クオリティフォーラム 2020

企画セッション

第1日目

A会場

デジタルトランスフォーメーションによる新しい価値の創造

DXをバズワードにしないために必要な視点

若原 強 氏
トレジャーデータ株式会社 エバンジェリスト
consulting & more 代表
若原 強 氏 仮)2025年の崖問題や、新型コロナウィルスがもたらした時代の節目感なども経て、DXの重要性と必要性はさらに声高に叫ばれています。ただここで、DXはあくまで手段であり、その手段によって実現したい目的をおろそかにしすぎると、DXという言葉だけが一人歩きしてしまい(DXのバズワード化)本質を見失いかねません。このセッションではそうならないために必要な視点について、具体例も交えながらお話しします。

コニカミノルタ Business Innovation Center (BIC)流
顧客価値創造とは?

波木井 卓 氏
コニカミノルタ株式会社 BIC推進部長 兼 BIC Japan 所長
波木井 卓 氏 コニカミノルタは、イノベーションを起こして新しい価値をお客様に提供する組織「Business Innovation Center(BIC)」を2014年に世界5拠点に設立しました。BICは、今まで誰もが実現し得なかった空想的なアイディアをサービスへと進化させ、人々の生活やビジネスに役立つ新しい事業を創造し続ける専門チームです。コニカミノルタがBICを設立した背景やBICのミッション、活動内容などとともに、BICが推進してきた様々な新規事業プロジェクトの実例を紹介しながら、BIC流の顧客価値創造のノウハウを紹介いたします。

経済産業省における産業界への
デジタルトランスフォーメーションの推進

宮本 祐輔 氏
経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課
課長補佐(情報処理システム利用高度化担当)
デジタルトランスフォーメーション(DX)の定義、日本企業のIT投資等の状況や2025年の崖について等の説明を行います。また、DX推進指標(各企業が簡易な自己診断を行うことを可能とするもの)、DX認定制度(国が策定した指針を踏まえ、優良な取組を行う事業者を、申請に基づいて認定する制度)の説明、DX銘柄(企業価値の向上につながるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業を選定)、デジタルガバナンス・コードの内容解説の説明等を行います。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】福本 勲 氏
 株式会社東芝 デジタルイノベーションテクノロジーセンター チーフエバンジェリスト
福本 勲 氏 現在、多くの企業が、将来の成長・競争力強化のために、デジタルトランスフォーメーション(DX) の取り組みを進めつつあります。しかし、取り組みが加速する中、IoTやAIなどのテクノロジー面の話題が先行し、ビジネスモデルの具体像をどう描けばよいのか、自社が保有する差別化・優位性はどのように発揮すればよいのか、他社との連携はどのように実現すればよいのかなど、進むべき方向と進め方に悩む企業や実務者は依然多いと考えられます。日本におけるDXの取り組みは進んでいるのでしょうか。進んでいないとすればその理由は何で、加速・成功させるためにすべき工夫は何なのでしょうか。After/Withコロナ時代におけるニューノーマルを生き抜くためのDX推進のあり方とは何なのでしょうか。3名の有識者の皆様の意見を聞きながらパネルディスカッションを進めてまいります。
B会場

経営戦略としての働き方改革の実践

経営戦略としての働き方改革

~新しい時代に向けて~

大塚 万紀子 氏
株式会社ワーク・ライフバランス 取締役・パートナーコンサルタント
大塚 万紀子 氏 2019年4月1日より働き方改革関連法案の一部が施行され、現在「働き方改革」は大企業だけではなく、中小企業にとっても重要な経営課題の一つとして認知されていますが、コロナ禍により一気に取り組みが加速しました。
一方で、「コロナ前と同じでかまわない」「コロナ前に戻ることは致し方ない」と考えている企業が存在することも事実です。
そこで、本セッションでは、今一度、なぜ働き方を変えて生産性向上に挑戦することが必要なのか、日本社会に働き方改革が必要な理由を考えたうえでコロナ禍を経ての働き方改革ポイントの整理、明日から始める働き方改革の第一歩についてお話しいたします。
この機会にあらためて、働き方改革がなぜ必要なのか、生産性向上のカギはどこにあるのか、ご一緒に考えを深めてまいりましょう。

