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本会議2日目
講演テーマ・講演者紹介

特別講演2

ソフトウェア開発における生成AI活用の現在地と品質面での考慮点

登壇者

服部 佑樹 氏
ギットハブ・ジャパン合同会社
Senior Customer Success Architect
服部 佑樹 氏 このセッションでは、GitHub Copilotを具体例として取り上げ、生成AIをソフトウェア開発でどのように活用できるかを掘り下げます。実際の現場で遭遇する課題や実用的なギャップに注目し、企業環境での具体的な使用例や直面する課題や品質面での考慮点について探求します。さらに、プロンプトエンジニアリングとAIの出力品質にも焦点を当て、エンジニアがこれらの技術をいかに効果的に活用するかについての戦略に関してもお話します。

業務上の経験や研究を主とした経歴

GitHubのシニアアーキテクトとしてエンタープライズ向けの技術的な支援を提供、GitHub Copilotの日本国内での普及を牽引。
オープンソース文化及びプラクティスの企業内導入を進め、組織のサイロ解消に向けて「インナーソース」の普及に尽力。InnerSource Commons財団 (501(c)(3)) の理事をつとめ、インナーソースの世界的な発展に貢献している。
前職のマイクロソフトでは、製造業を中心にAzureのアーキテクトとして、ミッションクリティカルなサービス構築の支援を行い、アプリケーション開発におけるクラウド利用とDevOpsの推進に従事した。

研究論文や著書

DevOps Unleashed with Git and GitHub(英Packt Publishing社)

一般発表

A3-1 経験発表

8種類の対応デバイスを持つUnity製SaaSのUnityバージョンをアップデートしたときに行った回帰テストの自動化手法

登壇者

井之上 心也 氏
株式会社STYLY
井之上 心也 氏 8種類の対応デバイスを持つUnity製プラットフォームにおいて、Unity 2019 LTSバージョンから2022 LTSバージョンへのアップデートを行う際の課題と解決策を紹介します。
限られた人員(EM1名、Unityエンジニア3名、QA1名)で、ユーザーの過去作品や進行中の受託案件への影響を最小限に抑えつつ、効率的にアップデートを実施する必要がありました。
この課題に対し、二つの自動テスト手法を導入しました。一つ目は、モバイルアプリのGUI自動リグレッションテストです。Airtest+pocoフレームワークを使用し、GitHubActionsで実行可能なPythonベースのテストランナーを自作しました。Android、iOS両対応で、PRベースで動作します。
二つ目は、モバイルアプリとWebアプリでのAR/VR作品自動再生テストです。過去作品の後方互換性を確認するため、既存のユーザー作品を自動再生し、アプリのクラッシュやUnity由来のエラーログを検出します。モバイルアプリではAirtest+pocoを、WebアプリではSeleniumを使用しています。
これらの自動テスト導入により、テストの効率化と品質保証を両立し、当初2年以上と見積もられていたプロジェクトを1年半で完了することができました。
A3-2 経験発表

REST APIに関するE2Eテストの分類と、それらの自動テストの適用範囲について

登壇者

藏内 亮 氏
株式会社STYLY
藏内 亮 氏 昨今、多種多様なプログラミング言語によりREST APIが実装され、それぞれについて自動テスト、およびE2Eテストが行われている。それらのE2Eテストについては、各種フレームワークにより用意されるドキュメントにより、その手段が提供されている。しかし、複数のフレームワークを俯瞰したとき、各フレームワークで提供されるE2Eテストの手法が異なり、それらの自動テスト可能である範囲が異なることを発見した。そして、それらのテストは、split E2E Test、monolithic E2E Test、simulated E2E Testの3種に分類することができた。
 本発表では、REST APIにおけるE2Eテストの手法の分類を試みた。そして、それらの分類において、自動テスト可能な範囲、自動テスト不能な範囲を具体的なフレームワーク名を明示し、REST API実装時のフレームワーク選定、およびテストに関するアーキテクチャ選定の指針を示す。
A3-3 経験発表

Keyword-Driven-Testフレームワークによる自動システムテストの実現

登壇者

江良 徹 氏
株式会社エビデント
江良 徹 氏 弊社では、効率化の視点からソフトウェアの手動テストを自動テストへ切り替えるよう推進している。ただ自動テストを実現するには、自動テストエンジニアリングから製品知識まで幅広い能力が求められ、現状のテスター中心の体制では実現が難しい状況であった。そこで、Keyword-Driven-Testフレームワーク(以降、KDT)を開発することで、自動テストエンジニアリング部分と製品知識部分を分割し、効率的に役割分担することにした。
まず自動テストエンジニアがエンジニアリング部分をKDTとして開発した。それを受けテスターは製品知識を生かしルールに従ったExcelのテスト仕様書を作成すれば、KDTを通じて自動テストスクリプトに変換できるようにした。また自動テストを実施して失敗した際のデバッグの場合は自動テストエンジニアの役割とした。
このようにKDTを介したスキル毎の役割分担を行うことで、効果的に自動テストを推進する体制を構築することができた。またKDTとその体制が確立したことで、他製品開発への展開も容易にできるようになった。
今回は、KDTの具体的な導入事例とその効果について発表する。
※本発表は、2022年発表「組織的にシステムテスト自動化を推進する体制の構築」を進めた中で出た課題のアップデートになる。
A3-4 経験発表

