聞き手
:昨年は、エグゼクティブセミナーに参加いただき、ありがとうございました。 セミナー修了後、半年以上が経っていますが、改めてセミナー内容を振り返っていかがでしたでしょうか。阿部
:エグゼクティブセミナーを受講し、自分の思考回路が変わってきたと思います。まず、自然に真のお客様ファーストで物事を考えるようになりました。次に「顧客価値創造」や「共創」について、より強く意識して考えて仕事に取組むようになりました。聞き手
:それはすごいですね!具体的には、何がそうさせたと思われますか?阿部
:セミナーでは、「事業構想と組織開発」について、一年間を通しセットで学んでいくのですが、事業構想はまさに会社の方向性をお客様起点で描いていくもので、その考え方やポイントを8ヵ月という長期間で修得できたからかもしれません。聞き手
:セミナーを通じて、一番どのあたりが参考になりましたか?阿部
:まず、頭の中が整理されたのは、顧客ニーズには三層ある(Beニーズ、Doニーズ、Haveニーズ)という点です。次に「顧客Do」(顧客が実現したいこと)の考え方は大変参考になりました。今までは、基本的に「自社Do」(自社ができること)起点のHaveニーズ(製品・サービス)ありきで考えていたこと、「顧客Do=自社Be」の姿が必要であることを思い知らされました。聞き手
:まさに思考回路の転換ですね。阿部
:はい。その通りです。 当社は、まだコトづくりに繋ぐ為の移行段階ではありますが、モノを起点に「コトづくり」を考える上で、学ばせて頂いた考え方は重要で本当に参考になりました。聞き手
:では、セミナーで修得されたことが、かなり活かされているようですね。阿部
:長い歴史をもつ「ものづくり企業」では正直難しい部分もありますが、お客様への企画提案という形の中では、徐々にですが、構想・発信が出来るようになっていると思います。また、必要性を新規事業担当役員とも共有しており、現在、社内への勉強会実施等を検討しています。聞き手
:なるほど。社内でのコトづくりやソリューションの考え方の輪を広げていくと。阿部
:これまでは、お客様である企業に対し、自社の製品やサービスで、その課題を解決することだけを考えていました。 そこから今は社会課題に向けたソリューション提案という姿ですが、今後は更に社会課題への解決に向けて、業界が一丸となって取組む必要性が高くなると考えており「共創」の重要性を改めて感じているところです。聞き手
:貴社・小野社長のセミナー受講後の評価はいかがですか?阿部
:社長の小野からも評価していただいています。今回の私の受講は、社長の人財育成面の期待を込められたもので「お客様要求品質第一」を経営の中心に据え舵取りをされている社長にとり、CQOとして品質を担当する私の見識を上げることが「経営理念」の更なる実践と浸透に必要だと期待頂き送り出して頂いていたのです。 今は、学んだ内容やセミナー中「自社研究」で取組んだテーマを社内で具現化していこうとしています。自社研究での事業構想を私自身の言葉を通して、考え方や進め方を関係者とシェアしながら構想実現に向けて探求しているところですので成果はこれから創出しなければなりません。聞き手
:第1期に参加された、他社からの参加者との交流はいかがでしょうか。阿部
:セミナー期間中はもちろんですが、修了後も交流は続いています。なんといっても、同じ問題意識・課題を抱えた役員同士が「仲間」として繋がりを持てることが貴重だと思います。近く何名かで参加企業同士での工場見学と交流を行う予定です。聞き手
:今後、本セミナーへの参加を検討される方へのメッセージを是非お願いします。阿部
:本セミナーは、考えを柔軟にさせてくれます。同じ悩みや問題を抱えている同じく役員という立場の方々が参加されていますが、グループ研究で他社のテーマを客観的に俯瞰して検討していくことで、課題や自社研究を通して自らの仕事に置き換え整理することができ、すぐに実践していくことができます。 また、実践の意味に於いて本セミナーの両輪である「組織開発」で学ばせて頂いたことも実行フェーズでの重要なポイントだと思いますので、理解と実践に適したプログラムだということを体感しています。聞き手
:コトづくりへの社内展開は、品質保証担当役員が進めていくのは管掌範囲や責任と権限の関係もあり難しい、ということを聞くことがありますが、そのあたりはいかがでしょうか。阿部
:私は、社内でCQOという立場ですが、製品品質だけではなく、あらゆる面の品質の向上がミッションです。自社が「品質」を広義に捉えているか否かの問題ともいえますが、品質とは「社会および顧客のニーズを満たす度合い」と考え、モノの出来栄えという狭義の考え方から脱却すれば、品質保証起点での顧客価値創造の必要性が理解できます。このエグゼクティブセミナーを通じて、品質への考え方を学ばれれば、この点が理解・体験でき新しい景色が見えてくると思います。聞き手
:本日は、お忙しいところ貴重な話をお聞かせいただきありがとうございました。 今後のご活躍と貴社の益々の発展をお祈りいたします。
(聞き手:日本科学技術連盟 品質経営推進センター 部長 安隨 正巳)