働き方改革を支える品質経営

佐々木 眞一 氏
トヨタ自動車株式会社 元副社長、(一財)日本科学技術連盟 理事長
佐々木 眞一 氏 働き方改革の必要性の理由は少子高齢化による労働力不足が言われています。一方で非正規労働者の増加や失業による貧困層が増加しているという矛盾した事象が起きています。グローバル化経済とデジタル革命と呼ばれるお客様の価値観や産業構造の急激な変化に追従できなかった経営の問題と言わざるを得ません。新たなお客様価値の創出と新たな組織能力の獲得で難局を乗り切った企業が実施している『品質経営』を学ぶことで働き方改革への道筋が開けることが期待できます。

ヤフーの働き方改革(2020)

本間 浩輔 氏
Zホールディングス株式会社 常務執行役員
本間 浩輔 氏 ヤフーの働き方改革にご注目頂いたのは、新社屋への転居があった2016年のことです。
それから4年が経過しました。この間弊社では、大型のM&Aを経験し、社長の交代もありました。
また昨今の新型コロナウイルスへの対応により、働き方改革も当初の目論見とは異なり、当時は想像できなかった形に変化しています。
本セッションでは、ヤフーの4年間を振り返りながら、ヤフーの取り組む働き方改革がどのように変化していったのか、経営戦略とのかかわりを中心にご紹介いたします。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】大塚 万紀子 氏(株式会社ワーク・ライフバランス)
大塚 万紀子 氏  
C会場

TQMのコアツール「方針管理」の重要性を改めて考える
~日常管理とのすみわけも含む

-JAQ(Japan Association for Quality)協賛セッション-

方針管理とはどんなツールなのか

-その意義と難しさ-

棟近 雅彦 氏
早稲田大学 理工学術院教授
棟近 雅彦 氏 方針管理とは、一般にはTQMのコアツールで、経営方針を達成するために用いられる仕組みと説明されます。演者は、TQMに関わらず、方針管理が持つ機能は組織経営に不可欠なものであり、どの組織も実践する必要があるものと捉えています。それ故、既にJIS規格にもなっており、理想的方法論は示されています。それを実践できれば、組織経営において強力な武器になることは明らかです。
しかし、その実践には様々な困難をともないます。なぜ、難しくなってしまうのでしょうか。本講演では、方針管理がどのようなツールなのかを解説した後に、その実践がなぜ難しいのかを述べたいと思います。また、演者の考える対応策と、本セッションの事例講演のポイントについても触れます。

キャタラーにおける方針管理の取り組み

~デミング賞挑戦と方針管理強化の軌跡~

渡部 淳 氏
株式会社キャタラー 経営企画部 部長
渡部 淳 氏 キャタラーは、2015年に全従業員の努力と全社を挙げたチームワークによりデミング賞を受賞することができました。デミング賞の受賞以降も、事業環境の大きな変化を認識し、改革のスピードを緩めることなく品質経営を強化し、2018年にデミング賞大賞を受賞することができました。このようなデミング賞挑戦を通じたTQM活動では、数多くの専門家から方針管理強化に関するアドバイスをいただきました。当講演では、グローバル競争の激化、電動化へのシフトなど100年に一度の大変革期と言われる時代を、方針管理強化によりどのように乗り越えようとしているか。また、全社・グループ会社へのビジョン・方針展開の方法論、KPIマネジメント導入による進捗管理の改善など、キャタラー流の方針管理の仕組み改善について、事例を交えながらご紹介いたします。

