ブックタイトル品質管理シンポジウム第100回記念史
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品質管理シンポジウム第100回記念史
QCSへの参加によってTQC・TQMに傾倒していった東京理科大学名誉教授狩野紀昭QCSには相当に思い入れがあり、資料も大事にしてきた。今回、書庫を整理し、事務局を煩わし、過去の出席状況を調べた。第3回QCS(1966)に記録担当として招かれてから、途中の不明の5回を除いた91回の内74回に出席した。出席率は81%。この間に、記録担当、招待討論者、報告者、組織委員、顧問と全ての役割を経験させていただいた。QCSのスケジュールが、今日のように木曜日の夕方集合、土曜日の昼に解散に固まったのは20回前後のことで、日曜日の午前集合、火曜日の昼に解散ということで開催されていたこともあった。第12回QCSでは一つのテーマの報告時間は40分、討論時間は30分であった。今日も報告時間は変わっていないが、討論時間は10分と大幅に短縮されている。その代りグループ討論(GD)は、第12回が2時間だったのに対して、最近は、5時間に増えている。その上に、事前メイル交換で、自己紹介が行われ、リーダーから与えられる課題に対するレポートも提出されているので、実質的には3倍強の時間になっていて、参加者の満足感向上につながっていると言えよう。私は、記録担当を10回もやらせていただいた。記録担当の役割は、全体討議での各報告に対する30分間の質疑をまとめること(後日提出)と、翌朝の総合討議でリーダーが報告するGDの要点を模造紙数枚にまとめることであった。GDは夜9時過ぎに終わり、参加者は談話室に移動するが、リーダーと記録担当は残り、翌朝に向けての準備を開始する。終わるのは、早くても1時過、要領が悪いと3時過ぎになることもあった。当時は、その時間でも飲んでいる人がいたので、それにジョインした。石川先生と今泉益正(日本鋼管⇒武蔵工大)さん、それに光明春子(日科技連出版社)さんは、その常連であった。翌朝、リーダーが、私がまとめた模造紙を使って発表するが、時間不足で見切り発車のところもあるため、ひやひやして聞いていた。どのリーダーも寛容で、ナメクジが這っているような下手くそな字を朗々と読み上げ、説明してくださったのに救われた。記録担当のもうひとつの役割は、報告者の発表の後に続く30分間の討論をまとめることである。殴り書きのメモに基づき、論理的に通じるように書いては消しての連続で、事務局から読めませんという問い合わせを何回受けたことやら。記録担当を数回経験したところで、嫁さんが清書役を買ってくれるようになり、大変助かった。嫁さんの有難味を最初に感じたのはQCSの記録担当を通してであった(この部分、カミさんに内緒)。ベーシックコースで、水野先生、石川先生から、製造だけではなくて全部門でやるのだというTQCの話を聴いても、全く実感が持てなかった。しかし、第4回QCSで、当時、トヨタ自動車工業の購買管理部長をされていた根本正夫さん(後、豊田合成社長、日本品質管理学会会長)の話を聴いた時は、本当に感激した。当時、大学院生であった私は、購買管理と言うのは事務系職場と思っていたので、根本さんにもそういう先入観でお話を聴き始めたのだが、直ぐにこの人は技術屋だと分かった。それにしても何故、購買管理の部長が品質管理の話をと怪訝に思った。トヨタの購買担当重役のもとには、第1購買44品質管理シンポジウム第100回記念史(50周年)~新たな50年に向けて~