開催実績
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第5回会合
~創設から1年,経営トップが中間報告に向けて討論
「TQM」と「顧客価値創造」で両輪をなす「新たな品質経営のかたち」を模索中!~
1.第5回目の開催
直近の2018 年11 月29 日(会場:大磯プリンスホテル)に開催された第5回会合の模様を報告いたします。今回は、品質経営の一大イベント「品質管理シンポジウム」の開催と合わせた実施で、懇話会メンバーもシンポジウムに出席し、参加者との交流を深めている姿が見受けられました。また、今回から、経済産業省 井上 宏司製造産業局長が新たなにメンバーとして参画いただけることになり、挨拶がありました。(メンバー一覧はこちら)
2.活動が1年を経過し「中間報告」の内容を議論
過去4回の会合の議論は,坂根委員長の「これからの日本はビジネスモデルで先行し,現場の戦いに持ち込めば負けることはない」というメッセージを根底に据え行われています。これは,企業競争力の源泉である,戦略,マーケティングなどの「外部適応」と“ 現場力” に代表される組織能力,コア技術,人材などの「内部適応」の2軸の両立が必要であるとの考え方です。品質経営の推進もこの2軸の実現を目指し,深化させていくことの重要性も各委員から随所に発言されています(下図)。今回は,冒頭に,加藤雄一郎氏(職業能力開発大学校 客員教授)から,新たな品質経営の枠組みや事業構想,事業開発,ブランドマネジメント活動など,顧客価値創造の視点から示唆に富む講演が行われ,この内容も踏まえ中間報告案の審議を行いました。
メンバーから活発に出された多くの質問や意見は、顧客価値創造に対する関心の高さがうかがえるものでした。
3.今後の方向性「新たな品質経営のかたち」を議論
品質とは「モノの出来栄え」というだけではなく,「社会や顧客のニーズを満たす度合い」です。IoT,AI,ビッグデータなどの発展によって,企業を取り巻く環境が大きく変わっていく中,「大きな視野から未来のニーズを満たすために,その実現手段としてどのようなハードとソフトを組み合わせるべきか」という発想がこれからの時代に求められます。ハード・ソフトは価値を実現するための道具にすぎず,「価値」は,“ 顧客が道具を使いこなすことによって生まれる” ことを念頭に置き,新たな品質経営のかたち「顧客価値創造+組織能力向上の連携」について,さらに議論を深化させていく予定です。次年度は「トップおよびCQO の役割,育成」について議論を深め,本会の設立趣旨「経営トップの品質経営の意識向上」「品質担当役員の役割,重要性の認識と育成」の実現を目指すとともに,2019 年の初めには,記者発表の実施も視野に入れながら中間報告を各方面に発信し,各所からのご意見も拝聴していきたいと思います。
品質経営懇話会 中間報告骨子(案)
- 第1章:活動経緯
(1) 品質経営懇話会設立の背景,趣旨
(2) 運営委員・メンバー
(3) 1~4回検討内容要約 - 第2章:これからの品質経営に求められること
(1) 日本企業が直面する課題と展開
(2) 運営委員・メンバー企業における品質経営への取組事例
(3) エクセレントカンパニーとしての資質
(4) これからの品質経営のかたち
(5) トップの役割,育成
4.次回に向けて
今後,本会の設立趣旨である「経営トップの品質経営の意識向上」「品質担当役員の役割,重要性の認識と育成」を実現すべく,顧客価値創造の考え方,TQM(品質経営)と顧客価値創造について議論を深化していきたいと考えています。また、前記の通り、本会では品質経営(TQM)と顧客価値創造の両立に向けた新たな品質経営の形を議論していますが、その具現化を目的とした役員向け教育を2019年度に開設することがなり、その学長を務める坂根委員長から教育の紹介がありました。
詳細はこちら
次回(第5回)会合は5月30日に開催予定です。今後も本誌や専用Webサイトにて議論の内容など随時発信していきます。
創設後2年目を迎えた「品質経営懇話会」をますますご注目ください!
(報告・まとめ:品質経営研修センター 安隨 正巳)