ブリヂストンの方針管理とガバナンス体制

井上 祥 氏
株式会社ブリヂストン 執行役員 CQO・品質推進担当
井上 祥 氏 当社は、サステイナブルなソリューションカンパニーとして、社会価値・顧客価値を持続的に提供するために、デミング賞を受賞した1968年に制定した社是「最高の品質で社会に貢献」を現在は企業理念の使命(Mission)として掲げ、将来に向けたビジョンをもって経営を進めています。また、1988年の米国ファイアストン社買収によりグローバル化への大きな第一歩を踏み出しました。経営手法の一つである方針管理、企業理念体系、及び、最新のグローバル経営体制、品質ガバナンス体制について、具体的な内容、事例を紹介させていただきます。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】棟近 雅彦 氏(早稲田大学)
棟近 雅彦 氏 方針管理は、日常管理、機能別管理とともに、経営管理の3本柱の一つに位置づけられています。既にJIS規格が制定されており、その方法論は確立された感があります。一方で、JIS規格で規定されていることはポイントのみであり、現実の運営方法は非常に自由度が高く、真に経営に有効なツールにするためには、一工夫、二工夫が必要です。
本セッションでは、元祖方針管理ともいえる(株)ブリヂストン様、近年デミング賞、デミング賞大賞を受賞された(株)キャタラー様に方針管理の実践事例をご紹介いただき、方針管理を実践する上で困難な点は何か、それを克服するためには何をすればよいかについて、パネル討論を通じて紐解いてみたいと思います。
D会場

第26回 品質機能展開シンポジウム

コーディネーター:渡辺 喜道 氏(山梨大学大学院)

品質機能展開(QFD)とは何か

永井 一志 氏
玉川大学 経営学部 国際経営学科 教授
永井 一志 氏 品質機能展開(QFD:quality function deployment)は、製品に対する顧客のニーズをもとに、高品質な製品の開発をサポートする方法論です。QFDは数多くの企業において、開発上流段階で品質を保証する方法論として活用されています。
本講演では、QFDという言葉を初めて聞く方々を対象に、QFDとは何かを平易に解説します。さらに、事例紹介を通じて製品開発におけるQFDの効用を皆さんと共有したいと考えます。QFDの理解により、他の事例発表を聞く際の参考となれば幸いです。

多次元思考のススメ

黒河 英俊 氏
アルプスアルパイン株式会社 技術本部 技術管理部 部長
日本イノベーション融合学会 専務理事
日科技連QFDセミナー小委員会 委員
黒河 英俊 氏 様々な企業活動の場面において、QFDをはじめ多くの有効な手法が提案されています。これらの手法から、目的に適した手法を探索、選択し、手法を実践活用することで、成果を挙げることを目指します。
手法の活用による成果が大きければ大きいほど、、組織内に展開することにより、より大きな成果が求められるようになります。
しかし既存の組織にとっての新しい手法は、従来の仕事の方法を否定されかねないものであり、導入への道のりは平坦ではありません。
上手く導入できない要因はどこにあるのか、どのように展開すると賛同を得やすいのか、事例を交えて、考え方を解説します。

潜在ニーズ掘り起こしのためのQFD活用

“既存MFP事業と研究開発部門での取り組み紹介”

細川 哲夫 氏
株式会社リコー イノベーション本部
高内 正恵 氏
株式会社リコー Customer Firstセンター
成田 博和 氏
リコーインダストリアルソリューションズ株式会社
細川 哲夫 氏 弊社の主力事業であるMFP(Multi-Function Printer)においては画質や用紙搬送などの当たり前品質は十分に確保されており、お客様の期待を超える魅力品質や一元的品質の実現が課題となっています。お客様の期待を超えるためには、お客様の生の声(RV: Raw Voice)をそのまま実現するのではなく、RVをベースにしながら潜在ニーズのVOC(Voice of Customer)を掘り起こすことが必要となります。当日は潜在ニーズを掘り起こすためのQFD活用の取り組みについて紹介します。さらに、将来のための新規事業の確立も経営課題となっており、我々は市場性とロバスト性確保を研究開発部門における技術開発の課題に設定した活動を継続しています。市場性確保に関しては、そもそもRVが存在しない新規市場における潜在ニーズのVOCを創造する必要があります。当日はQFDを活用したVOC創造の取り組みについても紹介します。