自動テストのプラクティスを効果的に学ぶためのカードゲーム

登壇者

山口 鉄平 氏
日科技連アジャイルSQC研究部会

共著

菅原 直人 氏日科技連アジャイルSQC研究部会
山口 鉄平 氏 自動テストの実施や効果的におこなうためのプラクティスは、関西検証コレクションによる「テスト自動化パターン言語プロジェクト」やSeretta Gamba, Dorothy Grahamによる「Test Automation Patterns」などにより、数多く示されています。しかし、自動テストにおける課題に対して、これらのプラクティスを知らず、自動テストの失敗や悩む人が存在します。
そこで、私たちは自動テストのプラクティスを効果的に学ぶためのカードゲームを開発しました。このゲームは、自動テストのプラクティスと自動テストにまつわる様々な課題をカードの形にし、得点の付けられた課題カードをプラクティスカードで解決して得点を稼ぐものです。自動テストのプラクティスを詳しく知るとともに、自動テストの課題に対してどのようなプラクティスが適用できるのかをゲームで競い合うことを通じ学べることを目的としています。
本発表では、開発したカードゲームと試行結果について説明し、ゲームの中で利用している独自に整理をしている自動テストのプラクティスについて説明します。
A3-5 経験論文

ソフトウェアテスト自動化成熟度アセスメント手法による現状分析の実現

登壇者

加藤 大受 氏
日本ナレッジ株式会社

共著

茂木 彩音 氏日本ナレッジ株式会社
加藤 大受 氏 アジャイルでの製品・サービスの開発やDevOpsを活用したクラウド開発が浸透し、ビジネスのスピードに追随し、品質に優れた開発を進めるためにテスト自動化は必須となっています。プロジェクトチームとしても開発生産性や効率性を向上は常に追い続けるテーマであるだけでなく、品質保証の視点からも自動テストの結果のクライテリアとしての活用は検討すべきテーマです。
多くの組織がテスト自動化に取り込んでいますが、テスト自動化の効果を上げていくために必要なアセスメント手法は確立していないため、自分たちの立ち位置を判断し、次の改善を明確に見出すことは難しいです。そこで、組織のプロジェクトマネジメント力を評価する指標であるCMMIや組織のセキュリティ能力成熟度のCMMC、プロセスアセスメントの国際規格であるISO 33000シリーズを参考にテスト自動化の成熟度モデルの開発と要求事項を洗い出し、テスト自動化の成熟度アセスメントを整備しました。
アセスメント結果により、組織は自動化の効果を高めていくために必要な項目を理解するだけでなく、開発プロセスでのテスト自動化の定着化を目指すことが可能となります。
本セッションでは開発したテスト成熟度アセスメントの概要、実施方法、実施結果を紹介するとともに、アセスメント手法の効果を解説します。
A4-1 経験論文

生成AIを活用したテストパターンマトリックスを用いたテスト観点漏れ低減の提案

登壇者

田口 真義 氏
リコーITソリューションズ株式会社

共著

飯沼 真一 氏株式会社AGEST
田口 真義 氏 近年のソフトウェアテストでは、高品質かつ短納期のテストが求められている。この要求を実現するためには、テストベース記載の内容に加え、テストベース外の観点もテストをすることが重要である。このテストベース外の観点の多くはベテランのドメイン知識やテストの経験をもとに暗黙知として活用されており、経験の浅いテスト担当者は活用が難しい状況となっている。

そこで、本研究ではベテランの暗黙知となっている情報を形式知化させ、テスト経験の浅いテスト担当者へ活用することを試みた。具体的には、実際のテスト活動結果からベテランの暗黙知を使って検出し たバグ情報を抽出して特定の条件で成型し、テストパターンとして表現する方法を確立した。そして、作成したテストパターンを生成AI(ChatGPT)を用いて効率的かつ体系的に分類し、マトリックスとして表現することにより、ベテランのテストエンジニアが持つ暗黙知を形式知化することを可能とした。このマトリックスをテストパターンマトリックスと名付けた。さらに、このテストパターンマトリックスを用いたテスト活動を、経験の浅いテスト担当者向けにバルタンメソッドとして手法化して適用した。

また、バルタンメソッドの有効性を検証するための実験を行った結果、メソッド適用により、経験の浅いテスト担当者であってもベテラン同様のテスト観点数の抽出を行うことが可能となり、本手法の有効性が確認できた。
A4-2 経験論文

生成AIを活用した探索的テストの学習基盤の構築

登壇者

飯沼 真一 氏
株式会社AGEST
飯沼 真一 氏 近年、アジャイル開発の浸透やシステムの大規模化/複雑化/短納期化が進み、探索的テストにより、短期間で欠陥を検出することの重要性が増している。しかしながら、探索的テストは豊富なドメイン知識と経験を持つベテランが担っており、ベテランの数が非常に少ないのが現状である。なぜなら、これまでのテストはテストケースベースドテストが主に採用されており、探索的テストのニーズが少なく、やり方もベテランの暗黙知となっているため、探索的テストを担える技術者の養成が難しいからである。

