンポジウム

第117回品質管理シンポジウム

開催概要

テーマ
原点回帰!品質経営を改めて考える
~品質不祥事の防止と真の顧客価値創造、必要な組織能力~
日 時 2024年5月30日(木)~6月1日(土)
会場
  • 大磯プリンスホテル
    (神奈川県中郡大磯町国府本郷546 TEL:0463-61-1111)
  • ライブ配信
主 催 一般財団法人 日本科学技術連盟
後 援 一般社団法人 日本品質管理学会

プログラム

※講演者の組織名・役職は、講演当時の表記になっております

5月30(木)

時間 科目 講演者
19:00~20:10 <特別講演>
お客様への感動を追求する、「変化し続ける」寿司屋のチャレンジ
柏木 延浩 氏
菊水鮓西店 店主
20:10~20:30 <質疑応答>
20:30~22:00 グループ討論(1)、談話室

5月31(金)

時間 科目 講演者
8:30~8:40 主催者挨拶 佐々木 眞一 氏
(一財)日本科学技術連盟 理事長
8:40~9:25 <基調講演> <オリエンテーション>
原点回帰!品質経営を改めて考える
棟近 雅彦 氏
早稲田大学 理工学術院 教授
(117QCS主担当)
9:25~9:40 <質疑応答>
9:45~10:35 <講演1>
次の社会へ、信頼のこたえを
~ 川崎重工のグループビジョン2030とTQM活動
橋本 康彦 氏
川崎重工業㈱
代表取締役社長執行役員、最高経営責任者
10:35~10:50 <質疑応答>
10:50~11:00 休憩
11:00~11:50 <講演2>
企業倫理の観点からみた品質不正事案の背景と防止策:最近の日本製造業の不祥事から
梅津 光弘 氏
梅津総合研究所(株) 代表取締役
一橋大学大学院 経営管理研究科 講師
11:50~12:05 <質疑応答>
12:05~13:00 昼食休憩
13:00~13:50 <講演3>
UBEにおける経営意識改革推進 ~失敗を機会に~
泉原 雅人 氏
UBE㈱
代表取締役社長 社長執行役員 CEO
13:50~14:05 <質疑応答>
14:10~15:00 <講演4>
品質不正の防止に向けて
木目田 裕 氏
西村あさひ法律事務所・外国法共同事業
弁護士
15:00~15:15 <質疑応答>
15:15~15:35 休憩・移動
15:35~19:00 グループ討論(2)
19:00~20:00 夕食
20:00~21:30 談話室

6月1(土)

時間 科目 講演者
8:30~10:00 グループ討論報告
(10分×8班、予備10分)
司会:棟近 雅彦 氏
報告:各班リーダー
10:00~10:15 休憩
10:15~11:30 総合討論
11:30~11:50 第117回品質管理シンポジウム
まとめ
棟近 雅彦 氏
11:50~12:00 次回(118回)
品質管理シンポジウム案内
118QCS主担当組織委員
森 雅彦 氏
12:00~ 昼食・解散

特別講演

お客様への感動を追求する、「変化し続ける」寿司屋のチャレンジ

柏木 延浩 氏 菊水鮓西店 
店主
柏木 延浩 氏

【講演要旨】
兵庫県明石市の「菊水鮓西店」の店主をしています。開業して1年半で亡くなった父の後を継ぎ、早50年が経ちました。「常に変化し続ける」こと、そのために「研究し続けること」を意識してこれまでやってきました。寿司を提供してお代をいただくのではなく、幸せを提供しその満足に対してお代をいただくことを心掛け、日々店を訪れてくださるお客様との一期一会を大切にしています。
今回の講演では、お客様一人ひとりの期待を超えた感動を提供するための素材へのこだわりについて焦点を当てつつ、経営者として意識していることについてもお話させていただきます。