創造性と効率性を両立した技術開発プロセス構築の取り組み

~QFDとMBDの融合~

沢田 龍作 氏
サワダ技研株式会社 代表取締役
沢田 龍作 氏 自動車業界のみならず、産業界において広く、MBD(モデルベース開発)による効率性を追求した製品開発プロセスの実用化が進んでいます。
一方で、創造性との両立を狙った技術開発プロセスでは、QFDの中の機能展開と、二元表による機能分析の方法が非常に有効であると考え、これらと、MBDで活用するモデルを融合させることによって創造性と効率性を両立させる取り組みを行いました。今回、技術開発プロセスの概念と、それを自動車用エンジン部品の開発に適用した事例を紹介いたします。

第2日目

A会場

失敗から学ぶ成功への道 Ⅱ

~企業事例に学ぶ失敗学実践による未然防止~

失敗学 スピンオフ物語・・・どの会社でもハマる怖~いワナ・・・

濱口 哲也 氏
株式会社濱口企画 代表取締役
濱口 哲也 氏 近年繰り返されている品質不祥事が“品質立国日本”の信頼を大きく揺るがしております。我々はこの状況を看過することなく、再発防止・未然防止に向けた取り組みを、より一層危機感をもって行う必要があります。そのためには、産業界で起こった、様々なワナを理解する必要があります。本講演では単に「こんな失敗がありました」という事例レベルの紹介ではなく、「どのようなワナにハマって失敗したのか」という理由系・原因系を紹介することで、自分達が同じ失敗を繰り返さないためにどうすべきなのか、未来の行動を変えるきっかけや気づき、ヒントになる内容をお話します。

①AGCグループにおける「失敗から学ぶ」取組み(その2)

~失敗のワナを語ろう~

岩松 正治 氏
AGC株式会社 環境安全品質本部 品質部 品質マネジメントチーム マネージャー
岩松 正治 氏 AGCグループでは、濱口先生のご指導による「失敗から学ぶ」取組みを2012年から始めて現在、丸8年になります。
昨年に続き、私たちの取組みの3つの特徴(失敗展示ホールを活用した「失敗学講座」の導入、階層別教育への「失敗学講座」の導入、幅広いジャンルの失敗に失敗学のフレームワークを適用)を紹介するとともに、本日は、これまでの学びの中で抽出された「失敗のワナ」を、恥ずかしながら幾つか紹介させていただきたいと思います。
一方的に紹介するのではなく、できるだけ皆さんと双方向で会話ができるような講演にしたいと思います。

②失敗学における情報発信

平山 貴之
日本科学技術連盟

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】濱口 哲也 氏(株式会社濱口企画 代表取締役)
濱口 哲也 氏  
B会場

グローバルでの競争優位を目指すものづくり革新

グローバルでの競争優位を目指すものづくり革新

~ダイキン工業におけるものづくり力の強化のグローバル展開について~

森田 重樹 氏
ダイキン工業株式会社 執行役員 空調生産本部長 堺製作所長
森田 重樹 氏 弊社のものづくりの基本は、「市場最寄化生産」です。それを実現するためにダイキンではPDS生産方式(Production of Daikin System)を各拠点に導入し、ダイキンのものづくりDNAの伝承を行っております。商品開発~生産の中で、グローバルでの標準化の取組み、自動化、日本の工場と海外生産拠点の関係、ものづくりを支える人材育成、等々の具体例を通じて、変化の激しいグローバル環境でのものづくり革新の取組みをご紹介いたします。

マツダのモノ造り

~モノ造りの志と挑戦~

川上 英範 氏
マツダ株式会社 常務執行役員 グローバル品質担当、コスト革新担当補佐
川上 英範 氏

1. マツダは、1920年の創立以来、「飽くなき挑戦」を続ける自動車メーカーです。
2020年に100周年の大きな節目を迎え、次の100年に向け、「人と共に創る」マツダの独自性を大切にし、中長期的な企業価値の向上に向けて取り組んでいます。

2. 2012年以降、独自の商品力(「SKYACTIV技術」や「魂動デザイン」)を全面的に採用した商品を導入し、「世界同一品質・同一生産性」を合言葉にグローバル全拠点の生産効率を高めるモノ造りを両立させる「モノ造り革新」に挑戦してきた。