技術者を養成するためには、ベテランのやり方を真似ることが重要である。そこで、筆者の探索的テストの実施経験からエッセンスを抽出して整理を行い、国際規格「ISO/IEC/IEEE 24774:プロセス記述のための仕様」を参考にテストプロセスとして形式知化し、学習基盤を構築した。具体的には、生成AIからテストチャーターを生成する方法を示すことで、探索的テストを実施するハードルを下げた。さらに、探索の道しるべとなるマトリックスの作成手順を形式知化した。

また、構築した学習基盤の有効性を検証するために、社内有志を集めて実験を行った。実験は学習基盤の有無で2つのグループに分けて行い、その結果、学習基盤有のグループは1時間あたりの欠陥検出数が平均で約20%多かった。学習基盤の内容と生成AIから生成したテストチャーターの効果などの実験結果を説明する。
B3-1 経験発表

匠Methodによる社内ビジネス立ち上げ事例報告

登壇者

安樂 啓之 氏
インフォテック株式会社

共著

富山 幹之 氏インフォテック株式会社
橘 大輔 氏インフォテック株式会社
西村 清翔 氏インフォテック株式会社
大蔵 海斗 氏インフォテック株式会社
安樂 啓之 氏 当社における社内ビジネスの立ち上げについて匠Methodを用いて検討を行った事例の報告を行う。
匠Methodは、ビジネスデザインを行うための企画手法であり、様々なプロジェクトの「価値」をデザインすることから始めて、活動計画まで短期間で作り上げるための手法である。
我々は、ビジネス企画を行う上での要求を開発する中で、モデルを検証しながら、ステークホルダーに対して狙い通りの価値の実現ができるよう、内容を洗練化した。
しかしながら、匠Methodを使ってビジネスの企画を行い、活動を具体化していく中でその内容に問題があることが分かった。検討した結果、以下に原因があることが分かった。
  1. ① ステークホルダーの洗い出しが不十分
  2. ② 活動の開発が十分に開発できていない
  3. ③ 測定の指標が十分に開発できていない
これに対し、我々は具体的なタスクやKPIなどを洗い出したのちに、狙い通りの価値を実現できるかを検証する工夫を行い、上記①~③のいずれかに該当する場合は必要な追加検討を行い、問題の解決を図った。
本発表では、こうした取り組み内容とその成果について発表する。
B3-2 経験発表

ユースケース記述と要求仕様書を用いた設計手法の教育

登壇者

北村 至 氏
株式会社イシダ
北村 至 氏 デジタルトランスフォーメーションが加速する中で、ソフトウェア開発においては、ユーザー要求から適切な仕様を設計するスキルの重要性がますます高まっています。当社でも、設計品質を向上させるべく、先輩・ベテラン社員による仕様書レビューを実施していますが、作成者が都度指摘を受けて修正している状況であり、作成者自らが正しい仕様を導き出して仕様書に示すための体系的な設計手法の習得が課題でした。

本発表では、ユースケース記述と要求仕様書を組み合わせた設計手法を提案し、その設計手法を用いた新人教育の取り組みについて紹介します。提案手法では、まずユースケース記述を用いてユーザー要求とシステム要件を明確化した上で、要求仕様書を用いて具体的な仕様を導出します。これにより、ユーザー要求からシステム要件、さらに仕様への一貫した導出プロセスを体験・理解させることができ、体系的な設計手法として習得させることが可能となりました。

提案した設計手法はシンプルであり、新入社員であっても問題なく理解できるものとなっています。今後、企業だけでなく学校も含め、ソフトウェア設計に携わる方々の教育に広く活用できるのではと考えております。
B3-3 経験発表

観点活用レビューワークでわかったこと

~一意な観点設定から観点設計への壁

登壇者

安達 賢二 氏
株式会社HBA
安達 賢二 氏 十数年にわたり自身がかかわるソフトウェア関連業務やソフトウェア品質関連イベントでのセッション、コミュニティ活動などを通じて「レビューの現状や問題点」を収集した結果、特にレビューで成果が出ていない組織、チームの負の要因や傾向が把握できた。
その特徴からこの状態を「(1)アドホックレビュー」と呼ぶ。
この傾向を打開するための方法を探るため下記の3つのワークを構築し、さまざまな対象者が実践した結果を分析、考察した。
  1. 【(1)アドホックレビュー】
    その場で対象成果物を渡して一斉にレビューを実施してもらう。
  2. 【(2)観点設定レビュー】
    レビューアが集まって確認する必要がある主要な観点を個別に(安全性、使いやすさ、のように)設定し、それぞれが観点を分担してレビューを実施する。
  3. 【(3)観点設計レビュー】
    (2)の「観点設定部分」を”本来多段階の階層構造を持つレビュー観点を系統的に導出する=観点設計”に変えて実施する。(その他は(2)と同じ)
(1)(2)(3)の結果を全指摘事項のうち効果大、中、小の指摘事項が占める割合の変化や、(2)(3)実践過程、観点と指摘内容、参加者から取得したコメントなどから分析した結果、以下の結論となった。
  • (1)から(2)への転換は比較的容易である。
     効果大、効果中の比率が20ポイントほど高まった。
  • (2)から(3)の間には、超えるのが容易ではない壁が存在している。
当発表では、これらの結果を共有し、今後の活用方法等を議論したい。
B3-4 経験論文

