開催実績
開催実績
第10回会合
~令和大磯宣言発行から1年が経過し、品質経営の目的である「企業存在価値を最大化」するために今何をすべきか、企業事例を交え集中討論~
1.第10回目の開催
師走の寒さ厳しくなる中、2020年12月3日(木) 大磯プリンスホテルにて、第10回目の会合がリアルとオンラインのハイブリッド形式で開催されました。昨年12月「品質管理シンポジウム」で発行された「令和大磯宣言」から1年が経ち、新メンバーも加えて今まで以上に活発な討論が行われました。
これも、各社トップの品質経営に対する問題意識、令和大磯宣言への関心事の高さの現れであると感じています。
冒頭に坂根委員長から、懇話会創設のいきさつ、これまでの検討内容、「企業存在価値の考え方」を含めての挨拶がありました。
第1次報告書はこちらから
その後、新たに就任予定の運営委員から自己紹介が行われました。
- 小笠原 浩氏 (株式会社安川電機 代表取締役社長)
毎回メンバー企業から事例発表が行われていますが、今回は「令和大磯宣言」の実践事例として、楽天株式会社 百野研太郎副社長から楽天で取組まれている「最先端テクノロジーを活用した顧客価値創造とパンデミック下での組織能力獲得・向上」について、ご紹介いただきました。主な内容は以下の通りです。
- 楽天の成長と品質向上活動の軌跡
- 環境変化:データ量の爆発的な伸び
- 楽天のデータ利活用・進化
- 楽天のAI/BIG Dataプロジェクトをリードする組織
- 顧客の行動データを使った先読み事例
- 顧客モデルに対する利用見込みサービスの提案事例
- 全社QCC活動
その後、メンバーからの多くの質疑が出され、時間不足で質問を打ち切らざるを得ないほど活発なものとなりました。
事例紹介の後、議長から以下のポイントが示され、これを受けて議論に入りました。
「環境変化によってお客様の求める価値は変わるのか、その価値観の変化に対するアプローチ方法、ビジネスモデルの構築をどう考えるのか?」
2.様々な意見と今後の議論の方向性
佐々木副委員長の進行のもと、メンバーからお客様の価値観や、社会が両立すべきSDGsを含め、どのような変化が生じており、その対応のため各社での取り組みに関して活発な意見交換がなされました。最後に坂根委員長から、「今回議論があったようにお客様の価値観は、凄まじい速さで進化している。世の中にはデータプラットフォームビジネスがいくつかあるが、その貴重なデータは多くの大企業が活用する。世の中では中間のサプライチェーンがいらなくなると思われる。今後、自動運転や料金決済においても、世の中はどう変化していくのか。日本の産業構造のような下請け構造は今後どのような影響を受けるのか。そのために、日本企業が今すべきことは何か、メンバーと一緒に考えていきたい。」旨の挨拶があり、第10回の会合を終了しました。
3.次回もより議論を具現化していきます!
“品質立国ニッポン”復活に向け、今後より一層「これからの品質経営」を推進するためにトップの視点で必要となることを議論して参ります。次年度も年3回開催を予定しております。
本会は、設立趣旨であるトップの関心事に「品質」が中核となっていくことを目指し引き続き取り組んで参ります。今後も、「品質経営懇話会」からの発信にご注目ください!
最後に、日科技連ではコロナ禍によりオンラインを中心とした新しい取組みもスタートしています。是非各社で積極的に活用いただければ幸いです。
(報告・まとめ:品質経営研修センター 糸柳 寿人)