3. スモールプレーヤーであるマツダらしく、グローバルで生き残っていく為のモノ造りの考え方と取り組みを紹介する。

Together with “MONOZUKURI”の加速へ

大嶽 充弘 氏
NECプラットフォームズ株式会社 取締役 執行役員専務
大嶽 充弘 氏 NECグループは「Orchestrating a brighter world」というブランドステートメントを掲げ、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指しています。
このNEC Wayを実現するために、NECプラットフォームズは、社会課題の解決を念頭に置き、その実現に不可欠となる幅広いICTプロダクトとシステムの提供を通じ、お客さまと共に新たな価値創造に取り組んでおります。
こうした社会価値創造を実現するため、我々は、TQMを事業の基盤とし、顧客価値軸・現場革新軸・デジタル軸の三軸で組織能力を向上させ、協調と共創を実現する「グローバル One Factory」に向けた行動を加速させています。
講演では、デジタルマインドでの継続的なカイゼン、エンドユーザー価値の創造、お客様に感動していただける情熱とプロセスの共有の取り組みなど、当社の変革事例をご紹介致します。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】水上 潔 氏
(ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会)
水上 潔 氏  
C会場

大変革時代に勝負を分ける人財育成の重要性

「出る杭人財の育成」

イノベーター「出る杭」の本質思考 ―GAFAを超える発想法―

横田 宏信 氏
ソスピック株式会社 代表取締役
横田 宏信 氏

「本質とは何か?」
そう問われて答えに詰まらない人は、まずいません。
「本質とは何か」は、古代ギリシア時代から続く謎。
世の中は、本質が分かっていないのです。

しかし、その中で、本質に迫れる企業があります。
GAFAです。
彼らは、本質に迫れるがゆえに、奇跡的な成長を遂げています。
それは、表層的な何かで説明できるレベルではありません。

では、GAFAは本質に迫り切れているのでしょうか?
いいえ。
彼らも「本質とは何か」を問われれば、答えに詰まるはずです。
「本質とは何か」が分からなければ、本質に迫り切れているとは言えません。

GAFAは、世の中に比べれば本質に迫れているだけ。
ならば、「本質とは何か」が分かれば、GAFAを超えることができる。

実は、GAFA同様に奇跡的の成長を遂げたかつてのソニーでは、本質に迫れる人財を「出る杭」と呼び、大事にしていました。
そのソニーでもひときわ「出る杭」だった「出る杭コンサル」横田宏信が語る本質論。
必聴です。

トヨタ自動車九州における機械学習の人財育成

~TQMの推進と組織能力の向上~

川原 英司 氏
トヨタ自動車九州株式会社 経営企画本部 副本部長
川原 英司 氏 弊社はトヨタ第二の国内生産拠点として、愛知県外初となる車両生産工場として福岡県で1991年に誕生し、現在は最高品質にこだわったレクサス車を生産しています。 また会社ビジョン達成に向けたTQMを推進しており、その基盤となる「風土づくり」の一環として人財育成に取り組んできました。近年、自動車業界の百年に一度の大変革の中、生き残りをかけたモノづくり競争力強化に向け、従来のサンプリングデータのSQC解析から、ビッグデータ解析のニーズに応えるため、2017年から機械学習の教育も開始しました。これらデータ分析の人財育成の特徴として、①環境 ②知る ③使う ④広げるの観点で推進してきました。
今フォーラムにて、機械学習を中心に、上記の4つの観点、人財育成の考え方や効果的・体系的に取り組む為の工夫点などについて紹介いたします。