ソフトウェアレビューにおける生成AI活用の研究

~ChatGPTが欠陥検出と指摘伝達をアシスト~

登壇者

北里 竜 氏
ブライシス株式会社

共著者

片桐 汐駿 氏アズビル株式会社
馬場 大輔 氏株式会社オージス総研
星野 智彦 氏株式会社アイシン
北里 竜 氏 ソフトウェア開発の現場では、手戻り防止や品質向上のためにレビューが重要なプロセスとされています。しかし、レビューアが本来検出すべき欠陥を見逃すことや、欠陥を指摘しても作成者がそれを受け入れず、指摘が反映されないことが少なくありません。これは、レビューが属人性の高いプロセスであり、「レビューのスキル依存」の問題が常に存在するためです。熟練したレビューアが少ない場合、特にその問題が顕著になります。そこで我々は、最近注目を浴びている生成AIを活用することで、この問題を解決する可能性を探ることにしました。具体的には、ChatGPTを代表とする大規模言語モデル(LLM)の強みを活かし、レビューアをアシストすることを目指しています。生成AIは多様な視点からの指摘を提供し、欠陥の見逃しを減少させ、さらにレビューの質を均一化することが期待されます。このアプローチにより、レビューの品質向上と手戻りの削減を図り、ソフトウェア開発全体の効率を向上させることができるでしょう。
B3-5 経験論文

車載向けハードリアルタイムシステムにおける性能品質保証

登壇者

鈴木 貴広 氏
(株)デンソー

共著者

名越 朱梨 氏株式会社デンソー
鈴木 雅彦 氏株式会社デンソー
桑原 敦 氏株式会社デンソー
松尾谷 徹 氏有限会社デバッグ工学研究所
鈴木 貴広 氏 ■背景
車載向け組込みソフトウェアでは、高度な信頼性をハードリアルタイム特性で提供する必要がある。エンジンECU(Electronic Control Unit)などの車載製品では、複数の周期内で複数のタスクが動作し、トルク制御や排ガス制御などの複雑な処理が実装されている。性能品質保証とは、このハードリアルタイム特性を製品が動作する様々な環境で保証するための技術や活動を指す。現在の課題は、機能追加などの派生開発における性能品質保証活動と納期のバランスを取ることである。我々の目指す性能品質保証技術は、開発時の特性データと派生開発時の計測データを比較、性能品質を合理的に評価できる方式の構築である。

■対策と成果
我々は周期タスクの確実性に対する「ばらつき」を、周期タスクの発行から実行までの遅延時間(ジッター時間)のばらつきと、周期タスクの処理時間のばらつきに分け、動作環境の変化による確率分布の変化としてモデル化した。この方式を実現するためには、マイクロ秒単位のジッター時間を計測できる環境と、複数の周期タスクの観測値が混合した時系列の観測値から周期を抽出する技術が必要である。今回はエンジンECUを事例としたジッター時間の計測と解析について報告する。これらの計測と分析から、派生開発における性能品質保証技術の実現性を確認した。
B4-1 経験発表

ITシステム保守等価格の可視化と現実的な保守等価格の低減方法

登壇者

宮田 晃 氏
ITシステム可視化協議会
宮田 晃 氏ITシステムの保守等(ランニング)費用の、現実的な低減方法の特定を行ったもの。ITシステムを利用するユーザ企業は、攻めのIT投資(戦略的投資)を行いたいが、守りのIT投資(保守等費用)の割合が大きくまた増加傾向にあることから、保守等費用を低減したい。しかしながら昨今ITエンジニアの人件費の上昇が著しく、ベンダの利益率を原資にした値引き交渉はもはや妥結困難であり、むしろITシステムベンダ側から値上げ交渉すら受けることも珍しくない課題がある。そこで本研究では、現実的な保守等費用の低減方法を特定することで、本課題の解決を目指した。
B4-2 経験発表

ITサービスマネジメントツールを安価で短期に内製で作ってみた

登壇者

石島 克彦 氏
オリックス生命保険(株)
石島 克彦 氏 低コストで短期間にツールを導入し、ITサービスマネジメントの運用を効率化することで、手動のファイル管理からの脱却を図る取り組みを紹介します。ノーコードクラウドサービスを活用したツールの内製化により、数千万円から数億円という高額なツール導入費用と運用負荷の増大という課題を克服し、変更管理、問題管理、構成管理をシームレスに連携させることに成功しました。

