坂根学長 JUSEエグゼクティブセミナーインタビュー
2019年5月20日
坂根学長、エグゼクティブセミナー開講前の想いを語っていただきました!
聞き手
:JUSE-エグゼクティブセミナーの学長として、創設した背景をお聞かせください。坂根
:日科技連が2017年10月に創設した「品質経営懇話会」での議論に端を発しています。私は、品質経営懇話会の委員長を務め、約1年半の間、様々な意見交換を行ってきましたが、そこで改めて感じたのは、“すべてはトップ次第”ということでした。そのための一助となる将来の経営者への教育の必要性を感じ、創設しました。
聞き手
:ここ数年、偽装、データ改ざんなど品質に関連する不祥事が頻発していますが、セミナーはそれに対応した内容なのでしょうか?坂根
:いいえ、違います。昨今問題になっている、いわゆる「狭義の品質」の部分での不祥事が、これまでは表出しなかったものが露呈されています。一方で、顧客価値創造の考え方、つまり「広義の品質」が重要となってきています。この観点で言えば、本セミナーは、「狭義の品質」を主に扱うものではありません。
聞き手
:だとすると、「広義の品質」を主に対象としているということでしょうか。坂根
:はい。そう理解していただいて結構です。先ほど言ったように、今、企業には、広義と、狭義の品質の両輪が求められています。しかし、残念ながら「広義の品質」で、利益を創出していないと、まさに「貧すれば鈍す」の状態となってしまい、どんなに綺麗ごとを言っても、余裕がなくなり狭義の品質もおろそかになってしまうのが現実でしょう。これまでの日本企業は、ビジネスモデルの変革が強く求められてはいませんでした。地道に愚直にやるべきことをやっていれば、利益を生み出していけましたが、これからは広い意味での経営レベルの品質で話をしないと、リターンを得ることは難しい時代になってきています。言い換えると、企業間での“優勝劣敗”が顕著になりつつあるといえます。
坂根
:品質経営懇話会は、広い意味でトップが「ビジネスモデルで先行する」という意識をもってもらうことからスタートしています。一方、エグゼクティブセミナーでは、企業経営をうまく進めるために、エグゼクティブを対象に、地道な狭義の品質もしっかりやる、という立場の人々も育成していきたい。ここで育成した方々が、自身が経営トップになったときには、狭義と広義の品質両輪で進めていくことが出来るようになると思います。経営トップと役員クラスの育成を両輪で進めて行きたいというのが、発足の趣旨です。