基調講演・オリエンテーション

原点回帰!品質経営を改めて考える

棟近 雅彦 氏 早稲田大学 
理工学術院 教授 
棟近 雅彦 氏

【講演要旨】
本講演では、今回のシンポジウムのオリエンテーションを行います。メインテーマとしては、品質不祥事の防止を取り上げました。品質立国日本を再生するためには、一度この問題をこの場できちんと議論しておく必要があると思います。日本企業は、顧客満足に関しては確固たる地位を築いてきたものの、これだけ品質不祥事を発生させているのは、品質の大切さをおろそかにした点があったことは否めません。再度原点に立ち返り、真に顧客満足を達成するために何をしなければならないか、真っ向から議論する、これが本シンポジウムでめざすことです。
議論に先立ち、品質不祥事を議論するにあたっての前提である「産業界に品質不祥事リスクは常に存在する」ことについてお話しします。次に、講演者と講演の趣旨についてご紹介します。また、グループディスカッションについては、8つのテーマを設定しましたので、そこでの論点について説明します。

講演1

次の社会へ、信頼のこたえを
~ 川崎重工のグループビジョン2030とTQM活動

橋本 康彦 氏 川崎重工業株式会社
代表取締役社長執行役員、最高経営責任者
橋本 康彦 氏

【講演要旨】
川崎重工業グループは120年以上にわたり、陸・海・空の幅広い事業分野で、時代の流れと共に変化し続ける社会に対して必要とされている製品・サービスを供給してきました。
今後、より多様化・深刻化する社会課題に対して、タイムリーに世の中が求めるソリューションを提供すべく、グループビジョン2030「つぎの社会へ、信頼のこたえを~Trustworthy Solutions for the Future~」を掲げ、今後注力するフィールド「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」を定めました。本講演では、当社グループビジョン2030の概要とその実現を支える重要基盤であるTQM活動について紹介いたします。

講演2

企業倫理の観点からみた品質不正事案の背景と防止策:最近の日本製造業の不祥事から

梅津 光弘 氏 梅津総合研究所株式会社 代表取締役
一橋大学大学院 経営管理研究科 講師
経営倫理実践研究センター 首席研究員
京都大学経営大学院 講師
慶應義塾大学 商学部 前教授
梅津 光弘 氏

【講演要旨】
私は1980年代のアメリカで当時興隆著しい分野であった企業倫理学(Business Ethics)を研究し、博士号を取得しました。
1992年に母校の慶應義塾に戻ってきて以来、この分野を理論と実践の両面から普及・啓蒙することに努めてきました。
当初は銀行、証券、保険などの金融業や電力、商社、マスコミ、不動産などサービス業での不祥事を扱うことが多かったのですが、ここ数年は製造業の不祥事が目立つようになってきました。品質の高さを誇ってきた日本の製造業に何が起こっているのか?製造業の品質不適合事案は単なる一産業分野の不祥事にとどまらず、日本のビジネス全体の信用を毀損する由々しい大問題です。企業倫理学の観点からその再発防止策の一端をお話しさせていただきます。

講演3

UBEにおける経営意識改革推進 ~失敗を機会に~

泉原 雅人 氏 UBE株式会社
代表取締役社長 社長執行役員 CEO
泉原 雅人 氏

【講演要旨】
UBEグループは、過去の品質検査に係る不適切事案を機会にグループ一体で品質保証活動を強化してきました。
これに加え、スペシャリティ事業を中核とする企業グループを目指して、顧客満足を軸にUBEの企業存在価値を最大化させる品質経営への取り組みをステップアップし、品質がUBEの強みとして認識されるようにスピードを上げて取り組んでいます。
本講演では弊社での具体的な取り組みを交えてお話しします。

講演4

品質不正の防止に向けて

木目田 裕 氏 西村あさひ法律事務所・外国法共同事業
弁護士
木目田 裕 氏

【講演要旨】
最近も、大きく報道される品質不正問題が相次いでいます。
私は、企業不祥事における危機管理を専門とする弁護士ですが、企業の品質不正問題に関し、調査委員会の委員等を務めたり、企業に対応を助言するなどして、事実関係の調査、原因究明、再発防止策の構築などに関わってまいりました。
そうした経験を踏まえて、品質不正問題に関し、事実関係等の調査を行う上での留意点や、品質不正を防止するためのガバナンスの在り方や体制作り等について、お話をさせて頂きます。