この経験発表では、以下のような事例を交えて、実際の構築方法や工夫点、実施結果について詳しく掘り下げます。
  • 外注開発を最小限に抑え、社内ノウハウを活用した短期間教育
  • 専用プラグインの導入によるノーコードでの集計や入力補助機能の実現
  • ITSMの現行運用に沿ったツール設計
  • 事務局の管理作業負荷を抑制するためのスクリプト部品や関連サービスの導入
これらの工夫により、ツールの導入費用を数百万円に抑えつつ、運用変更に伴う負荷増加なしに、システム変更案件の確認作業負荷を軽減し、障害問題分析作業や変更管理審議の効率化を実現しました。そして、ITSM管理をExcel手動管理運用から効率的なツール管理へと進化させました。 ITサービスマネジメントやIT運用の効率化を目指す方々にとって有益な内容となっています。

招待講演

A5-1 招待講演 SQiP2023 SQiP Best Paper Effective Award

システム可用性を考慮したハザード対策検討手法の提案

登壇者

髙附 翔馬 氏
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構
髙附 翔馬 氏宇宙機のような機会損失が大きな局面があるシステムにおけるハザード対策の検討では、安全を確保しつつ可能な限り可用性を高める設計にすることが重要である。
FTAやSTAMP/STPAといった従来の安全解析手法は原因探索を目的とした手法のため、システム故障の要因となる機器の冗長化以外で、可用性を高める検討が難しい。また階層的な制御構造を有するシステムの場合、故障を検知した階層だけでなくその上下階層で行える対策を考慮することで、可用性の向上が期待できる。
そこで、システム階層性を考慮し可用性を高めるハザード対策を検討する手法を構築し、実際のシステムへ適用した。本発表ではその内容を紹介する。

業務上の経験や研究を主とした経歴

2015年 三菱スペース・ソフトウエア株式会社(現、三菱電機ソフトウエア株式会社)にて、医療系情報システムの開発やAIを使用した衛星画像処理に関する研究業務などに従事。
2021年 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)にて、ソフトウェアエンジニアリングの研究(※)に従事。
※モデルベースシステムエンジニアリング(MBSE)などのシステムを効率的に開発する技術やテスト技法などソフトウェアの品質向上に関する研究

研究論文や著書

[1] 髙附翔馬, 梅田浩貴, 植田泰士, 片平真史, 森崎修司, "STAMP/STPAとシーケンス図を用いたコントローラ間の相互作用があるシステムにおける安全設計手法の提案", ソフトウェア品質シンポジウム2022.
[2] 髙附翔馬, 梅田浩貴, 植田泰士, 片平真史, 森崎修司, "STAMP/STPAとイベントシーケンス図を用いた複数コントローラが協調するシステムにおけるハザード対策の検討支援手法の提案", ソフトウェア品質シンポジウム2023.
[3] Takatsuki, S., Umeda, H., Kobayashi, T., Sasaki, T., Ueda, Y., Katahira, M. andMorisaki, S., “Hazard Scenarios Analysis Method Using STAMP/STPA and SequenceDiagrams in A Collision Avoidance System with Multiple Controllers”, 12th IAASSConference, 2023.
A5-2 招待講演 SQiP2023 SQiP Best Paper Future Award

ソフトウェア設計への生成AI活用に向けた適用実験とパターンランゲージの開発

登壇者

伊藤 弘毅 氏
三菱電機株式会社
伊藤 弘毅 氏生成AIは、コード生成やGitHub Copilotによるコーディング支援など、ソフトウェア開発の効率を大きく向上させている。一方、ソフトウェア品質を確保するためには、設計段階から品質を作りこんで実装することが重要であるため、ソフトウェア設計に対する生成AI活用もまた重要な観点である。
本発表では、生成AIをソフトウェア設計に活用する試みの一環として、デザインパターンを設計書に適用した実験結果と、実験から得られた生成AI活用のノウハウを形式的に整理した「パターンランゲージ」を紹介する。本パターンランゲージにより、より多くの開発者が設計業務において生成AIを効果的に活用できるようになることを狙う。

業務上の経験や研究を主とした経歴

ソフトウェア開発の開発効率化を目的とした技術開発と開発現場への適用支援に従事。主にシステム/ソフトウェアの設計改善やモデルベース開発の導入支援に携わる。最近は、顧客への価値提供をより加速するため、生成AIを活用したシステム/ソフトウェア設計手法の検討を行っている。

研究論文や著書

パターンランゲージ

  • 初学者のMATLAB/Simulinkの知識習得を促進するパターンランゲージの提案(SQiPシンポジウム2022)
  • Pattern Language for the Modeling Practices of MATLAB/Simulink(PLoP2023)

システム/ソフトウェア設計

  • ワークフローモデルの構築によるAI推論フローの処理割当て手法の提案(SQiPシンポジウム2023)

その他(学位、表彰、学会活動、その他特記事項)

表彰

  • SQiPシンポジウム2023 SQiP Best Paper Future Award
  • SQiP研究会2023 最優秀賞

社外活動

  • SQiP研究会参加(2022~2024)
B5-1 招待講演 SQiP2023 SQiP Best Paper Future Award

ロングテイルな分布の入力を扱う機械学習システムに対するテスト設計手法の提案

登壇者

松尾 正裕 氏
パナソニックITS株式会社

共著者

後藤 優斗 氏
アクセンチュア株式会社
松尾 正裕 氏本発表では、機械学習のデータセットによくみられる、大量のレアケースを含むロングテイルな分布において、機械学習の外部品質特性であるAIパフォーマンスとリスク回避性を両立した品質評価手法について提案する。機械学習システムにおいて、複数の品質特性が挙げられるが、これらは必ずしも両立するものではなく、時には相反する特性となることもある。AI-OCRを題材とし、文字の使用頻度に着目してこれら2つの品質特性のバランスを考慮して評価する方法と、その有効性について報告する。