旭化成グループの品質保証人財育成

中尾 卓 氏
旭化成株式会社 理事 品質保証部
中尾 卓 氏 「私たち旭化成グループは、世界の人びとの“いのち”と“くらし”に貢献します。」をグループ理念として、幅広い事業を国内外に展開しています。品質保証の重要性を働く方々全員に浸透させることと、品質保証、品質管理を、確信をもって実践していくための品質保証人財育成は、最重要課題の一つです。
2016年度から、新たな人財育成活動をスタートさせました。「品質保証フォーラム」は、毎回40名程度の本社集合教育で、6回/半年、半日/回、で、品質管理学会を代表する先生方を講師としてお招きし、5回までは前半は講義、後半はその講義をもとに、自分たちは実践できているかをグループ討議します。最終回は全体を総括して、経営陣を前に品質保証強化の提案を発表しています。
受講者は、若手~中堅クラスで、品質保証、品質管理を担当する社員ばかりでなく、研究開発、営業等も対象にしています。品質保証人財ネットワーク構築に加え、グループ内異業種交流にもなっています。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】今野 勤 氏(神戸学院大学 経営学部 教授)
今野 勤 氏 本セッションでは、“大変革時代に勝負を分ける人材育成の重要性“と題して、3人の方々にご講演をいただきます。順に簡潔に論点を整理すると以下のとおりです。
  1. 1)自社のビジネスの本質は何か、それを社会でどう生かすか、全社を本質に沿って動かせる人財とは
  2. 2)自社の長期ビジョンに向かって、全社を動かす人財をどう育成し、全社を動かしていくか
  3. 3)様々な事業体が混在する企業において、全社に品質保証の横ぐしを通すことを、人財育成を通じてどう実現していくか
パネルディスカッションでは、フロアからの質問を中心に、短い時間では語りつくせなかったポイント、具体例、人財育成の課題をどう克服したかについてディスカッションを進める予定です。フロアからの積極的な参加を期待してます。
D会場

トップが語る、我が社の品質経営

シロキ工業における品質経営の取組み

~新生シロキビジョンの達成を目指したTQM活動の推進~

美濃島 章 氏
シロキ工業株式会社 取締役専務役員(2019年度 デミング賞受賞)
美濃島 章 氏 当社はドアサッシ、ウインドウレギュレータ、シート機能部品などを主要事業とした自動車部品メーカーです。 2016年4月に、より一層の事業競争力強化を狙いアイシン精機株式会社と経営統合しました。そして、これを機にTQM活動を強化し、新たに策定した「新生シロキビジョン2021」の達成を目指して参りました。その中で自動車産業の「100年に一度の大変革期(CASE)」を品質経営度向上の絶好の機会と捉え、顧客価値を追求した事業戦略の構築、品質保証や人財育成のしくみづくり等により組織力を向上して参りました。
その成果として経営統合に伴う諸問題を解決し、収益をV字回復させることが出来ました。更に中期経営目標の達成を見通せるようになり、2019年度デミング賞を受賞出来ました。これらの取組みを通して得られた仕事の進め方、社員の意識変革や苦労したことについてご紹介させていただきます。

デミング賞受賞に向けた挑戦

小橋 正次郎 氏
小橋工業株式会社 代表取締役社長(2019年度 日本品質奨励賞TQM奨励賞受賞)
小橋 正次郎 氏 当社は、1910年の創業以来、農業の機械化を推進し、トラクター用作業機や耕うん爪等を製造販売してまいりました。現在は、「地球を耕す」という理念のもと、農業分野で培った自社技術の新たな事業領域への応用を進め、地球規模の課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。
2013年には、「お客様との接点である製品」の絶対的な品質を確保するため、『TQM活動』を本格的にスタートしました。その結果、市場クレームの減少、生産平準化による業務負荷の改善、製造原価低減の目標達成等の成果を上げることができました。
世界最高水準の品質を誇る企業を目指し、“ライバルは昨日のKOBASHI”を合言葉に、日々挑戦を続ける当社の取り組みについて紹介いたします。

ジヤトコにおける品質経営の推進

中塚 晃章 氏
ジヤトコ株式会社 社長・最高経営責任者
中塚 晃章 氏 1992年にデミング賞を受賞後、当時と活動の形態を進化させながら、QCサークル活動、管理・間接系部門の改善活動「V-up」、世界一といえるモノづくりを目指して、独自の生産方式であるJEPS(JATCO Excellent Production System)の構築など、多様な品質経営実現のための活動を実施している。
その基盤として、目指すべき姿を明確化するために、社員共通の価値観であるJATCO WAY(T-E-A-M*)が定められている。さらに、JEPSイノベーションを推進し、「限りないお客さまへの同期」と「限りない課題の顕在化と改革」を追求している。

3者とフロアによる総合討論(パネル)

【コーディネーター】山田 秀 氏(慶應義塾大学 理工学部 管理工学科 教授)
山田 秀 氏