業務上の経験や研究を主とした経歴

2016年4月 入社。IVIアプリフレームワーク開発に従事。
2019年4月 現在部署に異動。ソフトウェア品質改善に向けた技術開発やデータ分析に従事。その一環としてSQiP研究会(研究コース5 人工知能とソフトウェア品質)に2年間参加。

研究論文や著書

  • SQiPシンポジウム 状態遷移モデルの一部が明示されていない場合における自動テスト生成手法 , 2021
  • SQiPシンポジウム ロングテイルな分布の入力を扱う機械学習システムに対するテスト設計手法の提案, 2022
B5-2 招待講演 SQiP2023 SQiP Best Report Future Award

利用時の品質モデルを活用した品質保証プロセスの提案と実践

登壇者

石松 遼子 氏
富士通株式会社
石松 遼子 氏 近年はデジタル技術の急速な進化により、人々の体験や感覚にまでフォーカスした製品やサービスの提供が求められている。これを実現するために、SQuaREで定義されている利用時の品質モデルを活用した品質保証プロセスを考案した。
本プロセスは、利用者のニーズを起点に具体的な試験項目を抽出し、その評価結果を製品企画にフィードバックすることで、継続的に品質向上を図ることを特徴としている。
今回の発表では、本プロセスを通信キャリア向けシステム開発で実践した結果と今後の展望について紹介する。

業務上の経験や研究を主とした経歴

2022年より基地局装置開発の製品企画業務に従事。現在は製品企画業務の経験を活かし、利用者視点での品質向上を目指した品質保証業務のプロセス改善活動を遂行中。
C5-1 招待講演 SQiP2023 SQiP Best Presentation Award

MDAツールによるソフトウェア品質保証

登壇者

平井 宣 氏
株式会社IHIエスキューブ
平井 宣 氏DXによるIT投資が加速する一方で、システム障害が社会に与える影響も大きくなってきた。開発ドキュメントの整備とリスクコントロールの両立が課題と言える。本発表は、SQiP 2023で発表したもので、大胆な発想で開発ドキュメントを減らして品質を確保するという新しい取組みを紹介したものである。設計情報の構造に着目し「設計メタモデル」を立案し、さらにその設計情報とその他のドキュメントをSBOM(Software BOM)として管理できるツール「MDAツール」を紹介する。IT/STやUAT(ユーザー受入テスト)、運用保守で、ドキュメントが足りなくて困らないのかという点も、この「設計メタモデル」の考え方や「MDAツール」の紹介を通し、実務の参考にしていただきたい。

業務上の経験や研究を主とした経歴

国内、海外の流通、製造業の大規模システム開発のプロジェクトマネジメントとオブジェクト指向やJavaEEの黎明期において、様々な業界の基幹システムで開発技術の実践を繰り返した。
また、クラウドやビッグデータなど、ネットビジネス成長期において、ITによる事業変革を牽引し、システム企画、構想プロジェクトに参画。その後、PMOやQAを経てリスクマネジメント領域に従事。
現在若手PMの育成など現職に至る。

研究論文や著書

  • SQiP研究会 AIスケジューラのAI品質評価,2022
  • SE研究発表会-情報処理学会 設計情報の3D化によるリスクマネジメント手法の提案, 2023

その他(学位、表彰、学会活動、その他特記事項)

情報処理学会, 2023

SQiP特別セッション

C3-1 講演

中堅・中小企業のDX を推進するためのデジタルイノベーションマネジメント

登壇者

内平 直志 氏
北陸先端科学技術大学院大学
トランスフォーマティブ知識経営研究領域 教授
内平 直志 氏 IoTやAIや各種クラウドサービスなどの最先端のデジタル技術を誰でも活用できる時代になり、大企業だけでなく中堅・中小企業でもデジタルイノベーションやデジタルトランスフォーメーションのチャンスが広がっている。一方、それを実現するためには様々な困難も存在する。本講演では、困難を乗り越えチャンスを活かすためのデジタルイノベーションマネジメントのポイントを、経産省の「DXセレクション」に選ばれた企業や石川県の中堅・中小企業の事例を交えて紹介する。

業務上の経験や研究を主とした経歴

1982年東京芝浦電気株式会社入社、総合研究所配属。(株)東芝 研究開発センター システム技術ラボラトリー室長、研究開発センター次長、技監等を経て、2013年から北陸先端科学技術大学院大学 教授。専門はソフトウェア工学、サービス科学、イノベーションマネジメント。

研究論文や著書

著書に「戦略的IoTマネジメント」(ミネルバ書房) 、「AIプロジェクトマネージャのための機械学習工学」(科学情報出版)など。日本経済新聞「やさしい経済学」連載(2019年5月~6月)。

その他(学位、表彰、学会活動、その他特記事項)

1997年東京工業大学で博士(工学)、2010年北陸先端科学技術大学院大学で博士(知識科学)取得。日本MOT学会理事、研究・イノベーション学会理事。
C3-2 講演

ソフトウエアー開発を加速させる方法論

~産業組織心理学から紐解く~

登壇者

川西 由美子 氏
ランスタッド株式会社 ナショナルセールス&アカントマネジメント本部 組織開発ディレクター
川西 由美子 氏 産業組織心理学を軸にしてソフトウエアー開発を加速させる方法論を解説します。組織のアジャイル化を構成する要素であるOODAループの解説と効果的な実践方法及び解決志向型でソフトウエア開発を行うための要素お伝えします。組織のアジャイル化は2018年にマッキンゼーグローバルサーベイで2500人の経営者の関心事トップ3に挙げられて世界的は関心事項です。

業務上の経験や研究を主とした経歴

フィンランドのLyhytterapiainstituutti にてヨーロッパを中心に世界27か国に広まりを見せる組織活性化技法の指導者資格を取得。現在はオランダに本社のある世界最大級の人材会社ランスタッド株式会社のナショナルセールス&アカウントマネジメント本部 組織開発ディレクターとして国家機関、地方自治体、企業、病院などで産業競争力を高める人材育成や組織改革の技法を広めている。臨床心理学、組織心理学が専門。著書多数。ベトナムの情報通信省やインドネシアでも出版され、ベトナムの大学や企業、インドネシアの企業でも教育活動を行っている。
  • 厚生労働省の委託事業として、東日本大震災後2012~2015 年 福島県南相馬市民のメンタルヘルスケアに従事
  • 福島第一原発廃止措置に向けたロボットの遠隔技術開発センターにおける初の品質月間講師
    (JAEA日本原子力研究開発機構 楢葉遠隔技術開発センター)
  • 旭化成陸上部のメンタルトレーナー
    (2005~2009 年。ニューイヤー駅伝15 位から2 位へ順位を上げる)

研究論文や著書

  • 「産業組織心理学によるこれからのリーダーシップ ドイツ流リーダーシップ論ニューオーソリティ」(日科技連出版より 2020 年10 月31 日 監訳出版)
  • 「チームを改善したいリーダー・推進者のための心の好循環サイクル 仲間を支え個を活かす力」(日科技連出版社・ベトナム社会主義共和国 情報通信省 情報通信出版局より翻訳出版)
  • 「Reteaming:12 STEPS TO A HAPPY WORKPLACE」(インドネシアGramedia 社・出版協力)
  • 「職場のメンタルヘルス対策の実務」(民事法研究会・編・著)
  • 「強いチームをつくる技術」(ダイヤモンド社・出版協力)
  • 「ココロを癒せば会社は伸びる」(ダイヤモンド社・著書)
  • 「ココロノマド」(朝日新聞社・著書)
他、多数

その他(学位、表彰、学会活動、その他特記事項)

Webメディア、新聞、雑誌
  • 雑誌プレジデント(職場の心理学 昭和のおじさん世代よ、今こそアジャイル組織の熱源となれ)2023.5.19
  • 日経ビジネス電子版(川西由美子の相談室「それでいいのよ」) 2020.10~2022.5 全34 回連載
  • 日経産業新聞(マネジメント講座コロナストレスとの向き合い方)2020.5~7 全8 回連載
  • 雑誌プレジデント( 本当に営業成績10 倍アップ ポジティブ心理学実践マニュアル)2016.12.19
他、多数

SQiP特別セッション

第15期ソフトウェア品質保証プロフェッショナルの会からの情報発信

C4-1 活動紹介

ソフトウェア品質保証プロフェッショナルの会活動紹介

登壇者

牟田 香奈 氏
オリックス銀行株式会社/本会企画委員会委員
C4-2 活動報告

CXQLを組織として回す

~“学習するチーム”による継続的な価値提供~

登壇者

滝 若葉 氏
SCSK株式会社
滝 若葉 氏 昨年提案した“CXQL(Customer eXperience Quality Loop:顧客体験品質の活用ループ)を実現する人材育成”の具体的なアプローチと して、「CXQLを回して学習するチーム」を提案する。
私たちは、多くの開発チームにおいてCXQの追求に必要なスキルやマインドセットを持たず、ソフトウェアのリリースが品質マネジメ>ントのゴールとなっている現状があるという仮説を立てた。
この解決には、トライ&ラーンのチーム活動を許容し、仮説検証や顧客観察を当たり前行動として定着させる必要がある。さらに、リ ーダーやマネージャーも含め、互いのスキルや価値観の違いを認め、触発し合う環境で継続的に学び続けることが重要である。
CXQLを実現し、優れたサービスを持続するために、部門間や個々人の間で起こりうる断絶を防ぎ、多機能なチームを構築し、顧客価値 を提供しつづける文化を育むことの必要性について発表する。
C4-3 活動報告

失敗から学んだノウハウを有効活用できる組織にするには

~ソフトウェア品質向上のための生成AI活用法の考察~

登壇者

津久井 秀樹 氏
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
津久井 秀樹 氏 私たちのグループでは、“「先人の知恵(智慧)」や「過去のトラブル対応経験」といったノウハウを有効に活用できるようになれば、組織全体の技術力向上に繋がり、過去と同じ失敗、あるいは類似の失敗を繰り返さない組織にすることができる。ひいては、「高品質なソフトウェアやシステムを開発・提供し続けられる組織」にして行ける。”という仮説を立てました。
これまでも様々な方法でノウハウ共有が試みられましたが、多様な情報ソースを万人のニーズに合った形で提供することは困難でした。その解決策として、昨今技術革新が進む生成AIを活用すれば、利用者の期待に応える情報が提示できるのではないかと考えました。そのために、組織のノウハウをどうすれば有効に活用できるのか、そして組織内の誰もが使いやすい仕組みにするにはどうすればよいかについて、討議を重ねてきました。
今回の発表では、私たちがこれらの討議の中で得た気付きをご紹介したいと思います。

企画セッション

D3-1 講演

ANAが挑むデジタル変革の最前線

登壇者

加藤 恭子 氏
全日本空輸株式会社
執行役員 グループCIO デジタル変革室長
加藤 恭子 氏 VUCAの時代と呼ばれる現在、お客様ニーズの多様化や生産性向上、業務プロセス変革のニーズはさらに加速しており、DX/IT部門には、時代の変化に合わせたアジリティかつスピーディーなDX推進の期待が益々高まっています。
ANAでは、基幹システムの外部サービス移行プロジェクトなど、IT基盤の見直しに加え、アジャイルやデータ活用等を通じた社内文化の醸成、業務部門社員のデジタル教育、攻めと守りのデジタルガバナンスなど、様々な施策を組み合わせて、こうした期待に応えるべく日々挑戦しています。

業務上の経験や研究を主とした経歴

1989年、全日本空輸に入社し、情報システム部門に配属。
営業部門のシステム担当やマーケティング担当を経て、㈱ANAじゃらんパック、ANAX㈱の代表取締役社長を歴任。
2022年 ANAデジタル変革室イノベーション推進部長となり、2023年4月より現職。
D4-1 講演

15年の火消し人生で分かった大切なこと

~問題プロジェクトの「見分けかた」と「立て直しかた」
そして、そもそも問題を起こさないための「組織風土」~

登壇者

清水 育夫 氏
TIS株式会社
常務執行役員
IT基盤技術事業本部・本部長
清水 育夫 氏 私の仕事人生の大半は、問題プロジェクトの火消しでした。超大規模金融システムから産業系まで、1つ鎮火してはまた次の火事場へ。15年の火消し人生で得た教訓は数え切れません。そのすべてをお伝えすることはできませんので、本講演では、どのプロジェクトにも共通で言えること、かつ私が特に大切だと考えていることを中心にお話させていただきます。
  1. 問題プロジェクトの「見分けかた」
  2. 問題プロジェクトの「立て直しかた」
  3. そもそも問題を起こさないための「組織風土」

業務上の経験や研究を主とした経歴

1993年 TIS株式会社に入社。金融システムの開発保守に従事。
2004年~2018年 金融系や産業系を問わず、次から次へと問題プロジェクトを立て直し。火消し人生15年。
2018年~2023年 品質革新本部・本部長に就任。事業部門及びグループ会社の品質向上、生産性向上に関する施策の立案と推進を執行。
2024年 IT基盤技術事業本部・本部長に就任。TISインテックグループ全体及びTISのITプラットフォーム事業戦略立案および推進を執行。

ランチセッション

ランチセッション3 Aストリーム

"Document-DevOps"と
トレーサビリティツール「ConTrack」が実現する
品質革命!

株式会社ベリサーブ

トレーサビリティ管理とドキュメントの構成管理を組み合わせた差分・変化点分析と影響範囲分析により、開発のQCD向上に寄与する「ConTrack」はますます多くのお客様にご好評いただいております。
最近では、従来のDevOpsの考え方を設計工程にも取り入れることで、"Document-DevOps"とも呼べるようなヒューマンエラー抑止、開発期間短縮のための自動化開発環境の構築に関心が集まりつつあります。
近日、"Document-DevOps"を実現するための「ConTrack」の新しい機能をリリース予定でして、先行して「ConTrack」が実現しようとしている品質革命についてご紹介いたします。
ランチセッション4 Bストリーム

AIと人の総合力でソフトウェア開発サイクルを包括的に支援する
Quality Engineeringプラットフォーム「Autify」

オーティファイ株式会社

Autifyは、AIを活用したプロダクトと品質保証のプロフェッショナルの組み合わせでソフトウェアテストを自動化し、開発に関わる方々の生産性向上を実現するQuality Engineeringプラットフォームです。我々のプラットフォームは、ノーコードで誰でも直感的に使えるテスト自動化ツール「Autify NoCode」、生成AIによるテスト設計およびテストケース作成ツール「Autify Genesis」、品質保証・テスト自動化のプロフェッショナルによる品質保証サービス「Autify Pro Service」の3つのソリューションから構成されており、ソフトウェア開発サイクルを包括的に支援可能です。